ひとり遊び(R-18)

赤峰くん(α)×緋山さん(Ω)



「すみません、なるべく早く帰ってくるので」
申し訳なさそうな顔をして出かける準備をする赤峰さんを見送るために玄関まで着いて行く。
「仕方ないですよ、お仕事ですから」
赤峰さんが何故こんなに出かけるのを渋っているかというと、もうすぐ発情期が来る予定だからだ。
赤峰さんという番が近くにいるからか、周期も安定していてほぼ予定通りに最近はやってくるようになったそれがちょうど今日明日あたりに来る。
そんな矢先、赤峰さんにどうしてもずらせない出張が入ってしまって今朝はずっとこの調子だ。
「僕の物、好きに持っていっていいんで」
「ふふ、巣作りしろってことですか?」
心配させないように冗談めかして言えば赤峰さんは照れ臭そうに頰を掻いた。
「そういうわけじゃ…ないわけじゃないですけど」
「なんですかそれ。ほら、そろそろ行かないと遅刻しますよ」
カバンを手渡して背中を押すと赤峰さんがくるりとこちらを振り向いた。
「ん、」
「帰ってきたら二人で引きこもりましょうね」
唇に軽くキスを落としてそう囁くと、赤峰さんは出かけて行った。

今回は遠方への出張らしく、赤峰さんが帰ってくるのは明後日の予定だ。
明墨法律事務所でのアルバイトも発情期の期間はあらかじめお休みをもらっているから、普段後回しにしてしまっている家の掃除をして時間を潰す。
そうこうしているうちに身体が熱くなってきた。
「はぁ、ちょっと早かったな」
そう独りごちてペットボトルの水だけ持って寝室へ向かう。
ついさっきまで赤峰さんと一緒に寝ていたベッドに潜り込んで彼の匂いを吸い込む。
そうするだけで気分はいくらか落ち着いたが、体温はかえって上がった気がする。
「ん」
ズボンに手を突っ込んで自身を慰める。昂るまま自身を扱いて、最初の2、3回は欲を吐き出していくらか楽になったように思えたが次第に後ろが物足りなくなってくる。
赤峰さんのそれを飲み込むことを覚えた後孔は自分の指だけでは満たされず、だらだらと愛液を流しながらひくひくと蠢く。
「あ、んう、なんで」
ぐちゃぐちゃと後ろの穴を掻き混ぜるのとは逆の手で前を同時に弄ってみたり、胸の突起をこりこりと摘んでみてもなかなかイくことができない。
赤峰さんはいつもどんなふうに触ってくれていたっけ。思い出そうとしても熱に侵された頭では無理で、発散することができないままさらに熱が溜まっていく。
「んんっ、あ、そうだ」
重い身体を引き摺って洗面所まで行き、洗濯機に入っていた赤峰さんの服を取り出して顔を埋め、匂いを思いきり吸い込む。微かに残る彼の汗の匂いに自分の身体が興奮するのがわかった。
そのまま後ろに指を3本一気に挿れる。
「あっ、」
どくり、と心臓が高鳴ってようやく絶頂する。もう前からは何も出てこなくてドライでイってしまった。しばらく絶頂の余韻で身体がびくびくと震えた。
「はぁ、はぁ、なんで、まだ」
いつもなら発情期でも何回かイけばいくらか熱も治まるのに今日に限って全然治まらない。
挿れたままの自分の指をきゅうきゅうと締め付ける後孔がまだ足りないと蠢いている。
赤峰さんの太いモノでそこを満たして欲しい。だんだんとそれしか考えられなくなってくる。
でも赤峰さんは明後日まで帰ってこない。
どうしよう。このままでは狂ってしまいそうだ。
惰性でぐちゅぐちゅと挿れたままの指を抜き差ししながら解決策を一つだけ思い出した。
「あ、」
自分の愛液に塗れた指を赤峰さんの服で拭いてふらふらと立ち上がる。
自室へと這うように移動してクローゼットの奥に隠したそれを取り出す。
「はぁ、は、こんなの、使いたくないけど」
なんの変哲もない白い箱を開けると男性器を模した玩具がそこに入っている。
以前も赤峰さんの不在時に発情期が来て、症状が酷かったことがあり、その後こっそり自分で買ったものだ。中身だけ取り出して寝室に戻る。
「あっ…!ん、う」
ベッドに寝転んで一緒に持ってきた赤峰さんの服に包まれながら後ろに玩具をゆっくり挿入する。
自分で散々弄ったそこはローションを使わなくても太いそれをずぶずぶと飲み込んでいく。
「くっ、は、」
みっちりとひくつく穴を埋められて待ち侘びた感覚に快感が走ると同時に、冷たく硬いそれが赤峰さんのモノではないことがありありとわかって複雑な気持ちになる。
はふはふと深呼吸しながらそれを奥まで飲み込み、自分で抜き差ししてみる。
「あ、あっ、あ、ん」
ずるずると内壁を擦りながら抜き差しすると自分の指よりは快感を感じられた。先端を感じる箇所に狙いを定めてごり、と擦ると目の前で火花が弾けて絶頂した。
「は、は、きもちい」
挿さったままの太いそれをぎゅうと締め付ける。
そういえば玩具にスイッチのようなものがあったはず。入れたらどうなるんだろう。
ぼんやりした頭で玩具を弄り、スイッチを探す。
ボタンを見つけて何も考えずそれを押した。
「あぁっ?!」
スイッチを押した途端、中に挿れたそれがピストン運動を始める。
「あっ、あ、あ、やめ、イくっ、〜っ!」
自分で制御できない容赦ない攻めにあっという間に絶頂を迎える。
「ぁぐっ、あ、だめっ、とまんなっ」
こちらが絶頂を迎えても、機械のそれは止まることなく敏感になった内壁を一定速度でごりごりと擦り続ける。
連続で何度も強制的に絶頂へ押し上げられて快感に頭がおかしくなりそうだ。
何とかそれを抜こうと手を伸ばすが力の抜けた手では自身の愛液で濡れるそれが滑って上手く掴むことができない。
「あぁっ、だめ、また、〜〜〜っ?!」
びくん、と身体が弓形に反る。完全に力が抜けてしまってベッドに力無く横たわる。
「あ、あ、あぁ、」
結局その玩具の充電がなくなるまで、俺は快感に身体を震わせることしかできなかった。

