ビッキーもサラも知らないとなるとおかしいな。

ボビーの部屋から外へ出たとなると、構図的にこの場所は必ず通るはずだ。

ナイジェルもそれはわかっているらしく、ジムを難しい顔で見た。


「どこに行ったんだ、アイツ」

「ナイジェル、本当に外に出た音を聞いたのか?お前の聞き間違いなんじゃ」

「確かに窓の開いた音は聞こえたんだがな。まさかまだ室内にいるのか」

「もーう!!とにかく早く探しましょうよ!アタシのボビーちゃんが逃げちゃ…」





「キャァッ!!!」






突然聞こえてきた叫び声に全員が振り返る。

これは先程別れたばかりの女性の声だ。


「サラ!?」



ドンッと何かがぶつかるような音も聞こえる。

脱衣場の方向からだ。

ナイジェルが何も考えずに真っ先に走り出し、それに続き他の連中も。






(静かにっ!誰かにバレたらどうするんだい!?)






男の声も聞こえる。

これは侵入者があったに違いない。

男とオカマ達は足を急がせ、すぐに声の聞こえた脱衣所へ向かった。



「サラ!どーした!?」

「あっ、ナイジェル!」

壁に寄りかかっていた彼女は、すぐに洗濯機の方向を指差した。


「この中に何かいるの!」

「えっ…」



洗濯機の中に何かいる?






ガシャン…


ガシャン…






耳を澄ますと何やら物音がする。


うっすらと見える怪しい影。


全員が同時に顔を合わせ、警戒しながらジムとナイジェルが近づくと…






ガシャン!!!!









/こんばんは。リッキー・スターンだよ \



「「…………。」」






現れた宇宙人に、途端に静まり返る脱衣所。

なんとなくこの展開は予想出来ていたが、これはあまりにも酷い完成度。

それぞれが口を閉ざす中、ジムだけがぼそりと呟いた。


「リッキー君は…今、実家に帰ってるはずだけど」

?「今っ…帰ってきたんだよ。皆ただいま」

ナイジェル「なんでそんな所から帰ってくる?」

?「知らなかったのかい?ウチの洗濯機はのび太君の机の引き出し的役割で、時空空間に繋がっているんだ」











ジム「ボビー君だよね?」

「誰だいそれは。そんな名前の人間この世に存在しないよ。僕はリッキー・スターン。これからもよろしくね」


ジム「ボビー君だよね…?」

「違うと言ってるだろう。僕は泣く子も黙るリッキー・スターン。これからも仲良くしてね」
















エルヴェ「ボビーちゅぁぁぁぁぁん!!煤v


「ギャァァァァアッ!!」


すぐに正体は見破られ、飛びかかってきたオカマに悲鳴を上げるボビー。

洗濯機の中にふたり同時に入ってしまい、その衝撃でフタが閉まって…



「やっと密室でふたりきりになれたわねっ!もう逃がさないわよォッ!」

「グガァッ!ど…どこ触って…あへへへっ///誰かっ!誰か助けてくれ!!ジム君、お願いだここから出し…」










「お前…外では俺の事『配下』とか言ってるらしいな」




「え…」






今までにないお人好しジム君の蔑んだドス黒い顔に、ボビーの表情は真っ青になる…。







ピッ





ゴゴゴゴゴッ!!!




「ジムくんんんんんんんッ!!僕が悪かったから!やめてくれ、止めゴボボボッ!」

「ホモなんでしょ、その格好はホモなんでしょ、ボビーちゃんっ!アタシがそのタイツごと食べ尽くしてあげるわぁッ!」

「嫌ぁああああッ!!!」



起動中の洗濯機の中でオカマに襲われるボビーを見て、さすがに哀れになったサラとナイジェル。



「エルヴェさん!元気になってよかったわね!」

「アタシ達のおかげよ!」

「ボビーさん…!やだ、良い身体だわ…アタシもなんだか体が熱くなってきたわぁ」


オカマ達は熱い密室ボーイズラブに盛り上がり…


ジムはなんだかスッキリしたような顔で、脱衣所を出て行った。



fin


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