凌統

「ねえ公績。これなんて読むの?」

「そんなこともわからないのかい」

「わからないよ。あたし馬鹿だもん」

「自分で言ってちゃ世話ないな」

「世話してくれるの?」

「……そういう意味じゃないんだけど」

「公績の言いたいこと、よくわからないや」

「わかろうとする気もないだろ」

「凄いね。あたしのことよくわかってる」

「喧嘩売ってる?」

「まさか。公績にかかればあたしなんか紙切れ同然だよ。ぴゅーんって飛んでっちゃう」

「行かさないさ。何処にも」

「そうだね、公績が居なきゃあたし生きられないもんね」

「ああ、そうだよ。あんたみたいな馬鹿で抜けてる奴は俺しか面倒見きれない」

「そっかあ。公績の手煩わせちゃうけど、一緒に居てね」

「言われなくても居てやるさ」

「……ならいいや」

空の色が褪せても、庭の梅が散ってしまっても、悲鳴が轟こうとも、自分はあなたの帰りを待っていよう。たとえこの身が朽ちてしまっても。だってあたしが知るのはあなただけなんだから。閉じ込める腕の強さに甘い雰囲気など漂わせず、苦しいほど痛かった。




なんだって知ってた

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指先