「ん、」
目が覚めると惨状が広がっていた。
後ろの穴は充電切れによって動きを止めた玩具を飲み込んだままで、自分の出した体液でベッドも身体もぐちゃぐちゃだった。
「ふぅ、ん」
愛液に塗れてぬるぬるの玩具を抜くと長時間それを挿れっぱなしだった後孔がぱくぱくとひくついた。
重い身体を起こしてなんとかシャワーを浴び、ベッドを綺麗にする。
汚れたシーツや服を洗濯機にかけ、寝室に戻った。
ベッドサイドのテーブルの上に放置していた玩具が目に入り、いたたまれない気持ちになる。
「どうしよう、これ」
正直、自分だけでは持て余していた熱をこの玩具によって発散することはできたと思う。しかしこういったものを使ったことがない俺には少々刺激が強すぎた。
でも少し時間を空けてまた発情の波は来る。
一応保険のために、と自分に言い訳をしてそれを充電コードに繋いだ。

次の日、お腹が減りすぎて目が覚めた。朝ごはんを食べて家事をこなし、昨日と同じくらいの時間になると身体が火照り始めた。
昨日赤峰さんの服は洗濯してしまったから、玄関にかけてあった赤峰さんのマフラーを拝借しておく。
昨日の反省を生かしてベッドにはあらかじめ大きめのバスタオルを敷いておいた。
「ん、はぁ」
スボンを下ろして熱を持ち始めた自身を握る。
すぐに我慢できなくなってきて、後孔に指を挿入した。
「あ、あ、んんっ!」
まずは一回、絶頂を迎えて白濁を吐き出す。
前も後ろも手を止めることができなくて夢中でそこを弄る。
何度かイったあと、物足りなさに後孔がひくりと疼いた。
充電ケーブルを差しっぱなしの玩具をちら、と見る。
結局昨日の快感を忘れられず、それに手を伸ばした。
自身の愛液を纏わせてそれをゆっくりと挿入する。
「あ、やだ、ん」
無機物のそれにまるで犯されているようでぞくぞくとする。スイッチを入れればもう、狂ったように喘ぐしかなかった。
「あ、あ、あぁ、はっ、」
強制的に与え続けられる快楽に身体を震わせて一体どれくらいの時間が経ったのだろう。
朦朧とする意識の中、それでも貪欲に快楽を求める身体は意識を失うことを許してくれない。
「は、は、はふ」
もう声も出なくなってきて、乱れた呼吸だけが部屋に響く。
後ろにそれを挿れたまま身体を丸めて快感に耐えていると視界に影が落ちた。
「気持ちよさそうですね」
肩を押されて仰向けになるとにっこりと笑みを浮かべる赤峰さんがそこにいた。
「っ?!なんで」
飛びかけていた意識が一気に戻ってくる。焦って起き上がろうとしたが、後ろに挿れたままのそれのあたる角度が変わってへたり込む。
「こんなの、いつのまに買ったんですか?」
赤峰さんがネクタイを片手で外しながら俺の後孔に埋まったそれをぐい、と動かした。
「あっ!?」
その刺激で軽くイってしまい、目を見開く。
赤峰さんはそのままそれを抜き差しし始めた。
「せっかく急いで帰ってきたのに、緋山さんはこれの方がいいんですか?」
「ちがっ」
口元には笑みを浮かべているのに目が全く笑っていない赤峰さんに焦る。
「ふうん、でもこれ食い締めて離さないですよ?緋山さんのナカ」
「あぁっ!だめ、ふかっ、」
赤峰さんが玩具を最奥までぐいぐいと押し付けてくる。今までより深く挿入されたそれが奥を容赦なく叩く。
「イっ、イくっ、あっ、あ、〜っ!」
全身を震わせて絶頂する。びくびくと身体を震わせていると赤峰さんがそれを抜いてくれた。
「満足ですか?」
玩具に纏わり付いた俺の愛液を舐め取りながら赤峰さんがにっこりと笑う。
「あ、あかみねさ」
「だって、たくさんイったんでしょう?」
怒ってる。いつもならすぐに抱いてくれるのに赤峰さんは玩具をベッドサイドに置くと立ち上がった。
「まって」
怠い身体に鞭を打って、出ていこうとする赤峰さんの腰に抱きつく。
「ん、どうしたんですか?」
俺を見下ろす目はぎらぎらと熱が灯っていた。
「これ、くださ」
スーツの上から赤峰さんの股座を弄る。
「は、」
赤峰さんの口から吐息が漏れた。ベルトに手をかけて彼のそれを取り出す。
「んぅ」
少しだけ熱を帯び始めたそれを一気に喉奥まで咥えた。
じゅ、じゅと音を立てながらそれに吸い付く。
「は、淫乱ですね。そんなにこれ、欲しいんですか?」
「ん」
言葉責めのようなそれにも俺の身体は反応して、彼の肉棒を求める後孔がひくついた。
「っく、でる」
「んぐ!?」
赤峰さんの手が俺の後頭部を押さえつけて、喉奥で射精される。
ようやく与えられたそれを数回に分けて飲み込んだ。
「こっちまだひくついてますよ」
「あっ」
後ろの穴を赤峰さんの指がくるりと撫でで、びくりと腰が震える。
「ああでも、こっちのほうがいいか」
そう言って玩具を手に取った赤峰さんにぶんぶんと首を振る。
「や、も、あかみねさんのくださ」
「僕のがいいんですか?」
優しく頬を撫でられてこくこくと頷く。赤峰さんは満足そうに笑うとようやく俺のそこに彼のものをあてがった。
早く挿れて欲しくて腰が揺れる。
「ふふ、待ってください」
「や、も、ほし」
先端に入り口を擦り付けると、一気に奥まで挿入された。
「ひぅっ!」
「っく、やば、」
熱いそれに貫かれて目の前がちかちかする。赤峰さんも息を詰めて俺の腰を掴む手に力が入った。
ようやく与えられた番のそれに心身ともに満たされていくのを感じた。
「あ、きもちい」
「ふ、そんなに締めないでください」
「むり、だってきもちい」
「あぁもう喋らないでください」
余裕のない表情になった赤峰さんに口付けられる。そのまま容赦なく奥を何度も突かれて何度も絶頂した。
「っはぁ、僕も、もう」
「あっ、あ、なかっ、くださ」
どろどろに溶けた頭で懇願する。もう一度、深く口付けられて赤峰さんはぎゅっと眉を顰めると俺の中で欲を吐き出した。

