11


……………




ガチャン





リッキーが305号室に戻ると、ナイジェルがタバコを吸い終わって部屋でテレビを観ていた。


「リッキー、どこほっつき歩いてたんだ?急にいなくなったから探しただろーが」

「はは。ごめんなさい、喉が渇いたのでジュースを買いに行ってました」

「ったく…」


呑気に桃ジュースを持っているリッキーに対し何も知らずに大きなあくびをし、眠くなったのかベッドに入ろうとする男。



「ナイジェル、さっきサラがひとりで外を歩いている姿を見かけましたよ。
危ないし連れ戻した方がいいんじゃないですか?」

「はぁ?なんでお前が見た時に連れて来なかったんだよ」

「ホテルの人に話しかけられて余裕がなくて」

「んだよ、ったく…」


面倒そうに入りかけていたベッドから降りる彼。

汚く無造作に頭を掻いて問いかけてくる。


「場所は?」

「中庭の水路近くです」

「なんでこんな真夜中にんな所にいんだ」

「さぁ」

「女子は気まぐれだな」


まるで迷子の娘を連れ戻そうとする父親。

ナイジェルは仕方なく靴を履き直し、リッキーの言葉に疑いをかける事なく扉へ向かう。


「すぐ戻ってくっから寝るなりテレビ観るなり好きにしてろ」

「はぁい」






ガチャン





「…………。」


リッキーは扉の閉まる音が聞こえた後、テレビを消して静かにひとりベッドに入る。


- 778 -

*PREV  NEXT#


ページ: