ガッ!とリッキーは突然、ジムの腕を思い切り引っ張った。

その顔は何故かとても深刻そうな顔をしている。


「な…なんだ!?」

「お願いがあります!」




……………

メインルームの時計の針は既に12の数字をさしている。

窓の向こうも既に真っ暗でカーテンが閉められており、隙間から鈴虫の鳴き声が聞こえてくる。

お子様は眠くなってもおかしくない時間帯なのに、リッキー君のお目目はパッチリと開いていた。


「はぁ!?携帯をなくしたから一緒に探して欲しい!?」

「あれがないと俺ダメなんですよ!お願いします!今日行った場所にあるはずなんです!お願いしますーッ!!」


彼は360度回転しそうな勢いでジムの腕をブンブン振り回す。

「あー!やめろー!」

その手を振り払ったジムは、大きな声を出しながら彼の鼻を指さした。


「大体な!お前だってもう17だろ!?立派な大人じゃないか!いつまでも俺を保護者だと思ってたら大間違いだぞ!」

「貴方は保護者じゃなくて手下です!」


一番年下に「手下」という言葉を使われ、ズーンと小さくなったジム。

「じょ…冗談ですよ。大丈夫ですか?」




「リッキィィィィィィ!!!!」

「ッ!!?」


そこでレーザービームの如く愛しの彼の背中に抱きついたのは、夜でもハイテンションのビッキーだ。

「聞いてたわよ、今のお話!大丈夫!私が一緒に深夜デートしてあげる!」

「本当ですか!?デートじゃないけどお願いします!」


「させるくるぁぁぁぁッ!!!!」

そこへ走ってきたのは、マジ顔でリッキーを睨み付けるボビー。

またいつもの展開だ。


「ビッキーちゃん!深夜ホテルデートなんて、僕は絶対認めないぞ!大体、君達はまだ十代じゃないか!」

「いや。ホテルなんて俺、一回も言ってないですから」

「キャァ★リッキーと深夜ラブラブホテルデートォ!!」

「だから!ホテルなんて行かないですってば!」



「うるせーぞ。運動会なら外でやれ」

3人がガタガタと言い合う声で、アダルト組のナイジェルとサラが階段を降りてメインルームへやって来た。


「相変わらず毎日楽しそうね。何かあったの?」

「オイ、サリーじゃないかぁーい!ちょっと聞いてくれよ!」

「今日は随分と馴れ馴れしいわね、ボビー」


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