「まったく、いつのまにこんなもの…緋山さん?」
「…言いたくないです」
赤峰さんに抱いてもらってすっかり熱は落ち着き、ベッドに身体を投げ出す。ベッドに沈んだまま、枕に顔を埋めて赤峰さんからの問いかけに黙秘した。
「まさか、誰かから貰ったとか…?」
「ちが!」
しかし赤峰さんが急に不安げな声を出すので慌てて顔を上げてしまった。
目が合った赤峰さんがニヤリと笑う。
「自分で買ったんですね」
「…うぅ」
恥ずかしくてもう一度枕に顔を埋める。
「すみません、意地悪しました。元はと言えば僕がそばにいられなかったのが悪いですし」
優しく頭を撫でられておずおずと顔をあげる。
「でも僕が帰ってきても気づかないんですもん」
妬きました、と不満げに口を尖らせた赤峰さんにちゅ、とキスをする。
「すみません、どうにも熱が治まらなくて……」
「もう次からは緋山さんも連れていこうかな」
「え」
「どうせ緋山さんのフェロモン、僕にしか効かないし」
外で発情期がきても問題ないでしょう?と言った彼をじとりと見つめる。
「それはいやです」
「ええ?だってこんなものに緋山さんを取られるの嫌です」
つんつんと玩具をつつきながら拗ねる赤峰さん。次にこれを使うことがあれば彼に見つからないようにしないと。
「でも流石に外で発情期は…家の方が赤峰さんの匂いがして安心しますし」
思ったことをそのまま言っただけだったが、赤峰さんは嬉しそうに笑った。
「まあ、僕と緋山さんの愛の巣ですしね」
「その言い方、なんか恥ずかしいです」
「いいじゃないですか。間違ってるわけじゃないし」
俺が持ち込んだ赤峰さんのマフラーをちら、と見ながら彼は目を細めた。
「これだけでよかったんですか?」
「えっと、昨日は別のを借りました……」
自分の吐き出したものでどろどろにしてしまった彼の服を思い出して目を逸らす。もちろんきちんと洗濯して畳んでおいたが。
「ふふ、かわいい」
「…嬉しくないです」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられて満更でもないが、男ならかわいいはあまり嬉しくない。
「すみません、愛しいって意味です」
でもそんな俺のことなんてお見通しの彼は欲しい言葉をすぐにくれる。
「…俺も」
それだけ呟いて赤峰さんの背に腕を回した。