キーンコーン…

鳴り響くチャイムの音。

追試の放送が学校中に響き渡るが、この子にはその音は聞こえない。

授業が終わり、浮かれ気分で生徒達は荷物をまとめ始めた。


ここはとある私立高校。


「………。」


聞こえない放送を背景に、生徒のひとり、エマ・ガーネットも教科書を重ねて手に持った。

授業が終わったこの時間。

彼女にとっては始まりの時間でもある。


「ふぅ」


これから私はweather lifeの事務所へ向かい、仲間達の手伝いやお仕事をしなければならない。

今日も七音君は遅刻してくるかな?

あっ…もうこんな時間だ。

急がなきゃ。


友人と会話を交わす事もなく、エマは急いで席を立って教室を出た。





「…あ…れ?」


階段を降りてロッカールームへ向かうと、ふとある物が視界に入る。

自分の使用しているロッカーに何かが挟まっているのだ。

不思議に思って引き抜いてみると、それは一枚の白い封筒。

送り主の名前も書いていない。

一体誰からだろう?


急いでいたエマは、とりあえずそれと手に持っていた教科書を鞄に仕舞い、晴れた空の下を走り出した。


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