「こらっ!あの方を誰だと思ってる!」
「ケチ臭くなくて、太っ腹で、かっこよくて、何より兄上より頼もしそうな近所の兄ちゃん!!」
「……お前には一度礼儀作法というものを叩き込んでやらねばな……」
「―――いいじゃないか。俺はそれくらい砕けてくれた方が好きだぞ」
「ろ、魯粛殿!?」
「わーい、兄ちゃんだ兄ちゃんだー。今日はどんな物くれるの?」
「名前!」
「そうだな、今日は饅頭をやろう。町一番と謳われる店で買ったんだ。味は保証する」
「うふぁい!」
「そうかそうか。そんなに気に入ったならもっと食え」
「いいの!?」
「子供は腹いっぱい食って好きなだけ動かねば大きくなれないからな。次来る時は桃も持ってきてやる」
「兄ちゃん大好きー!ねえねえ。兄ちゃんってなんでそんなに物知りなんだ?もしかして神様ってやつか?」
「神ときたか。そんな大層な存在じゃないさ。我が弟子でありお前の哥哥でもある呂蒙と同じく、勉学に励んだんだ」
「いっぱい勉強したってこと?ううむ、大変だったんだなぁ……」
「よさぬか名前!失礼な物言いだろう」
「まあまあ。元気があっていいじゃないか。どうだ、お前も小妹に倣ってこれくらい砕けてみないか?」
「ご冗談を。あまりこいつを調子づかせないでいただきたい。ただでさえ家にこもっててほしい歳というのに、まるで男児のように外を走り回っては傷をこさえてくることに手を焼いているんです。まったく、いつになったら慎みを覚えてくれるのか……」
「まるで自分は生まれた時から今のようだった、とでも言いたげだな、呂蒙」
「そっ、そんなことは……!」
「冗談だ。しかし彼女はこれでいいだろう。生来の美点を潰すなど惜しい」
「ですがこれでは嫁の貰い手がありませんぞ」
「その心配は要らない。時が来れば俺が貰うつもりだ」
「叶うなら何処ぞの良家に―――、はい?今、なんと?」
「はっはっは」
グルーミング