「はい」
「家帰ったら奥さんに出迎えられてえなって」
「うん」
「それでおかえりなさいって抱き締められたいんだな」
「うんうん」
「一緒にご飯食べたいし街も見て回りたい」
「いいね」
「奥さんに似合う衣があれば贈ってやりたいし、あわよくばそれを着た奥さんと遠乗りしたいんだ」
「はいはい」
「でもな、やりたいこと全部名前が居てくれなきゃ叶わないことなんだよな」
「うん」
「だから俺のお願い聞いてくれないか?」
「夫の願いは最大限聞き入れたいけど、尖兵を退く気はないからね」
そして今日も彼はがっくりと肩を落とすのだった。尖兵も武将も、戦場に立つ以上はどちらも怪我することは当たり前なのにね。籠の中から夫の帰りを願うなんて慎ましさ、私には最初からないんだよ。
男のロマン