……………

「やはり話になりません。自分の問題は自分で解決します」

数分話を聞いてもらった所で、雨宮はこの男がどのような男か判断したらしい。

荷物を取り、足早にその場を去ろうとする。


「あ、ちょっと!まぁまぁ、そない怒らんといてくださいな」

「ふざけ半分で僕に話しかけないでください」

「ふざけてなんかおりまへんわ!僕もアンタの気持ちは痛い程わかるさかい、力になりたいと思ってるんや」

「ならばどうすると言うんですか?」

「雨宮はん。アンタ、女子を確実に落とす最強の武器を持ってはりますやん!」

「武器?」


帰ろうとする雨宮が振り返ると、葛西はスッと手を伸ばし彼の顔を指差した。

その先は…


「眼鏡や。それがあれば、どないおなごでも100%コロッと落ちますで!」

「どういう事だ?」


彼の興味を再び引く事に成功。

すかさず葛西はその「眼鏡」を使った口説きの伝授にかかる。


「これはもはや秘技ですわ。生半可な気持ちで使うたらあきまへんよ?

まずですね。その眼鏡を彼女の傍で落とすんや。さり気なーく、極力近くで落とすんですよ」

雨宮「………。」

「そこで『おっと落としちまったぜ!』と、見えへんフリをして、地面を這いつくばって探すんや」

雨宮「いや、フリというか…実際見えないんだが」

「でもどーしても眼鏡が見つからん…フリをする。
すると必ず、彼女は眼鏡を拾おうと君の傍までしゃがみ込んでくるはずや。

そこで!ここからが重要やで!

傍に来た彼女の手を握り!頬を優しく支える!

目は見えへん設定やからどれだけ顔を近づけても構わへん!」

雨宮「設定とはなんだ。本当に見えないと言ってるだろ!」


「そして彼女の耳元で甘く囁くんや!


『見つけた。僕の一番大切なもの』」


弥生「…………。」


「そこで女子はキュン!と、くるわけや!目は見えてへんと思われてんやから言い訳はいくらでも出来る!」

雨宮「だからっ…」

「ここまで来たらときめきメモリアルモードに入ってるから楽勝や!ちゅーするなり服を脱がすなり好きにすりゃええで!」


「「…………。」」



親指を立てる葛西に呆然と固まる雨宮と弥生。


「ま!僕がやよちゃんにこの秘術を使たら、おもっくそ顔面に唾飛ばされましたけどね!はははは」


雨宮「やはり帰る」


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