act.5初出陣


窓からキラキラと差し込む朝日に覚める。

今日で3日目。
そろそろ本業にとりかからなければならない。
まだ、どんなものかは分からないけど大怪我をする可能性がるのは、間違いない。

大丈夫。
ここに来る前に、戦略や陣形など戦についての勉強はした。
きっと大丈夫。

未知の者に挑む表し難い焦りで全く落ち着かない。

手をキツく握って居間に向かう。


「おはよう主。」

台所から朝食を運んでる加州さんに出くわす。

『おはようございます。』
「朝餉出来てるから早く顔を洗ってきなよ」

緊張しているのがバレているのか、
短く返事をして洗面台へ向かい思い切りバシャバシャと冷たい水を顔にかけ、気合を入れた。

簡単に作った朝食を黙々と食べる。
何か会話をしようかチラチラとこちらを見る加州さんを無視して食べ続けた。


ご飯を食べ終わった後に作戦の確認をする。
最初の出陣なので、かなり小規模の敵を相手にすることとなった。


確認の後、着替えを済ませて出陣する時間になった。
見送りに門前まで一緒に歩く
雑草が無くなって見渡しの良くなった庭を眺めながらお互い無言で足をすすめた。

「じゃあ、行ってくるね主。」
『行ってらっしゃいませ』

手を軽く振りながら門に吸い込まれていく加州さんをじっと見送っる。
お気おつけて。


一人になった途端屋敷が広くかんじた。
長すぎる部屋への道のり。
自室の机につっぷして、加州さんのことを考える。

『暇だなぁ・・・』

顔を横に向けて窓の外を見ていた。


ご飯つくっておかなきゃ。







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