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「日晴、じゃぁなー」
「うっす、また明日〜」
同級生の友達と別れ、俺は学校を出た。
俺の名前は日晴響介。
泣く子も黙る(とまではいかないが)
あのWeather Lifeのギターを任されている
自分で言っても何だが芸能人だ。
俺達のバンドは最初のこそイチからのスタートだったが、努力の甲斐あって今は大人気と言っていいほどの地位と名誉を手に入れた。
その仲間達と合流するため、道の門を曲がり事務所へと向かう。
と…その前に、足取り早くコンビニに入る。
芸能人と言っても人間だ。
お腹は空く。特に今、俺は食べ盛りでもあるし!
おにぎりを2個手に取った所で、ふと何人かの女性達の声が聞こえてきた。
「見て!Weather Lifeだよ〜」
「マジだ!格好良い!!」
3人の女子高生のようだ。
彼女達は俺達が表紙を飾った雑誌を見て騒いでいる。
まぁ、悪い気はしない…当たり前だけど。
俺はもう少し良い気持ちになりたくて、時間がないにもかかわらず、姿が見えないように近くの棚に隠れた。
「マジでイケメンだよね!曲も最高だし!」
「私ユキ推し!」
「この間のドラマの曲も最高じゃなかった!?」
うんうん。
やっぱり俺達、今一番乗りに乗ってる感……
「あ、でもさ。ヒーちゃんは少しだけ微妙じゃない?」
……………っ。
「あ。それはちょっとわかるかも。顔は可愛いんだけどさ、なんとなくインパクトが弱い感じ?」
「ギター上手いし運動神経もいいんだけどね〜。やっぱりなんか他のメンバーと比べると…なんて言うんだろ。パットしないって言うか」
まただ…
商品を握る力が弱まる。
そこからの女子達の言葉はあまり耳に入ってこなかった。
彼女達はその後すぐに店を出ていき、俺は一人で店内に立ち尽くしていた。
自分でもそれは薄々わかっている。
ネットでも密かにそう言われている事も知っていた。
けれどそれを俺は、あえて見ないようにしていた。
どこかで信じていない自分がいたからだ。
Weather Lifeは確かに人気バンドになれた。
しかし、それは俺の力ではない。
見た目はチャラいが、歌が抜群に上手い天才肌の美空さん。
知的でインテリ、リーダーシップを発揮する雨宮さん。
小悪魔的な美貌を持つ雪之原さん。
柔らかいオーラで不思議な魅力のクラウディさん。
それに比べて俺は、持ち前の運動神経はあるものの、それ以外はイマイチパッとしない。
破天荒なキャラで売っていくよう事務所には言われているけど…なかなかそれが行動に移せない。
見た目だけでもとワイルドな風貌を目指してはいるものの、結局キャラ映えしている皆の少し後ろで、大した発言も出来ずヘラヘラ笑っているような存在。
その事にファンもだんだん気づいてきているのだ。
「ありがとうございました」
レジでお金を払い、店員から袋を渡され
俺は入店時とは比べ物にならない足取りで店を出た。
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