SKIT
犬にだってプライドはある
カロル「ラピードって何者?犬なのに武器使うし。牙とか爪があるのに……」
ラピード「ウー、ワン!」
ユーリ「爪とか牙使うのは犬の戦い方だしな」
ハルカ「はえ?だって、ラピードは犬だよね?」
ラピード「ワンワン!」
アイナ「ラピードはね、ラピードって生き物なんだよ」
カロル「……何それ?」
ラピード「ガウッガウッ、ワォーン!」
ユーリ「何であれ、こいつは自分の事犬だと思ってない」
アイナ「だから武器を使って攻撃するし、道具も使うんだよ」
ユーリ「でも、だからと言って自分の事を人間だとも思ってない」
エステル「……よくわからないけど、気位のようなものを感じます」
ラピード「ワオーン!」
ユーリ「だろ?敬えよ」
カロル「……ね、ユーリ、アイナ。もしかして、ラピードの言葉、訳してる?」
ユーリ「気のせいだろ」
アイナ「気のせいだと思うよ」
旅は道連れ?
カロル「おしゃべりできる仲間がいると旅も断然楽しくなるよね。もう、ひとりの時は、心細く……じゃなくて、退屈でさぁ」
ハルカ「まぁ、ひとりは心細いよね」
カロル「……ボク、退屈って言ったんだけど」
ハルカ「あれ?そうだっけ?」
ユーリ「あ、カロル、後ろに魔物が」
カロル「え!?」
ユーリ「悪い、見間違いだった」
カロル「ちょ、ちょっと脅かさないでよ」
エステル「急に、賑やかになりましたね」
ハルカ「てゆーか、ユーリってばカロルで遊んでるよね」
ラピード「ワン、ワン!」
カロルの折れた剣
エステル「カロルの剣、折れたままですけど、大丈夫です?」
カロル「うん、なんか軽くって、逆に使いやすくなった感じ?」
ハルカ「じゃぁ、もう剣に振り回されずに済むんだね」
ユーリ「そりゃ、よかったじゃねぇか。さすがどっかのギルドのエースだな。ちょうどいい長さに折らせるなんて」
エステル「……ユーリもしかして、わざと折ったんです?」
ユーリ「オレ、そんな器用じゃねぇよ」
アイナ「ふふっ」
ユーリ「……笑うなよ」
アイナ「ふふ、ごめん」
地図について
カロル「エステル、何見てるの?」
エステル「この辺の地図ですよ」
カロル「どれどれ……って、なんだよこれ、白紙ばっかりじゃん。これじゃ、地図なんて呼べないよ」
ハルカ「え、やっぱそうなの?」
カロル「地図といえば測量ギルド!それも『天地の窖(あなぐら)』のは本当にすごいんだから!一流ギルドの人間なら、み〜んな持ってるんだよ」
ユーリ「その理屈で言うとカロルも持ってんだろ?見せてくれよ」
カロル「え〜っと、ボ、ボクくらいになるともう地図も必要ないんだよね」
アイナ「暗記してるんだ?すごね、カロル」
カロル「ま、まぁね」
エステル「それは残念です。ぜひ見たかったのに……」
カロルって何者?
ユーリ「カロルってやつ、なんとなく挙動不審だな」
ハルカ「ちょっと落ち着きがない感じはあるよね」
エステル「けど、悪い子じゃなさそうですよ」
ユーリ「確かに、悪巧みするようには見えねぇけど……なんか、妙な事考えてるような気がするんだよな……」
アイナ「自分と似てるから余計にそう思うんだね、ユーリ」
ユーリ「オレとあいつが似てる?」
アイナ「似てるよ?本当の気持ちを持ってるのに、意地張って表に出さない感じ。だから私、カロルは嫌いになれないな」
ユーリ「ふーん……」
エステル「ユーリ?不満ですか?」
ハルカ「いやいや、違うよエステル。ユーリに似てるからカロルを嫌いになれないって、つまりアイナはユーリが好きでしょうがないって事だからね?」
アイナ「そ、そうだけど……改めて解説されると照れる」
エステル「なるほど、それじゃぁユーリは照れてるんですね!」
ハルカ「そうさ!照れ隠しに不満そうにしてるだけなのさ!」
ユーリ「……お前ら、ほんと黙ってくれ」
仲良し?いいえライバルです
ハルカ「ユーリさんよ」
ユーリ「なんだよ」
ハルカ「可愛い恋人の親友とかなんだよ禿げるといいよユーリそうだ今その髪根こそぎ引っこ抜いてあげるよ。そんでアイナにフられるといいよ」
ユーリ「はっ、オレと別れたらアイナぜってー泣くぜ?」
ハルカ「ごめん、アイナが泣くとかそれ本気で嫌だな。アイナの隣に居る彼氏が二十代で禿げ上がるのも嫌かな。でもユーリの禿げは見てみたいかな!」
ユーリ「ほーう」
ハルカ「ちょ、なんでまた頭掴むの!?放してよマジ痛い!もう禿げろとかフられちゃえとか言わないから!首から上だけ体とお別れしちゃうから!ユーリ女顔で髪の毛サラッサラでキューティクルがキレイで憎たらしいけどイケメンだよ!たぶんカッコイイよ!胸元の開きぐ具合が無駄にセクシーだよ!だから放して!」
ユーリ「今のどこにオレがお前を解放してやるに必要な要素があった?」
ハルカ「え、なかった?マジで?あたし今、すっごい全力で褒め……痛い痛い痛い痛い痛い!頭もげる!」
エステル「仲いいですね」
ハルカ「どこが!?」
ハルルの樹
ハルカ「きっと満開の季節になったハルルの花って、すごいんだろうね〜」
ユーリ「花弁の洪水で流されそうだな」
エステル「花弁が空に、ひらひらと舞って、そこはもう、夢の世界のような……」
ユーリ「家とか落ちた花弁で埋もれて、ここの連中どうしてんだろうな。掃除も大変そうだし」
アイナ「こらこら、夢を壊すような事ばっか言わないの」
エステル「……ユーリと話してても、なんだか楽しくありません」
犬だって機嫌は損ねる
カロル「ね、なんかラピードが機嫌悪そうに見えるんだけど、それってボクだけ?」
ユーリ「実際、機嫌悪いからな」
カロル「なんで?」
ユーリ「アイナがハルルに残ったろ?だからだよ」
エステル「どうしてアイナがハルルに残るとラピードが不機嫌になるんです?」
ユーリ「ラピードはラピードなりに、アイナを心配してんだよ。あいつ、すぐ無茶すっから」
ハルカ「そういえば、ラピードってアイナの傍あんま離れようとしないもんね。あれって心配だからなんだ」
ユーリ「そ。けどアイナのやつ、こいつにオレ達と一緒に行けって言ったろ?ラピードとしては、アイナと残ってオレ達の帰りを待ちたかったし、それが当然だと思ってた訳だ」
エステル「それって、つまり……ラピードは拗ねてるって事です?」
ユーリ「ま、そうなるな」
カロル「なんかさ、お母さんに叱られて拗ねてる子どもみたいだよね」
ラピード「ガウガウッ!!」
カロル「ぎゃぁぁぁ!な、ななななんでボクだけ追いかけられるの!?助けてユーリ!」
ユーリ「はっはっは、楽しそうだなカロル」
エステル「きっと、ラピードはカロルに本当の事を言われて怒ったんですね……」
ハルカ「……てゆーか助けてあげようよ」
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