#3




「…あーかばねくんっ!」
「………………」


 ルナはある人物…赤羽業の背後から近寄り、声を掛けるとげんなりした目を彼に向けられる。


「今日はね、カヌレを作ってみました〜!」
「分かってると思うけど、要らないよ?」


 元気よく今日渡すお菓子をカルマに見せながら笑顔で渡すと少し冷たい目を向けながら当たり前のように受け取りを拒否される。


「美味しいのになぁ」
「そういう問題じゃないからね」


 ルナは残念そうに目を閉じて少し息を吐くとカルマは簡単に全てを切り捨てるように言葉を吐くと止めていた足を動かし、廊下を歩き始める。


「…明日も持ってくるからね?」
「受け取るつもりないよ?」


 カルマの歩みを見たルナはまた諦め悪く持ってくると声を掛けると当然のように拒否の言葉を紡がれたのだ。


「……ただいま〜」
「あんた、まーた追っかけてたの?」
「ホント、良くやるねー」


 カルマの背中を見送った後、自分の教室に戻ったルナはグループの輪の中にしょんぼりしながら入っていく。

 呆れた顔をしながらグループのメンバーはルナに声かける。


「あいつ、この間も不良をボコボコにしたらしいよ」
「えー、まじ?ちょー、怖っ」
「何にしてもあいつと関わんない方がいいって」


 麗華が爪を弄りながらカルマの噂話をするがとてもじゃないけど、いい話ではない。

 麗華の言葉を信じた周りの友人は大袈裟に反応してルナにカルマと関わることをやめるように促してくる。


「……でも、優しくて良い人だよ」
「そ〜んな訳ないじゃーん」
「錯覚だよ、錯覚ー」


 ルナは眉下げて愛想笑いしていたが、カルマの良からぬ話を聞いて反故しようとみんなと真逆の言葉を紡ぐが相手にされずに軽く拒否をされて流されてしまった。


(…信じてもらえないのかぁ)
(でも、みんなが知らなくても私は知ってる…本当は優しいってこと…だから、好きになったんだもん)


 信じてもらえない事に眉下げて微笑んでは瞳の奥には哀しみを隠している。

 本当の自分の心を打ち明けられない彼女はただただ悲しみを隠して微笑んだ。




誰も知らない

―彼を知ってるよ―



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