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「ああ、良かった。食べ終わってなかったね」
「天宮さん、ノックはしないと」

理事室で書類の確認をしながら昼食をとっているとノックもなしに天宮と七海が入ってきた。

「冥加、一つ貰ってもいいかな」

奥へくるなり唐突に言われる。確認せずとも天宮が言っているのは小日向かなでが作った俺の昼食のことだとわかった。サンドイッチであることは俺も知っているが天宮も知っているような口ぶりだ。

「まるでこれが何か知っているようだな」
「小日向さんが天音学園まで来て昼食を預けていったと聞いたから。以前サンドイッチなら仕事しながらても食べられるからと彼女に聞いたんだ」

手が入れ物へと伸びるのがわかり手で制した。

「あとで僕が何か差し入れるよ」
「いらん」

天宮も代わりのものがないことをわかっていながら言っているのだろう。
天宮を止めようと七海がするものの天宮は止まる気がない。これ以上押し問答をしたところで時間の無駄とわかり手を引いた。

「くれるのかい?」
「一つずつだ」
「え!?俺もいただいていいんですか?」

無言で書類に目を戻すと二人は一つずつ取り食した。


「冥加さんサンドイッチあまり好きではありませんでしたか?」
「嫌いではない」

小日向が入れ物の回収に学園を訪れた。味の確認をされたことはあっても好きではなかったかと問われたことは初めてだった。

「なぜそんなことを聞く」
「天宮さんと七海くんからサンドイッチ美味しかったとメールを貰って……」

黙っていればいいものの二人共メールなど送るとは。あのあとすぐに送ったということか。

「サンドイッチはやめておきますね」

言葉が繋がらなかった。小日向の中では繋がっているのだろうが俺にはなぜ二人が食べたからサンドイッチは作らないとなるのかがわからない。

「食べやすいのは良かった」
「合間に理事の仕事もされてると聞いたので……」

ついには俯いてしまう。今の流れに小日向が俯いてしまうようなことがあったということだろう。何と言えば誤解させずにすむのか短い時間で考えなくてはいけない。しかしわからないものはわからず、口にしていた。

「ま、また作れ」
「いいんですか!?」

勢いよく顔を上げて驚く。構わんと返すと笑顔を浮かべた。

「良かった。残さないように天宮さんと七海くんにあげたのかと思ってしまって……口に合わなかったのかと」

理由が呆気なくわかりやはりあの二人にやるべきではなかったと思った。

「欲しがったからやっただけだ」
「そうだったんですね。じゃあ今度はみんなで食べれる量にします!」

複雑な思いになるが口にはしなかった。

「冥加さんの好きな具を教えてください。作ってきますね!」

その言葉に先程の複雑なものを消してしまうのだから俺が単純なのか小日向が……。思考を切り替えサンドイッチの具を考え始めた。


H26.6.15


手作りのサンドイッチ
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