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……………
「クラウディさん!」
バレルを救出したリッキーが真っ先に向かったのは、奴らの目に付かない小屋の裏で待機していたクラウディの元だ。
体力も少ない彼を引っ張り、ようやく連れて来る事が出来た。
「すみません!あとはお願いします!」
コクリと強く頷くクラウディ。
リッキーはバレルの体を託し、再びナイジェル達に加勢するため走り出した。
「……ッ…」
朦朧とする意識の中。
痛みに耐え、うっすら目を開けると…
「貴様…っ…」
その顔を確認した瞬間、すぐにある一部のシーンがバレルの脳裏に蘇ってきていた。
*****
「出てこい」
・
・
・
アパートの横にある草陰に向かって放ったバレルの言葉。
返事は返ってこないが…
「出てこいっつってんだろ。バレバレなんだよ」
・
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・
ガサッ…!
バレルの言う通り、そこの木の裏から隠れていたひとりの男が姿を現した。
両手を上げている姿を見る限り「降参」といった所だ。
「誰だ、貴様…」
見た事のない知らない顔。
何故自分の住んでいるアパートを見張っていたのか、何をしていたかはわからない。
しかし、自分にケンカを売ってくるようなタチの悪い不良ではなさそうだ。
*****
まだ彼が公園にて銃で撃たれる前。
随分前に自宅近くに張り込んでいた人物がいた。
最初は敵かと思ったが、不良の仲間にしてはあまりにも上品な立ち姿だったので、すぐに違うとわかった。
まるでヨーロッパを連想させる容姿、グレーの髪で自分よりも背が高い。
図書館のローラの写真を突然見せてきた、あの謎の男。
その人物が今、傷を負った自分の体にすぐさま応急処置を始めた。
止血を行い、消毒をしてガーゼに包帯…
手慣れている。
その手つきはあの女と全く一緒だった。
まるで同じ本を読んで、その処置の仕方を学んだように。
「なんなんだ…貴様…」
掠れる意識で問いかけると、その男は体に包帯を巻ながら優しく微笑む。
「答えっ…グッ!」
更に訊き出そうとすると、人差し指を唇の上にとんっと乗せられ、バレルも驚いて自然と抵抗しなくなる。
『怪我人は大人しくしてください』
まるでそう言っている表情だった。
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