肉じゃが−Law−


20時。
くつろいで野球を見ていたらローから連絡が。
『肉じゃが頼む。材料は』
『じゃがいも、豚肉(薄切りなら何でも)、にんじん、しらたき、さやえんどう』

20分後、ロー帰宅。
「頼む」
「りょうかい。30分くらいかかるわ」
「シャワー浴びてくる」
「トラ男だけずりーぞ!オレも食う!」
「ルフィ、材料費はロー持ちだから」
こうやって頼まれるのは好き。自分も少し食べられるし、1回300円もらうことにしている。
それを貯めた月数千円でお菓子を焼いてふるまったりする。

だんだんみんなの好みもわかってきた。
ナミとビビは甘いものが好き。ケーキのにおいですぐ出てくる。
ロビンにお菓子をあげるときはコーヒーとの相性を考えて。
ルフィは肉なら何でもいいみたいだけど。
エースはもう少し、ビールが進むかが大事みたい。
サボの味覚は繊細で、出汁とか薬味に反応する。
ゾロは日本酒とか焼酎に合うかどうかを一番に考えてて。
サンジくんは・・・正直いつも緊張する。褒めてはくれるけど。
で、今日の依頼主、ローは。
「みりんは少なめ、お酒は多め、と・・・」
甘さ控えめにして、料理酒じゃなくて、安くてもちゃんと飲める辛口の日本酒を使うとお口に合うようで。

30分後、髪が濡れたままのローがスペースにやってきた。

「できてますよー」
「助かる」
「少しいただくね」
「ああ、もちろん」
「トラ男、オレも!!」
「てめーはだめだ」
「ちぇー」

ついでに、夕飯の残りの酢の物、胡麻和え、余った人参のきんぴらを添える。

「いいのか」
「その代わり多めにくださいな」
「ああいいぜ。酒が進む」
「いいなー私もー」
「しょうがねえな」

おすそ分けされた日本酒を飲みながら考える。
明日は肉じゃがの三分の一をお弁当に入れて、残りはトマトで・・・

「こんな量、どうするんだ」
「ああ、トマト肉じゃがにする。おいしいよ?」
「トマト肉じゃがか」
「食べる?」
「ああ」
「じゃあローの分もよけておくね」

訂正。明日のお弁当は豚肉生姜焼きと胡麻和えときんぴら、夕飯にトマト肉じゃがだな。
明日、トマトの入った肉じゃがを食べて、この人はどんな顔をするだろう。
少しワクワクしながら、レシピを思い浮かべる。

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