ホットケーキ@−Sanji−


仕入れが済んで一度部屋に戻ろうとした時、スペースのキッチンにマナちゃんがいるのが見えた。
今日もかわいいと伝えようとして、その手前にこのマンションの管理人が座っていることに気づく。

「最近どうだ」
「変わらないよ、問題なくやってる」
「ならいいが、なんかあったらすぐ言えよ」
「なんかって…ごみの分別が守られないとか?」
「それはなァ、あいつらがいるから」
「ね、D兄弟はね…。燃えるゴミに空き缶が混ざらなくなってちょっと感動しちゃった」
「まったくだな」
「とかいうシャンクスも8割燃えるゴミにしてるじゃない」

あんの赤髪、マナちゃんにちょっかいかけやがって…!
よく見ると彼女は何か焼いているように見える。
赤髪が席を立ってマナちゃんの真後ろに立つ。

「今日はなんの味だ?」
「プレーン。チョコチップ入りもできるけど」
「そのままでいいな」
「わかった。…っていうか、近いから」

振り返ったマナちゃんはもう赤髪とキスしちまうんじゃないかという距離感。
っていうか、なんでオレ、わざわざ隠れて見てるんだ?堂々と声かけりゃいいだろうが。
そう思って動きかけた時、さらに目を疑う光景が飛び込んできた。
赤髪がマナちゃんの首元に腕を回して、…抱きしめてんじゃねえか。
しかも、マナちゃんは拒否するでもなくされるがままになってる。

なんだ、これ。

あれか。元カレとかそういうやつか。


「シャンクス、暑い。離れて」

言うや否やするりと抜け出したマナちゃんだけど、動揺するでもなく、普通に受け入れてるような顔。
一方の管理人は不満げな顔。

おいおい、マジか。なんだよそれ。
それじゃあもう、オレが来るよりずっと前からの話じゃねえか。

もうそれ以上見ないことにして、というより、今なにも見なかったことにしようと決めて、
足音を消しながら自分の部屋を目指した。




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