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職業体験で今回はナギの番。ドッキリを仕掛けることになったのは一織だった。
収録が終わりマネージャーはナギの次の仕事につくとのことだった。仕事が終わり見学に来ていたオレが一織を迎えに来た。
「一織?迎えに来たぞー」
楽屋の扉をノックすると返事がない。確かに戻ったはずなのにおかしい。試しにノブを回すと鍵はかかっておらず扉が開いた。
「「わっ!?」」
同時に声を上げてしまう。というのもドアを開いたら女性が背を向けワンピースのファスナーを下げようとしていたからだ。
「びっくりした」
「びっくりしたのはこちらです」
上げた声ですぐに一織だとわかり安心した。部屋に入り扉を閉め鍵をかける。
「お疲れさん」
声を掛けても一織はファスナーを下げるのに必死なようだった。しばらく見ていてもなかなか下げられない。そんなに難しいものか?
「まずかつらを取ったらいいんじゃないか?」
一織はなぜか長い黒のかつらをつけたままだった。髪が更に邪魔をしている気がする。
「わ、わかっています」
絶対わかってなかったのがわかるが指摘はせずに一織はかつらを取りテーブルに置いた。
「手伝おうか?」
「もう少しなんです」
とてもそうには見えない。なかなかうまく下げられずにいる一織にそっと近づきファスナーを下げた。
「兄さん!っ!?」
背中の半分まで下げてうなじに唇を寄せると一織の体が強張るのがわかった。
「……変じゃありませんでしたか?」
「全然。ナギも美人だって誉めてただろ。それに短い期間でも振るまいとか練習したんだろ?」
ドッキリを仕掛ける役として現れた一織はすぐに男だと気がつかないほどに綺麗だった。話せば声は男だからわかってしまうが話すまで現場が騒然としていた。
「勿論です。女性の所作を研究してマネージャーに確認してもらいながら練習しました」
「ドッキリ知ってたスタッフだって見惚れてたかもな」
「それは言い過ぎです。……兄さん?」
腰に手を回しうなじにキスを何度もしていたからか一織は戸惑っているようだった。
「どうした?」
「その、手が……」
スカートをたくしあげていき足の付け根に触れる。
「お前パンツ……」
「言わないでください!スタッフさんにできれば女性物の方がいいと言われたんです!」
言わないでと言いながら自分で女性物の下着を穿いているのを説明してしまっている。
「ストッキングも?」
「ストッキングは自分で購入しました」
「じゃあ大丈夫か」
「え?」
一織には聞かずにストッキングを破いた。簡単に破れるななんて思いながら下着の上から触れる。
「兄さんこんな格好のままは」
「場所より格好かよ」
苦笑してしまう。さすがに抵抗しだし腰を抱いていた片手に力を入れうなじから耳の裏に唇を這わせる。
「ん……」
力が微かに抜け下着の中に手を入れ直接触れると勃ちだす。段々立っていられなくなったのか前のめりになる一織の体を支えながら耳たぶを軽く噛んだ。
「だめ、です……にいさっ……はっ」
扱き先端から溢れてくる液が音を立てる。
「イってもいいぞ」
「あっあ……く」
優しく言ってやると声を抑え体を震わせながら達した。乱れる息を聞きながら一織が出した液を指に絡め後ろに触れる。
「す、するんですか?」
「したくないのか?」
このあとの予想される行為が過ったのか問われ問い返す。答えは返ってこないが構わずに軽く解しながら指を一本入れた。
「いっ……」
久しぶりなのもあるが立ったままというのも体勢的に受け入れ辛いのかもしれない。一度引き抜き一織をテーブルに押し倒した。
「この格好は」
「可愛いのに」
「可愛くなんて……」
顔を背けられ下げられた足を上げさせる。
「兄さん!」
「あまり大きい声出すと誰か来るかも知れないから静かにな」
「やめればいいことじゃないですか」
スカートが捲れ上がり先程中途半端に破ったストッキングを更に裂いていく。
「女装って言うからもっとバラエティ的な笑いをとるやつかと思った」
びりびりに破いたストッキングは床に落ちていきあとで片付けなきゃなと思う。
「初めはそう話していたんですが六弥さんの執事と並ぶならば笑いを取るよりは絵的に映えた方がいいのではとなったんです」
シンプルな女性物の下着を下ろしていくと一織のものは勃っていた。見られたからか先程からなのか一織は顔を背けたままだ。
「綺麗だよな」
「こんな姿にして何を言ってるんですか」
両足を膝で折り片手で押さえながら太股から手を這わせ指を入れた。
「小さい頃から一織は整ってるけどもう小さい頃とは違うんだよな」
「あ……こんなことしながらっ何を……」
指を増やし中を慣らしていく。
「スカート捲り上げてストッキング破くなんてなかなかないから」
「しょっちゅう、あったら……たまりませんよ」
そろそろいいかと引き抜く。パーカーのポケットからゴムを出しベルトを外しているとなぜか一織が驚いた顔をした。
「何でそんなもの持ってるんですか」
「鞄に入れてたのをパーカーに入れておいたから」
「何で鞄に入れてるんですか。必要な時があるんですか」
一織が眉を下げたのを見て誤解しているのがわかる。オレ達は告白して恋人になったわけじゃない。でも何度も体は重ねている。外でだって初めてじゃない。
「一織と外でする時大変だろ?」
「は?」
間の抜けた顔で返され一織が整理しているうちにゴムを性器につけた。
「外でしなければいいでしょう!あっ」
「はいはい、声は抑えような〜」
整理し終えたのか文句を言い出す一織の両足を抱え挿入する。初めて外でしたのは一織からキスをされた時だった。何がスイッチだったのかはわからない。けれど一織は俺を必死に掴んだ。
「んっ、こんな、格好……恥ずかしいのに」
「似合いすぎて、びっくりだけどな。まさかスカートを穿いた一織を抱くなんてっ」
「変態ですかっ」
律動を繰り返しながら軽口を交わすのは最初だけで一織は漏れそうになる声を必死に抑え、律動を繰り返すうちに脱ぎかけていたワンピースの片側の肩がずり落ち肌が出る。
「にいさ、兄さん……」
「ん?」
息も服も乱れていく中一織が呼ぶ。もうイキたいのがわかり顔を寄せる。律動を早めながら追いたてると早く塞いでほしいとせがむような目をした。
「一織から、な?」
潤んだ瞳が細められ戸惑ったのがわかる。でもやめない。早くしないと声が漏れてしまう。
「ん……」
「ふ……ん、んっ」
自分の唇を塞がせるように一織の両手が首に回り引き寄せられた。お互いに限界が来て達する。達しても構わずにしばらく律動を繰り返し一織が腕に力を入れてきつく抱き締めた。
「大丈夫か?」
行為が終わりぼんやりしている一織を着替えさせ座らせてから後片付けをし終えた。
「何でワンピースのまま……」
「色んな一織を知りたかったから」
独り言だろうと思っても返すとキッと勢いよく睨まれる。
「それなら色んな兄さんを私も知りたいです」
立ち上がり迫る一織に両手を突きだし止めようとする。私は
「一織、悪かった。話し合おう?な?」
そうしてまたいつものように話し出す。
体を重ねても変わらない。変わってるのに言うことを怖れる。こうしているうちは今までのようにいられる。離さない、離してやれない。
Erosion front
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