夜の酒屋。賑わう店の端で、嗚咽混じりの声を上げる。
「浮気される度言ってるね。何回目になるんだい?」
「うるさいよ伯寧。ならないったらならないの。決定なの」
「そう言って三日と持った試しがないね」
「伯寧の馬鹿ー!なんで慰めの一つも未だできないのよ!あんた許昌に来て長いでしょ!?情人の一人や二人居たことくらい―――なさそう……。やっぱあんたに女心求められないわ…………」
「城の図案を構築中に連れ出したのはきみなのに酷い言い草だなぁ」
「でも真面目な話、あんたって人を好きになることあるの?城城言ってるけど結婚はするでしょ?」
訊ねると、唸るように考え始める伯寧。
「結婚はそのうちしなければいけないだろうね。でも夫婦となるのに恋愛感情は必要ないんじゃないかな」
「……言うと思った」
築城だの罠だのに夢中な彼のことだ、夫婦の営みすべて義務感でやるべきものと割り切るんだろうことは容易に想像着く。納得すると同時にそんな彼だから好きになってはいけないんだと毎度自分に言い聞かせて、到底好きになれない男に目を向けるのだ。
僕は一生、恋をしない。