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「やー、稼いだ稼いだ!」
「最低やな、宗ちゃん」
冷めた横目で見ている弥生などお構いなしに、大金が手に入った葛西は上機嫌でお札を数える。
「世の中な、多少ズル賢く生き抜いていく術も知っとらんと、人生上手くやっていけへんのやで!」
「人生上手くいってたら、詐欺なんかに手出さへんやろ」
手に入ったお金を封筒に入れ、それを大切に懐へ仕舞う。
「さて!ほんじゃ次のターゲット探しですわ!」
「まだやんのか」
「当たり前やん。これっぽっちの金じゃ欠損した穴を塞ぎきれへんからな」
「勝手にせぇ」
葛西は早速次の獲物を探そうと、眼鏡を光らせて辺りを見渡す。
弥生はこの仕事を考えた自分に呆れ、情けないため息を吐いた。
「お!あの人なんかどうや?」
葛西が指差したのは公園のベンチに座って小さな手帳を見ている男だ。
眼鏡をかけていて、インテリな雰囲気のなかなか綺麗な顔立ち。
「なんや真面目な人そうやし、こんな話に騙されたりせぇへんとちゃう?」
「いや!ああいう一見『僕、真面目です』的な風貌の奴こそ、案外世間知らずやったり頭が堅すぎて相手の話を鵜呑みにしてしまう事が多いんや!
一度丸め込めばいくらでも金を出すタイプ間違いなしやで!」
「アホらし」
「よーし次のターゲット決定!声をかけてみよか!」
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