……………

テレビ局の中は真っ暗で、物音ひとつしない。

暗く続いている廊下が、どこまでも存在するような気がした。


「なんか気味悪くないか?」

ジムはナイジェルの右腕を掴みながら、辺りを挙動不審に見回している。

「痛ぇだろ。掴むな、気色悪い。…ん?」


何かが左腕にも掴まっている事に気づく。

しかも右腕より3倍くらい強い力で握られている。


「リッキー…」

「ヒャッ!もう、急に呼ばないでください!」


左腕を掴んでいるのは、元の原因を作ったリッキーだ。


「痛ぇんだけど」

「ありがとうございます…」

「褒めてない」


完全に怯えて頭がいっぱいなのか、人が何を言っても「ありがとうございます」しか言わない。

へっぴり腰で、もはや目を瞑って歩いている。

「ったく、男のくせに情けねーな…」




「キャァァァ!!!」


「………!」


突然の叫び声が廊下に響く。

前方を歩いていたビッキーだ。


「ッ…!?なんだ!?」

「オイ、ビッキー!!」


ただならぬその声に、ジムが思わず手を離して一気に走り出す。

「おいジム!ちょっ…リッキー、お前いつまで引っ付いてんだ!邪魔なんだよ!」

「僕の愛しいビッキーちゅぁぁぁぁんッ!!!!」


リッキーの腕を引っ張っているナイジェルと、幽霊より怖い顔のボビーも慌てて後に続く。


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