「いや……。白状も何もあいつとはなんもないって」
「また言い逃れる気ですね。でも今回ばかりは逃がしませんよ。昨晩帰ってきた張飛様が寝言でおっしゃってました」
「何を」
「あなたの名前をです」
「はあ?」
「寝ている時にも呼ばうほどの仲なのでしょう。白状してください。お二人は一体どういう関係なのですか」
「だーかーら!姫さんが考えてるような仲じゃねえって!私と張飛はただの飲み仲間、それだけ!あいつが自分の名前口にしたのはあれだよ、寝ぼけてたんだよ」
「……私でもまだ呼ばれたことないのに」
「いや、それは知らん」
「それだけではありません。帰ってきた張飛様からあなたの香りがしました」
「犬かよ」
「匂いが移るなど触れていなければできない証拠。さあ、教えてください。名前様と張飛様は口外できないような関係なんですか?」
「近い近い。あと目が怖すぎるよ姫さん。何度も言うけど私とあいつは男女の仲じゃないし今後もならないし、匂い移ったのだって店で酔い潰れてぶっ倒れたのを介抱したから」
「ですが家には張飛様の部下たちが運んでくださいました」
「そりゃ丸投げしたからね。眠かったし」
「…………ではほんとうにお二人はそういう関係ではない、と?」
「そーだって。だいたいさ、考えてもみなよ。あの短絡馬鹿が好きになったのは姫さんなんだよ?姫さんの欠片が自分の何処にあるって言うのさ。真反対じゃん」
「それはそうですが……」
「誰に聞いてもあいつが私に下心抱くことはないし、あいつは姫さん一筋だから不安がらなくていーよ」
「―――こんなところに居やがったか名前!やっと見つけたぜ!」
「げえ!張飛だ……」
「げえってなんだ。ったく、おめえ一人見つけるのにあっちこっち回るはめになっちまった」
「何の用だよ」
「いい酒手に入ったんだ。今夜おめえの家行くからよ、久々に昔みてえに飲み明かそうぜ!」
「ことわ―――」
「張飛様、彼女と夜を徹したことがあるんですか?」
「なんだ、おめえも居やがったのか。おう、あるぜ。ありゃ確か兄者たちと契ったばっかしの頃だったっけか。あん時ぁ女のくせに多少は骨があると思ってたが、今じゃ俺についてこれるのはこいつだけだな」
「随分信頼しているのですね」
「ったりめえよ!」
姫さんの笑みに背筋が震えたのは言うまでもない。
だいたいあいつのせい