……………





数日後。





「あ、ナイジェル。おはようございます」

「あぁ、おはよーさん」


小鳥のさえずりが窓の隙間から流れてくる、早朝のウィンディラン本部。

キッチンで偶然鉢合わせしたのは、朝から爽やかなリッキーと朝から気だるいナイジェルだ。

お互い自分のカップにコーヒーとココアの粉を入れ、ケトルのお湯を注ぎ始める。



「夕べは遅くまで電話してたな。誰と話してたんだ?」

「あぁ、ユキ君ですよ。どうやらweather lifeの皆やっと車の免許が取れたみたいで」

「マジでか。あん時は俺達相当酷い目に遭ったからな。…あぁ、そういや。あのセクハラ校長はどーなったんだ?」

「なんでも事件が世間へ露見する前に自ら退職したそうですよ。
以前から多数の女性が被害を訴えていたようですが、校長の立場を使って全て揉み消していたみたいですね。
まぁ警察が動き出すのも時間の問題だとは思いますが」

「はぁん…。一番上に立つ人間が。ロクな育ち方してねーな」

「全くです。とりあえず今回の件は無事に解決してよかったですね」


順番にお湯を注いだ後、小さなスプーンでクルクルとかき混ぜる。

同じリズム、同じ立ち姿で。


「それにしても、七音達もよく受かったな。ま…免許証なんて金さえ払えば9割の人間は取れるモンだから」

「そんな言い方しないでくださいよ。人の命を預かる大切な資格なんですから」

「まぁな」


そしてまたお互い同じタイミングでコップに口をつけるも、リッキーだけは猫舌のせいですぐに離してしまった。


「で、正直な所『すぐ』は取らせて貰えなかっただろ?その辺はどーだったんだ?」

「あぁ…それが…ユキ君は一発合格だったらしいんですけど(一瞬買しゅ…とか言ってたけど)」

「あぁ、それで?」


リッキーはコップを両手に握ったまま、ナイジェルから目線を逸らす。


「日晴君は純粋に間違えまくって筆記で5回、
雨宮君はマナー違反の車を追跡したり、必要以上に運転中に窓ガラスを拭きまくって実技で6回…」

「…………。」


「七音君は居眠りして筆記で3回、ハッスルしすぎて警察署に突っ込み実技で5回の計8回。
クラウディ君に至っては実技で15回、試験官14人を病院送りにして

皆さんそれぞれ落ち続けて、やっと合格したらしいです」



「「……………。」」



「やっぱ…アイツらには運転させないでおくか」

「そうですね…」



そしてまた同じタイミングでコップに口を付けた。




fin


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