……。
…………。
はあ。
散々な目にあった。
突然、殴られたんだ。
……まあね。
ぼくのいたずらが過ぎたのかな?
いやでも、ちがうね。
ぼくは彼女に感謝されるべきだ。
だって、世界の全てを教えてあげたんだよ?
そんなの、滅多にしない、
大サービスだっていうのに。
理不尽だね。
しかも、聞いておくれよ、――。
彼女があのとき、
他の世界の彼女自身を呼んで、扉をあけて、
ふたつの世界の狭間に干渉した結果、
ぼくが後処理をすることになったんだ。
彼女の運命が、本当に
変わってしまったからね、
W本来いるはずでない世界Wに、
彼女が存在することになっちゃったんだ。
そのチューニングが、もう、
大変で大変で……。
……え? 自業自得?
この世界のきみは、随分と辛辣だなあ。
きみの協力もあっての、
今回のことだっていうのに。
でも、楽しかったよ、センセイごっこ。
今度はきみも来るといい。
……いや、問答無用で来させるよ。
一緒に遊ぼう、――。
そういえば、彼女に恋愛のいろはを
説かれたよ。
まるでぼくがだれも愛していないみたいな
口ぶりでね。
ぼくにだって、
こんなにも愛しいきみが
いるのに。
……そんな顔をしないでおくれよ、
あ、
でも、いいよ。
愛は、運命を、変えるって、知ったんだ。
彼女が、その愛で、
彼の運命すら変えたのを見たからね。
彼がもう一度恋をするようになるなんて、
それこそ、奇跡だよ。革命的だよ。
彼女にできるなら、ぼくにもできるよね。
この世界のきみの気持ちだって、
変えられるかも。
……つれない顔も可愛いけど。
しょうがないなあ、じゃあ、
彼女のこと、もう少し覗こうか。
彼女のW本来いるはずでない世界W。
きみの力も、貸してくれるかい?
――。
じゃあ、もう一度だけ、
舞台の幕を開こうか。

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