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今日は金曜日。
学校の授業が終わり、事務所に集まって皆で次のアニメ映画についての曲の考案会。
終わったらそれぞれが自宅に帰るだけのいつもの金曜日のはずだった。
「あー…腹減ったっすー!うっし!今日は皆で焼き肉食いに行きましょう!」
そんないつもの金曜日を狂わせたのは、この男の一言だった。
「響介…。お前昨日も学校帰りにラーメンを大盛で食べていたらしいじゃないか。少しは栄養管理に気を配ったらどうだ?」
「育ち盛りの男子高校生が栄養バランスなんて気にしてたら大きくなれないっすよ!」
雪之原「君が一番身長低いじゃーん」
「う、うるさい!俺は栄養が骨じゃなくて筋肉に行ってるんす!」
雨宮「一度足を骨折してきたらどうだ?再生する際、骨が新しく作られてわずかに伸びるらしいぞ」
「なに真面目な顔して怖い事言うんすか!嫌っすよ!なんで俺がそのわずかのためだけに両足折らないといけないんすか!」
雪之原「じゃぁ5センチ間隔に折ればぁ?かなり足長くなるんじゃないのぉ」
「そんな事すれば長くなる以前に重大破損及び再建不可により切断の危機っす!」
荷物をまとめ、鍵をかけて部屋を出るweather lifeと作詞担当のエマ。
「えー、皆焼き肉行かないんすかぁ?せっかくの花の金曜日なのに!ハナキンすよ、ハナキン!」
「それ軽く死語だろ」
乗り気ではないメンバーに後ろから横から、ブツブツ文句を言っている。
相当口が肉を求めているらしく、何度もしつこくせがんできて。
「ねーぇ、雨宮さぁーん」
「やかましい、くっつくな」
まるで子どもだ。
ついに見かねたクラウディが、ため息をつきながらバッグに手を入れ始める。
「クラウディ…どうし…っ…」
雨宮に差し出された一枚の紙。
それはなんと、焼き肉食べ放題コース半額クーポン。
しかも有効期限が今日までの、まさに「本日限り」のギリギリお得券だったのだ。
雨宮「行くぞ」
日晴「え、マジッすか!?あんだけ嫌がってたくせに!」
雨宮「当たり前だろ『半額』だぞ。しかも今日を逃せば次はない。得が出来るのは今日までなんだ」
雪之原「リツ君、主婦みたいだねぇ」
大人気バンドweather lifeも意外と皆脳は単純。
その辺の高校生と大差ない。
このようなやりとりがあり、6人は花の金曜日(ハナキン)を豪勢な「焼き肉」で締めくくる事とした。
日晴は余程嬉しいのか、スキップして先頭を突っ走る。
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