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……………
ウィンディラン本部へ帰る途中の信号待ち。
外は小雨が降っていたという。
ナイジェルは赤信号のため停止線の前で止まっていた所、横から猛スピードで突っ込んできたトラックの巻き添えになったと、看護婦から聞いた。
トラックはブレーキが利かなくなったらしく、そのままのスピードで彼を轢いた。
そのまま横転し、トラックの運転手も重傷。
故意でも不注意でもなかった故、運の悪い不慮の事故としか言いようがない。
私達が病院に着いた時には、彼は手術室に運ばれており、面会は禁止。
不気味に光る赤いランプの下で何時間過ごしただろう。
設置されたベンチに座っていると、ビッキーは泣き出し、ジムは頭を抱え…
私は絶望の淵に立たされていた。
いつ…彼の死亡が告げられてもおかしくない。
その現実があまりに恐怖で、何時間も体の震えが止まらなかった。
その場にいる事、仲間達の姿を見るのがあまりに辛すぎて外へ出る。
雨は既にやんでいた。
真っ暗な夜空。
ふとポケットに入れていた携帯電話を開くと
『明日やっと会えるな』
ナイジェルから入っていた未読のメールに気づいていなかった。
ついさっきまで、私の事を考えながらこの文章を携帯に打ち込み送信していた彼。
そんな彼が今…命の危機に瀕している。
「…ナイッ……ジェ……ッ……」
涙が止まらない。
ついには立つ気力さえなくなり、汚い土の上に座り込んでしまった。
生きて…
お願いだから、命だけでもどうか助かって…
私…貴方がいないとダメなのッ!!
「サラッ!」
「……っ…」
ひたすら泣き崩れていると、後ろからビッキーが私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ナイジェルの意識が戻ったの!」
「……ッ…本当に!?」
望んでいたその言葉。
真っ暗闇の中にわずかな光が差して、思わず立ち上がったが…
「でも大変なの!ナイジェル…私達の事がわからなくなってるの!!」
「……………
……え…?」
それは…本当に私が望んでいる言葉ではなかった。
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