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……………
「さて、お待たせしましたな、お兄さん」
準備を整えて数分後。
葛西が男の隣に座り、早速相談タイムがスタート。
「まずはお名前と歳を聞かせて貰いましょうか?」
「雨宮律です。歳は18」
「雨宮律…どっかで聞いた事ある名前やな」
ボソッと呟く弥生には見向きもせず、葛西はメモを取って話を続ける。
「で?雨宮はん。今アンタには好きな子がおんねんな?詳しく話を聞かせてもらいましょか?」
「あ…えっと…はい。
僕、学業とは別に音楽関係の活動をやっているのですが…気になっている女性がそのグループにいます」
「ふむふむ」
「彼女は耳に障害を持っているのですが、内気で大人しくとても優しい子なんです」
「耳に障害?聞こえへんのですか?」
「はい」
雨宮は頷き、眼鏡の縁を親指で押し上げて話を続ける。
「しかし彼女は僕の他に、とても仲が良い男性がいて…
それが同じバンドを組んでいる僕の親友なんです。
彼も最近彼女を意識してきたらしく、なんというか…その…お互い譲れない関係になってきたというか」
「三角関係ってやつですな、ええねぇ」
「ドラマみたいやな」
葛西も弥生も雨宮の話に聞き入っている様子。
「僕は親友の事もとても信頼し尊敬しています。
音楽の才能もあり社交的で明るく、お互い今でもその友情は変わらないつもりです。
ただ、どうしても諦めのつかない自分がいます。
例えそれが、幼い頃から共に生きてきた親友でも。
そう思える程、僕にとってその女性は大切な存在なんです」
その話は真面目に聞いている様子の葛西。
まるで小説でも読んでいるように、弥生も黙り込んでしまっている。
「話はわかりました」
「…っ」
葛西は立ち上がり、横に座っている彼の顔を見下ろした。
眼鏡がキラリと光り、その圧倒的な存在感に雨宮は息を飲…
「つまり!アンタはそのおなごとちゅーしたいワケやな!!!!」
「は………はぁっ!?煤v
思ってもいなかった返答に、男の声が公園中に響いた。
雨宮も思わず立ち上がり、予想の範囲内だった展開に弥生は肘をついて目を逸らす。
「いやっ…そんな軽々しい話ではありません!僕が言いたいのはつまり、親友との関係をいかに崩さず…」
「ちゅーはしたくないんか?」
「それはしたいに…ッ///!?ち、違う!なんて事言わせるんですか!!」
先程のシリアスな空気はどこへやら。
調子の良い葛西に雨宮のペースは完全に乱され、反論を繰り返して場は大騒ぎだ。
「ほら〜お口は正直やん♪どんだけ綺麗事並べとうて、所詮思春期の男の頭ん中なんて結局そればっかりや」
「宗ちゃんもそうなんか?」
「当たり前や。僕も彼くらいの歳の時は、やよちゃんの入浴シーンと銭の事しか考えとらんやったわ。
まぁ年齢ほとんど変わらへんのやけどね。はははは」
「兄ちゃん。アンタの持ってるボールペン貸してくれへんか?血は洗って返すさかい」
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