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……………
ナイジェルが出張に出て6日が経過した。
驚いた事にあの面倒臭がりの彼からほぼ毎日メールが送られてきて、その度に私は画面を見ながら口元が緩んでしまう。
内容は「浮気してないか?」から始まりここのアレが美味かった、犬に吠えられた、ババァが怖いなどどうでもいい話ばかり。
こんな馬鹿らしいメールを、彼が眉間にシワを寄せて一生懸命打っている姿を想像すると笑えちゃうし
何よりそこまでしても、私と繋がっていたいんだとわかって柄にもなく嬉しくなってしまう。
『ナイジェル。早く会いたい』
『ああ。会いたい』
明日には帰ってきてくれる。
それまでの辛抱だ。
今日、彼から貰ったメールを読み返し、そのまま軽くベッドに横になった。
・
・
・
少しだけ、夢を見た。
ナイジェルが出張から帰ってきて、いつも通りメインルームのソファーにふんぞり返り
いびきをかいて眠り出す…変な夢。
こんな所で寝てたら風邪をひく。
仕方なく肩を揺すって起こしてあげるが、夢の中の彼は起きる気配がない。
もっと強く揺すり、叩いてみるが反応はない。
よほど眠りが深いのか、本当に全然起きない。
蹴ったくってやろうか。
そう思いながら、声をかけ続け…
そして私は目を覚ました。
・
・
・
変な夢。
重い瞼と腰を上げ、そう思った。
時計を見ると、まだ夜の11時だ。
変な時間に眠っちゃったな。
彼はまだ出張から帰ってきていない。
まぁ。今頃帰ってきてる時間だろうし、私もそれまでの辛抱だ。
「…うぅ」
軽く背伸びをして、おもむろに自室の扉を開けた。
なんだか人と話をしたくなったから。
ひとりだと、恥ずかしくもなんだか寂しく感じてしまう。
メインルームに行けば、恐らく誰かが暇を潰しているだろう。
階段へ向かい、段差に足を乗せる。
「……………。」
コツ
コツ
コツ
……ッ…
ソファーから全く起きない夢の中のナイジェルがふと蘇る。
そして何故か…胸騒ぎがする。
なに……これ…?
階段を一段また一段と下りる度に、その感覚は体の中で大きさを増していき
そしてようやく、下の階の異変に気がついた。
「……っ…」
…―おい、どういう事だよ!?
―…早く!…急いで!!
何やら騒がしい声や、走り回る足音が聞こえる。
早くなる心臓の鼓動。
そのまま階段を下り続けていると…
「あ、サラッ!」
慌てて2階へ駆け登ってきたリッキーと目が合った。
「大変です!!すぐに来てください!」
「どうしたの?」
「ナイジェルがっ……
トラックの事故に巻き込まれたらしいんですッ!!」
「…………ッ…」
サラの瞳から光が消える。
「……えっ………?」
「今、病院に運ばれたようなんですが意識がないみたいなんです!すぐに行かなきゃいけないので、支度をしてください!」
「…………。」
彼の声に返事を返す事が出来なかった。
ナイジェルが…事故に巻き込まれた…?
意識がない…?
「サラッ!急いで!!」
どういう事…?
頭の中が真っ白になっていた。
先日までピンピンしていた彼が…
…そんな……
――――嘘でしょ……!?
サラは部屋着のまま慌ててリッキーの体を横切り、一階まで駆け下りた。
「サラッ!リッキーから聞いたか!?ナイジェルが事故に…」
「早く車を回してッ!!」
「サラッ…?」
メインルームにいたジムの肩を掴んで必死にすがった。
ナイジェルが…死んでしまうかもしれない。
「お願い、急いで!!煤v
藁にもすがりたい気持ちで頼み込む。
私の前からあの人が消えてしまうかもしれないなんて。
考えるだけで顔が真っ青になり、居ても立ってもいられなくなった。
彼女の頼みもあり、5人を乗せたワゴンはすぐさまナイジェルが運ばれた病院へと飛ばした。
お願い
どうか、何かの間違いであって。
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