「あ、あの······離して頂けませんか···?」
(うう···近道して帰ろうとしたら何でこうなったんだろう····)
「ぬぅわぁ〜に言ってんの?いーことしよーぜ?」
学校からの帰宅路でたまたま近道して帰ろうと小道を通ったルナは不良に囲まれてしまった。
恐怖で足を震わせながらも勇気を出して言葉を発するがそんな言葉を聞き入れてくれるはずもなかった。
(私のバカ···どうしたらいいのよぉ〜···)
「椚が丘中学校のエリート生徒だろ〜?どーせ、遊びなんか知らねーだろ?俺達が教えてやるからよぉ〜」
(お願いだから…近寄らないで〜〜……)
自分の行動に後悔しながら涙目になり、足をカタカタ震わせているルナに調子に乗った不良はルナに顔を近寄らせて誘い文句を告げるがそれが更にルナの恐怖を煽らせて目を瞑る。
「····ねぇ、邪魔なんだけど」
「ああ?何だ?テメー···」
(あの人……赤羽、業くん…?)
そんなルナの耳に届いたのは高くも低くもないあどけない少年の声だった。
その声に反応するように苛立ちを見せる不良は声のする方を睨むとずっと恐怖で目を瞑っていたルナは声に導かれるようにそっと目を開けて目の前にいる赤髪の少年…赤羽業を見た。
「………彼女、嫌がってるじゃん」
「うるせぇなぁ…これからイイコトしてやるからそんな事ねぇよなぁ?」
「ひっ……!!」
カルマはちらっとルナを見て不良に話しかけると更に苛立つ不良はルナに返事を催促するがルナは余裕がなくて小さく悲鳴しかあげられなかった。
「そんなんじゃモテないよ〜…あ、そっかぁ…モテないならこんなことしてるんだよね〜」
「テメェ…さっきから調子こいてんじゃねーよ!!」
カルマは相手を挑発するように言葉をスラスラ言っていくと不良はその挑発に乗せられてカルマに数人で殴りかかっていくが、余裕の笑みを浮かべて少年は不良たちの攻撃を交わしていく。
「あはっ、先にやってきたのはそっちだからね」
(凄い……強いんだ)
攻撃をわざと相手からさせるように挑発してそれに乗ってきた不良を片っ端からぶん殴って攻撃を返していく少年をルナはただ呆然と見ることしか出来なかった。
「っち!シラケた…テメェら行くぞっ!!」
「女の前でかっこ悪いとこ見せられて逃げちゃったか〜…」
「あ、の……」
1対4にも関わらずカルマは不良共を蹴散らしてしまったのだ。
不良のリーダーがズラかる合図をすると不良達はカルマとルナの目の前から消えていくとカルマは不良たちを馬鹿にしたように最後の最後まで挑発するような言葉を発していた。
不良から解放されたルナはカルマに言葉を紡ごうとするが緊張からかなかなか上手に言葉が話せない。
「………大丈夫?」
「えっ、……あ、う、うん…あの、ありがとう…」
カルマはぶっきらぼうにルナに話し掛けるとルナは驚いたように顔を上げてカルマを見ると首を縦に振り、お礼の言葉を述べる。
「あっ……赤羽くん、ここ傷ついてるよ…」
「え……?ああ、掠ったみたいだね」
しっかりとカルマを見ると頬に傷がついていることに気が付いたルナはカルマの頬にそっと触れると驚いたようにカルマは目を見開く。
そして、先程の不良とのやり取りで負ったものだと自覚する。
「その…私のせいでごめんなさい……」
「掠り傷だし、すぐ治るから気にしないでいいよ」
「……赤羽くんって優しいんだね、本当にありがとう」
申し訳なさそうに謝罪するルナに対して頭をポンポンとして気にするなと優しく声をかけるカルマにルナは安心したように微笑みを見せる。
「っ、………別にそんなことないけど、ここあんまり通らない方がいいよ」
「うん、ありがとう」
「……人の話、聞いてるの?」
安堵したルナの顔を見たカルマは少し頬を赤く染めては素っ気ない態度で忠告をするがルナはその忠告も嬉しそうに聞いており、またお礼の言葉を笑顔でするとカルマは困った顔してちらっとルナの顔を見ていた。
(…赤羽くんって噂より怖い人じゃない…むしろ優しくて……素敵な人だな)
学校の噂では聞いていたカルマの話だが、実際に話してみると優しい人だとルナは感じてそれを知ってるのは自分だけなのかと思ったら優越感を感じざるおえなかったのだった。
――これが2人の初めての接点であり、ルナのカルマへの恋心の1歩だった。
2人だけの
―ヒミツにしちゃお?―