蛇のように(R-18)

普段、夢を見ることはあまりないのに珍しく夢を見た。
初夢というやつである。
赤い蛇が絡みついてきて離れない夢だった。とくに嚙まれたりすることもなく夢の中の自分も恐怖は感じていなかったが、ただずっとその蛇が絡みついて離れなくて困っている夢だった。
目が覚めてせっかく夢の内容を覚えているから枕元のスマホを手に取り、初夢について調べてみることにした。
蛇が出てくること自体は良い夢のようだが、襲われたり噛まれたりすると悪い夢になるらしい。
絡みついて離れなかっただけで襲われた感じではなかったから良い夢だったということにしておこう。
そう結論付けて、まだ眠いから二度寝でもしようかと考えていたら隣の赤峰さんがもぞりと動いた。
「ん」
起きるかな、とじっと見つめていると赤峰さんがゆっくり目を開けた。
「おはようございます」
囁くように挨拶すると赤峰さんはぱちぱちと瞬きをして俺に抱き着いてきた。
「んん、おはようございます……」
まだ眠そうな彼が足を絡めてくる。その時に彼の膝が朝の生理現象で緩く勃ち上がっていた俺のそこをぐり、と刺激した。
「あ、」
思わず声が漏れて身体がびく、と反応する。寝ぼけ眼の赤峰さんはそんな俺をぼんやりと見てキスをしてきた。しかも彼の膝は追い打ちをかけるようにそこをぐりぐりと刺激してくる。
「ん、んっ」
唇を塞がれたまま赤峰さんが抱き着いている状態では抵抗もできなくて、そこは硬さを増していく。
完全に勃ち上がり服の下で窮屈になってきた頃、ようやく赤峰さんの唇と膝が離れていく。
ほっと身体の力を抜いたのも束の間、赤峰さんの手が下着の中まで入ってきてそれを直接扱かれる。
「あっ、や、だめ」
「もうこんななのに?」
額をこつんと合わせてきた赤峰さんがにやりと笑った。さっきまで寝ぼけていたくせにすっかり覚醒した彼に攻められて、俺は彼の手のひらに欲を吐き出した。
「っはぁ、はぁ」
「たくさん出ましたね」
赤峰さんは俺が出したものをわざと俺に見せつけながら赤い舌で舐めとる。そしてそのまま上も下も身につけていたものを剥ぎ取られた。
一度達して力の抜けた身体をうつ伏せに転がされたと思ったら腰を持ち上げられて、尻だけ上げたような格好にさせられる。恥ずかしい体勢に抗議しようと後ろを振り返った瞬間、赤峰さんはあろうことか俺の後孔に舌を伸ばした。
ぴちゃ、と微かな水音と共にぬるりとしたものが入り込んでくる。
「あっ、そんな、だめです、きたなっ」
慌てて上半身を起こして彼の頭を押し退けようと手を伸ばすが、その手もあっさり捕まえられてベッドに押し付けられる。結局尻だけ上げたような体勢で指とは違う感触に入口を撫でられて腰を震わせ感じることしかできなかった。
「汚くないですよ。だって準備してくれてたんですよね?」
ぐるりと内側を舐めまわした後、ちゅぽと音を立ててそこからようやく舌を抜いてくれた赤峰さんが耳元で囁いてくる。
「昨日は寝落ちしちゃってすみません」
快感に涙が滲む視界で後ろに視線をやると赤峰さんは申し訳なさそうに眉を下げていた。
そう、昨日の夜は正月だからとおせちを食べてそれぞれ風呂に入ったところまでは良かった。しかも風呂に入る前にソファで隣に座った赤峰さんが誘うように俺の腰を撫でるもんだからてっきり抱かれるもんだと思って入念にそこの準備もした。だというのに、先に風呂に入っていた赤峰さんは俺が風呂から上がる頃には正月用にと買っていた日本酒を飲み過ぎて酔い潰れていた。
ほとんど意識を手放している彼を何とかベッドまで運び、抱かれる準備をしてしまったばかりに火照る身体を必死に落ち着けながら眠りについたのが昨日のことだ。
だから彼の言う通り、俺のそこは別に汚くはないのだがだからと言って直接舐められるのは話が違う。
「や、でも舐めないでくださ」
またそこに顔を埋めようとした赤峰さんに抵抗する。
「気持ち良くないですか?」
「っ!」
きょとん、と俺を見る顔があまりにも無垢で思わず言葉に詰まる。やっていることは無垢とは程遠く欲にまみれているのだが。
俺が何も言わなくなったので赤峰さんは再びそこに舌を挿れてくる。
ぬるぬると中を舐め回されて、一度達して力を失っていた前も再び硬さを帯びてくる。
