「何を言う!わしとしては足りんくらいだわい」
「一部屋まるまる贈り物で埋められているんですが!?」
「なーに。子はちぃと目を離した隙に大きくなるもの。衣を織る布は多いに越したことはなかろうて」
「いや、それでもこれは多すぎますよ!簪もあるじゃないですか!生まれたの男児ですよ?」
「おお、それはおぬしへの贈り物よ。夭々たるおぬしに合うよう作らせた特注品じゃ。どうだ、気に入ったか?」
「ええ、それはそれは大変綺麗な一品です。でもお爺様、何故私にまで贈り物を?出産祝いは、通常生まれた子と夫に贈るはずですが」
「通例など知ったことではないわ!わしはわしの可愛い孫娘とその曾孫に贈りたいんじゃ!あの男など知らぬわっ」
「やめてください。あの人、五虎大将軍のお爺様に並々ならぬ敬念を抱いてるんですから。聞いたら三日は寝込みます」
「なんと軟弱な男よ」
「でも私もお爺様のこと尊敬してますわ。いろんな戦に出ても尚逞しいんですもの」
「当然じゃ。爺が孫娘と交わした約束を反故すると思うてか」
「この様子だと来孫か昆孫まで抱いてそうですね」
「それはおぬしに任せるとしよう。己の玄孫がどのような子であったかしっかり見てくるのだぞ」
「まあ、弱気なんてお爺様らしくない。そこは雲孫まで抱いてやるわい、とでもおっしゃってください」
「よう言うわ!」
「……長生きしてくださいね、お爺様。私、子沢山な家庭を築くつもりですから」
「こりゃ当分不摂生は控えねばならんのう」
永遠を現実にしてしまう人