「あれ、寝てる」
お風呂から上がってリビングへ戻ると緋山さんがソファに寝転がって寝ていた。珍しい。
普段ソファで寝落ちているのはどちらかというと僕の方で、その度にベッドに行けと怒られているからここぞとばかりにソファで寝落ちている緋山さんを観察する。本当に顔が良いなこの人。
「緋山さーん」
小声で呼びかけてみるが緋山さんはすよすよと寝ていて起きる気配がない。読んでいるうちに寝てしまったのだろう、胸の上に伏せられていた本をそっと回収して開かれていたページに栞を挟む。それをテーブルの上に置いて、そーっとソファに乗り上げ緋山さんに覆い被さる。
無防備に眠る緋山さんの首筋に唇を寄せて跡をつけた。目立つところにつけてしまったけどまあいいか。
「ん」
起きるかな、と思って覆い被さった体勢のまま顔を覗き込んで観察してみるがまたすうすうと寝息を立て始めてしまった。
こうなったらとことん悪戯してやろうと部屋着の上から彼の上半身を指でつつ、となぞる。
胸の突起の周りをしつこく、くるくる撫でているとそこが小さく主張し始めてきた。
「、ん」
小さく身じろぎした彼の肩を押さえて尚もしつこくぷっくりと主張している二つの突起を交互に指先で刺激した。そしてそこを両手で同時にきゅっとつねると緋山さんは身体をびくりと震わせて目を薄ら開けた。
「っあ、なに」
目を覚ました彼に構わずそこをくるくる撫でたり、つねったりしていると寝起きでぼんやりしていた目はすぐに蕩けていった。地道に開発した甲斐があって最近の緋山さんは乳首で感じてくれるようになった。
「あ、きもちい」
「ここ、触られると気持ちいいんですか?」
意地悪で質問したのに寝ぼけて快感に溺れ始めている緋山さんは吐息混じりに囁く。
「ん、ちゃんとさわって」
珍しい彼からのおねだりに思考が停止する。しかも手を掴まれて服の下に誘導されたので、お望み通りTシャツの裾から手を入れて直接胸の突起に触れる。
「、あっ」
「緋山さん好きですもんね、ここ触られるの」
「あっ、あ、すき、きもちいい」
一体どういうことなんだろう。素直に快感を享受する恋人が扇情的すぎて理性が削られていく。
「じゃあもっと気持ちよくなりましょう?」
そっと脇腹を撫でて彼のズボンと下着を下ろし、すでに硬くなっているそれに直接触れる。先走りを手のひらに馴染ませて勢いよく扱くと緋山さんが目を見開いた。
「あっ?!え、あかみねさ、なにして」
「やっと起きてくれたんですか?」
直接的な刺激で意識が覚醒した緋山さんに構わず、手の動きはそのままに胸の突起へ唇を寄せてそこを舐める。
「や、なに、あっ」
「緋山さんが全然起きてくれないからいけないんですよ」
かり、と胸の突起を甘噛みするとびくりと彼の背中が跳ねた。
「あっ、あ、だめ」
「緋山さんがちゃんと触ってって言ったんですからね」
寝ぼけて言ったことを思い出したのか焦った表情で僕の手を止めようと、緋山さんが手を伸ばして来たので片手でそれを押さえつける。
「だーめ、イくまでやめません」
「あぁっ、そんな、もうっ」
「ほら、我慢しないで気持ちよくなっていいですよ」
耳元でそう囁けば彼はびくびくと身体を震わせて達した。
「あっ、あ、も、イったっ…!」
「まだ出せるんじゃないですか?」
体重をかけて動けないようにして達した彼の白濁で濡れたそれを扱き続ける。すぐに硬さを取り戻したそれの先端を親指でぐるぐると擦ると彼は目を見開いて、過ぎた快感に身体をがくがくと震わせた。
「それっ、だめっ、だめです…っ」
「大丈夫ですって、気持ちいいだけですから」
「むりっ、なんかでそ、あ、あ、〜っ!」
ぷし、と先端から精液ではない何かが飛んでその後とろとろと白濁が力なく溢れ出て来た。
「あ、あ、あ、だめ、さわっちゃ」
「でもすごく気持ち良さそうでしたよ」
溢れてくる白濁を堰き止めるように先端を手のひらで覆って軽く擦るだけで緋山さんは快感に涙を流した。解放した手が僕の手を掴むが全く力が入ってなくて意味がない。
「や、あかみねさ」
涙目で懇願する緋山さんにどうしようもなく興奮して、ぞくぞくとした快感が背筋を走る。
「じゃあ僕のことも気持ち良くしてください」
彼の白濁に濡れた指を後孔に挿入する。くたりと力が抜けている彼のそこはすぐに二本目を受け入れてくれたので軽く慣らしてすぐに指を引き抜いた。
「あ、はやく」
もう早く終わって欲しいのか僕を誘うそこにずっと臨戦体勢だったそれを突き入れた。
「あぁっ、まっ、や、あ」
挿れただけでイってしまった緋山さんの陰茎からはとろとろと白濁液が流れっぱなしだ。
「そんなにイってたらもちませんよっ、く」
イきっぱなし状態の彼のそれに手を伸ばして根本を握る。
「あっ?!や、それ、やめて」
「ダメです。緋山さん後ろだけでイけるじゃないですか」
出さないでイくと事後の疲労がすごいから嫌だと、以前今みたいに無理矢理根本で堰き止めてイかせた時に言われたが暴力的な快感に溺れる緋山さんが見たくて抵抗できないのを良いことに腰の動きを止めない。そのまま律動を続けているとナカが小刻みに収縮し始める。そのタイミングで急に動きを止めれば緋山さんは涙目のまま、きょとんと僕を見上げた。
「あ、なんで」
「やめてって言われたんで」
本当は今すぐめちゃくちゃに突いてナカに出したい気持ちを必死に抑えて、わざと余裕ぶってそう告げると緋山さんは嫌々と首を振った。
「や、も、はやく」
「早く?なんですか?」
「〜っ!意地悪言ってないでイかせてください!」
焦れた緋山さんがぐいと腰を押し付けてきて、それがイイところに当たったのか限界の自身をぎゅっと締め付けられる。
「っく、あぶな」
「あっ、も、あかみねさんもイって…っ!」
「わかりましたよっ、と。じゃあ意識飛ばさないでくださいね」
緋山さんのそれから手を離して腰を両手でがっちりと掴み律動を開始する。
「あっ、あ、〜っ!」
「くっ、もう少し付き合ってくださいっ、」
びくっと身体が跳ねてイった緋山さんはもう完全に力が抜けてくたりとしていたが、あいにく僕はまだ達していないので快感を追い求めて腰を動かし続ける。
「あ、あ、あっ、ん」
「くっ、僕も、っ」
最奥を突く度にもう意味のない音がこぼれ落ちるだけになってしまった唇を塞いで、僕も彼の中で達した。
「う、身体が」
「すみません……」
ソファで思いっきり事に及んでしまったせいで二人とも身体がバキバキだ。寝込みを襲ってしまった罪悪感で、ソファに座って首や肩をぐるぐると回している緋山さんの前で床に正座する。
「せめてヤるならベッドにしてくださいよ」
「だって緋山さんが珍しくソファで寝落ちてたから……」
「だからって襲わないでください!」
ごにょごにょと言い訳すると正論で叩き潰された。
「しばらく一緒に寝ませんから!」
「え?!そんなぁ」
最近はすっかり僕の部屋のベッドで一緒に寝てくれるようになったのに、そんな宣言をして緋山さんはシャワーを浴びに行ってしまった。
そして首の目立つところに僕がつけた跡を発見した緋山さんに、それが消えるまでは一緒に寝ないと改めて宣言されてしまうのだった。