これは私が暗殺教室を卒業して十三年後の話――
そして、盗まれた超生物のデータを奪い返す為に、黒の組織を追って壊滅に成功して三年後の話…
全てを終わらせた私達は二度目のエンドを卒業した。
それを期に私は降谷さんの協力者を辞めた。
もちろん、裏稼業もやっと辞めることが出来た。
願っていた何気ない平凡な生活を送りながら、作曲家として仕事をしていたんだ……
そう、二年前までは。
この世にはまた世にも不思議な力を手にしている人達がいる。
まあ、超生物なんて代物を生み出したり、大人が子供になることも出来る薬を生み出す人間がいるのだから、今更驚くことでもないのかもしれない。
話は逸れたけど、それは生み出されたものではなく元々持って生まれたもの……異能力と呼ばれるものだ。
それらは人智を超えた力を持っており、一般人からすると恐れでもあり、憧れでもある力だろう。
そんな力を何故か私は持っていたらしい…。
なんでそんな言い方をするかと言うとある日突然、そんな力が覚醒したという迷惑極まりない話なのだ。
そう、本当に迷惑極まりない話…おかげで平凡生活からまた遠のいてしまったのだ。
…まあ、地味な力でありながら便利な能力だからこそ複雑な気持ちである。正直なところ。
力が覚醒して二年…慣れたくないが人間という生き物は順応力が高いのだと思う。
私は異能力がある生活に適応していた。
今日の目覚めは最悪だった。
嫌な夢を見たから。
またあの悲しき怪物を産み出される夢だ。
そして、また私はその生物と対峙しないといけない夢。
いつもは持ち歩かない超生物を殺す為の銃とBB弾、ナイフを鞄に入れて私は出掛けた。
まるで、頭の中で鳴る警告に無意識に耳を貸したように…