……………


パーキングエリアで一度休憩を挟み、腹ごしらえも済ませた。

向こうの事務所長にもとりあえずお土産を買っておこうとのサラの提案で、お菓子の箱詰めを購入。

そして再びバイクで走って一時間。


特に大きな問題もなく、目的地であるボストンの専門企業へ到着。

3台のバイクは駐車場で停止し、地に足を付けた。

エンジン音で未だ耳が麻痺した状態だ。



「はぁ…さすがに少し疲れましたね」

「一番若いのが何言ってんだよ。俺はまだまだ走れるぞ」

「年寄りの冷や水って奴ですか?」

「誰が年寄りだ、コラ」


各々がヘルメットを外し、汗を拭いたり水を飲んだり。

リッキーは特に念入りに髪を整え、ハンカチで汗を拭きながら建物を見上げる。

ここは様々なバイクの部品や機種、さらに専門員の派遣や修理等を行う企業だ。

ウィンディランもこの会社には何度もお世話になっている。


「やっぱり立派な建物ですね」

「そうね。ナイジェル、今日の予定は?」

「知らね」

「貴方、最年長でしょ。まぁそんな事だろうと思ってわざと訊いたんだけど」

「今日はここの所長と面会、中の見学後に、その他の関係者に挨拶をして終わりですよ。パンフレットも印刷してきました」


最年長のナイジェルの代わりに最年少のリッキーが説明を行い、コピーしてきた資料を先輩ふたりに配る。


「リッキーの方が数倍お利口さんね」

「はは。普段はここまでしませんが、念のため」

「コイツが準備している事を見込んで俺は何もしなかったんだ」

「開き直らないで頂戴」


普段は天然な印象だけど、仕事の時は意外とキッチリしている後輩の彼。

理事長の説明会でもきちんとノートを取っているし、レポートの提出期限も遅れた事がほとんどない。

関係ないけどさすがは通称「天才肌」

それに比べてナイジェルはプライベートも仕事もあまり変わらない。

真面目なのはバイクで走ってる瞬間だけ。

本当に正反対なふたりだ。





事前に資料に軽く目を通した後、3人は事務所の自動ドアから建物の中へ入った。


- 770 -

*PREV  NEXT#


ページ: