人肌恋しい(R-18)

「う〜寒い。今日寒くないですか?」
「最低気温一桁でしたからね」
寒いと連呼しながら赤峰さんがベッドに入ってくる。先にベッドに入ってスマホを見ていた俺に赤峰さんが後ろから抱きついてきた。
「つめた」
「だから寒いって言ってるじゃないですか」
触れた足先がひんやりとしていて思わず逃げようとしたが、逃がさないと言わんばかりに抱きしめられて身動きが取れなかった。
「緋山さんあったかい……」
「俺で暖を取らないでくださいよ」
せっかく布団の中で温まっていたというのに熱が奪われてしまう。
スマホを置いて彼の腕の中でもぞもぞと動き、向き合うと彼の両手が頬を包み込んだ。
「冷え性なんですかね、僕」
「知りませんよ。冬を一緒に過ごすの初めてですし」
冬というにはまだ早い気がするが、秋はあっという間に過ぎ去ってしまった印象だ。
「緋山さん」
「はい」
「寝る前に暖まりたくないですか?」
親指で唇を撫でながら言われたので、彼が何を言わんとするのかはわかったが思わず閉口する。
「…誘うの下手すぎません?」
雰囲気もなにもあったもんじゃないがツッコまずにはいられなかった。
「ひどい…僕は本気なのに……」
「はいはい」
めそめそと泣き真似をする姿に呆れつつ、彼の手をとって指先をそっと口に含む。ちゅっと音を立てて吸うと、赤峰さんの表情が変わった。
ー食われる
そう思った次の瞬間には、赤峰さんに上から覆い被さるような体勢で口付けられていた。
「ん、は」
「今ので一気に暑くなったかも」
「ん、何言って」
口ではそう言いつつもまだ冷えたままの手が、スウェットの裾から侵入してくる。ひんやりとした手で腹を撫でられて思わず身を捩った。
「ひ、つめた」
「ちゃんと温めてください」
熱を奪うようにゆっくりと這う手がくすぐったい。徐々に上へと這ってくる手が胸の突起を撫でた。そのまま指先で弄ばれる。冷たい指先で刺激されてそこがぴんと主張し始める。
「あっ、」
「こっちも勃ってきましたね」
赤峰さんの膝がぐり、と俺の下半身を刺激した。
「ん、脱がしてください」
服を汚したくなくてそうお願いすると赤峰さんはため息を吐いた。
「もう、そんなに煽らないでくださいよ」
「そんなつもりはっ、っ!」
上も下も一気に服を剥ぎ取られて、直接身体に触れられる。
「もうこっち、挿れますね」
ベッドサイドからローションを取り出して、彼が少しだけ手のひらで温めてくれていたが、彼の冷たい手ではあまり意味がなかったようで、冷たいままのローションを纏った指が中に入ってきた。
「ん、」
「すみません、冷たいですよね」
「だいじょうぶ、です」
ローションの冷たさを感じたのは一瞬で、それはあっという間に俺の中の熱を奪って温まった。かき混ぜるように動く指が好いところを掠めて身体がびくりと反応する。
「あっ、そこっ」
「もうちょっと我慢してください」
「あ、ん、そんな」
一気に指を増やされて、ばらばらと中をかき混ぜるそれに翻弄される。的確に前立腺を狙ってくる指に呼吸が乱れる。
「あっ、あっ、んぁ、ひっ」
「ふふ、緋山さん気持ちよさそう」
微笑んだ赤峰さんがキスしてくる。手足は冷たいくせに舌は熱くて。侵入してきたそれが俺の口内を荒らしていく。
「ん、っん、ん、んん!」
「は、もうイきそうですか」
「イくっ、イくから、あ、っあぁ!」
ぐりぐりと前立腺を刺激する指はそのままに、前も同時に扱かれてあっけなく達する。
「はぁ、は、ちょ、まって」
「緋山さんのここ、熱くて狭くて気持ちよさそう」
うっとりと笑みを浮かべた赤峰さんが手早く避妊具を自身につけて、すでに彼の指によって解れ切ったそこに割り入ってくる。
「あっっっ…っ!」
「っく、奥まですんなり入りましたね」
一気に奥まで挿入され、圧迫感に息を詰める。そんな俺を安心させるように頬を撫でた手はほんのり温かかった、
「あーきもちいい」
奥まで挿入したまま、耳元で囁かれて中のものを思わず締め付けてしまう。
「っ、緋山さんもしかして僕の声好きですか?」
「あっ、ちがっ」
「だって耳元で囁くと締め付けすごいですよ」
ね、緋山さんと再び耳元で囁かれてぞわぞわと快感が走る。
「っく、まあ僕も緋山さんの声好きなんで同じですけど」
「あぁっ!」
「ほら、もっと声聞かせてください」
ずるりと奥まで入っていたものが抜けていく。そのまま抜かれるかと思ったら勢いよく奥まで突き入れられた。それを何度も繰り返される。
「あっ、あ、あ、だめ、っそれ」
「嘘つき。っく、ダメですよちゃんと気持ちいいって言わないと」
快感でおかしくなってきた頭に吹き込まれて、素直に口にしてしまう。
「あ、きもちいっ、それ、もっと」
「は、っそれずるすぎです」
目の色を変えた赤峰さんが律動を激しくする。そこからはもう意味のない嬌声をあげることしかできなかった。
「あっ、あ、んんっ、ひっ、やぁ、あっ」
「すみません、ぼく、もう、っく」
「っ…!」
最奥まで打ち付けられて絶頂する。ぱちぱちと火花が散る視界でくたりと身体が弛緩していく。
「はぁ、は、あっつい」
俺の中から自身を抜いて、避妊具を処理しながら赤峰さんが呟いた。
「あたたまったなら、よかったです」
温まるどころかこっちも暑くなってしまった。このまま寝たっていい。そう思いながら目を閉じると、赤峰さんが軽く身体を拭ってくれた。先ほどまで赤峰さんは服を着ていたはずなのに、ベッドに潜り込んできた彼はいつのまにか服を脱いでいて直接体温を感じる。
「よく眠れそうです」
そう呟いた彼の足先もすっかり温まっていて。これなら問題ないと自分から足を絡ませた。そのまま抱き寄せられてキスされる。
触れるだけの優しいキスに眠気を手繰り寄せられて、そのまま眠りについた。
翌朝、裸で抱き合ったまま寝たものだから、二人して朝の冷えた部屋を前にいつまでも布団から出られなかったのはご愛嬌だ。