でも舌だけだと刺激が足りなくてうつ伏せなのをいいことに自分で腰を揺らして先走りをこぼし始めている先端をシーツに擦り付けていると赤峰さんの手がそこを握った。
「ダメですよ、勝手に気持ち良くなったら」
「あっ、だって、イけない、から」
舌が抜けて後ろの穴が寂しくなる。自慰のようなそれも止められて持て余した欲に思考が毒されていく。
「しょうがないですね」
そこを握られたまま、かくかくと腰を揺らす俺を見下ろして赤峰さんはにんまりと笑った。
「あぁっ?!や、あっ、そんな、いきなり、っ!」
突然の刺激に頭が真っ白になる。さっきまで舐め回されていたそこに赤峰さんの指が挿れられて、感じる箇所を容赦なくぐりぐり捏ねられる。同時に前も扱かれてあっという間に達した。一度目よりも量は減ったとはいえ、勢いよく飛び出した白濁がシーツを濡らす。過ぎた快感でちかちかとする視界のまま、なんとか腕を立てて上半身を起こす。
でも赤峰さんはそんな俺にはお構いなしで前も後ろも攻める手を止めてくれない。
「あっ、あ、あ、だめっ、イってる!まだイって…っ!」
「今日は予定もないですし、好きなだけ気持ち良くなってください」
恐ろしいことを言いながら赤峰さんは俺の背中をねっとりと舐め上げる。がくがくする腕で必死に耐えていたけど、背骨に沿って上がってきた舌がうなじまで辿り着くと赤峰さんはそこに強く吸い付いた。
「あぁっ!」
それと同時にまた達してしまう。
イく瞬間に根本を握られて、前から出さずにイってしまった。
「あっ、あっ、あ、」
イったのに中に入ったままの指で前立腺をトントンと刺激されてその度に軽くイってしまう。
それを幾度か繰り返した後、ようやく指が抜かれて前を握っていた手も離された。
堰き止められていた白濁液が先端からとろとろと溢れてくる。それにすら感じてぴくぴくと身体を震わせていると今度は身体をひっくり返されて仰向けにさせられる。
俺の足を持ち上げて、赤峰さんはぱくぱくと物欲しげに蠢く後孔に彼の熱く硬くなったそれの先端をあてがった。
「ちょ、まってくださ」
「挿れますね」
制止を無視してそれが中の好いところを擦り上げながら侵入してくる。
「や、も、くるしっ…」
「っ、あー、最高」
最奥までみっちりと埋められて圧迫感に呼吸が浅くなる。
そんな俺をあやすように赤峰さんの手が優しく頬を撫でた。
中が彼の大きさに慣れるまでそうしてくれていたが、俺が落ち着いたとわかると少しずつ彼の腰が動き始める。
いつのまに使われていたのかもわからないローションが、彼の腰の動きに合わせてぱちゅんと卑猥な水音を立てた。リズミカルに腰を打ち付けられたかと思ったら最奥まで挿れられて奥をぐりぐりと刺激されてもう快感でぐちゃぐちゃだ。
「あっ、あぁ、おく」
「くっ、奥がいいんですか?」
ぐっと奥まで侵入してきた彼の肉棒を締め付けると、赤峰さんは快感に顔を歪めた。彼も気持ち良くなってくれているのが嬉しくて思わず手を伸ばして抱き着く。密着したせいでさらに奥までそれが入ってきて声が漏れる。
「あ、ん、すき」
「奥が好き?」
ぽろりと目尻から溢れた涙を舐め取りながら赤峰さんが問いかけてきたのでふるふると首を振る。
「ちが、」
「じゃあこっち?」
腰を引いた赤峰さんが今度は先端で前立腺を刺激してくる。
「あぁっ?!や、そ、じゃなくて」
なかなか伝わらなくてもどかしくなった俺は彼の唇に噛みついた。そして枯れかけた声で囁く。
「すき、しゅうと、さ」
「っ!」
彼は驚いたように目を見開いたあと、すぐにくしゃりと笑ってキスをしてくれた。触れ合うだけのキスを何度もしたあと、離れていった唇が滅多に呼ばない俺の名前を紡ぐ。
「啓太さん、僕も愛してます」
もう一度、今度は深く口付けられながら彼のものが奥まで入ってくる。それをきゅうっと締め付けると彼は息を詰めた。
「あー…っと、啓太さん」
余裕がなさそうな声色で呼ばれて彼と目が合う。そして彼の両手が俺の腰をがっちりと掴んだ。
「ごめん、止まんない」
溶けた脳でそれを理解するより早く律動が再開される。
その言葉通り彼から与えられる快感は一日中止むことなく。新年早々、日が暮れるまでベッドの上で過ごすことになってしまった。