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……………
ガチャン
リッキーが305号室に戻ると、ナイジェルがタバコを吸い終わって部屋でテレビを観ていた。
「リッキー、どこほっつき歩いてたんだ?急にいなくなったから探しただろーが」
「はは。ごめんなさい、喉が渇いたのでジュースを買いに行ってました」
「ったく…」
呑気に桃ジュースを持っているリッキーに対し何も知らずに大きなあくびをし、眠くなったのかベッドに入ろうとする男。
「ナイジェル、さっきサラがひとりで外を歩いている姿を見かけましたよ。
危ないし連れ戻した方がいいんじゃないですか?」
「はぁ?なんでお前が見た時に連れて来なかったんだよ」
「ホテルの人に話しかけられて余裕がなくて」
「んだよ、ったく…」
面倒そうに入りかけていたベッドから降りる彼。
汚く無造作に頭を掻いて問いかけてくる。
「場所は?」
「中庭の水路近くです」
「なんでこんな真夜中にんな所にいんだ」
「さぁ」
「女子は気まぐれだな」
まるで迷子の娘を連れ戻そうとする父親。
ナイジェルは仕方なく靴を履き直し、リッキーの言葉に疑いをかける事なく扉へ向かう。
「すぐ戻ってくっから寝るなりテレビ観るなり好きにしてろ」
「はぁい」
ガチャン
「…………。」
リッキーは扉の閉まる音が聞こえた後、テレビを消して静かにひとりベッドに入る。
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