とても短い話
1000文字に満たない話、ネタなどを置いています。
名前変換はありません。

絡んだ糸は解けてしまった*徳川家康
「―――家康様」
「おお、お主か。どうした」
「家康様は今、幸せですか?」
「手に入れたものより失ったものの方が多いゆえ、お主が満足できる答えは返せぬ。だがそれでも進まねばならん。後戻りはできんのだ」
「……微力ながらお支えいたします」
そのためならば元の世界など喜んで捨てよう。
「140文字で書くお題ったー」様より引用
僕を許す君がいけない*伊達政宗
「貴様はいつも笑っておるな」
「楽しいですから」
「泣くことはあるのか」
「そりゃ悲しいことがあれば泣きますよ」
「想像もつかんな」
「私もです」
「自分のことだろう。知らぬと申すか」
「自分の顔は見えないもの。政宗様、私今どんな顔してますか?」
「……泣いておるわ」
「140文字で書くお題ったー」様より引用
恋を重ねる*立花宗茂
川は止められない。雲は触れない。風は留まらない。ないないばかり。あといくつの傷を刻めば、一つくらいは手に入れることができるのか。
「欲しい物が随分多いんだな」
「ええ、人間ですもの。思うがまま手に入れてみたいと願ってしまいますのよ」
たとえば移ろうあなたの心を留める術とか。
「140文字で書くお題ったー」様より引用
唯一の*張苞
あなたって誰にでも優しいわよね。それはとっても素敵なことだわ。でもわたくしはあなたの特別が欲しいの。あなただけの特別を、わたくしの特別なあなたから貰いたいわ。駄目かしら?―――そう伝えたら顔を真っ赤にして倒れたので、それで良しとした。あの女官には見せてない一面だったから許すわ。今はね。
「140文字で書くお題ったー」様より引用
そうだっけ、覚えてないや*石田三成
「―――お前はあの湯呑みのことを覚えているか」
唐突に訊ねられた問いに、一瞬面を食らう。割れた湯呑みのことかと思い至った自分は首を振った。
「ごめん、覚えてないや。なんのことだっけ」
「……何でもない。忘れよ」
言いたげな様子には知らぬ顔。ごめんね、きみより長生きする気はないんだ。
「140文字で書くお題ったー」様より引用
クロニクルから
それ以上は許さない*藤堂高虎
あの方は女を軽んじておられます。ですからわたくしめが密偵として潜り込み、情報を集めて参ります。つきましては父上に仲介人を務めていただきたく―――。
「黙れ。それ以上は俺が許さん」
「ですが……」
「必要ない」
眼光は虎のようであった。ああ、この人は私の存在意義まで食ってしまうのか。
「140文字で書くお題ったー」様より引用
諦めきれない*竹中半兵衛
背後で音が立つ。
「げっ。なーんできみに見つかるかな。毎回場所変えてるのに」
「根性ですね!」
日照りより暑い彼女に胸中が苦くなる。会いたくない理由、それは―――。
「今日こそ秀吉様を唸らせる美女になりましょう!」
上官の素晴らしさを布教するという面倒事に付き合わされるから。
「140文字で書くお題ったー」様より引用
藪蛇*竹中半兵衛
「竹中殿っていろいろ勿体無いですよね」
「人の昼寝邪魔して随分な言い草だね。俺って嫌われてる?」
「普段の職務に対する姿勢は嫌いです。が、その才は何よりも尊敬してますよ」
「ありゃ、急に褒めた。めっずらしー」
「だからこそ十全に発揮しないのがもどかしいんです。黒田殿もおっしゃってましたよ。彼はその気になれば遺憾無く能力を発揮できる人だと。なんでしないんですか」
「人を警戒させたら本末転倒じゃん?」
「どういう意味ですか」
「―――こうやって気を抜いてみせないと膝枕してくれないでしょ、きみ」
軍師やってるのに抜けてるよね、と笑う彼は何処か別人に見えた。
夢であえたら*真田幸村
普段は温和で礼儀正しい青年、戦場では誰よりも勇ましく槍を振るう猛者。みなの言うとおり、乱世の最後を飾るに相応しい武将だったかもしれない。けれど自分は思うのだ。彼は戦場にしか生きられない男なのでは、と。もし夢で再会が叶うなら、そこは楽園であってほしいものだ。願いながら今日も生きる。
「140文字で書くお題ったー」様より引用
たまにはイチャイチャしませんか?*司馬懿
わずかな離席から戻ると、執務室は黒焦げだった。
「やっちゃった……」
「やっちゃった、じゃないわ馬鹿め!お前まで黒ずみではないか!」
「ひぃ、ごめんなさい!」
「……私の執務室を燃やした理由はなんだ」
萎んだ声で「早く帰ってきてほしくて」と言う。それで何故燃やす選択になるのだ!
「140文字で書くお題ったー」様より引用
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