(…全然相手にしてもらえてないのは、分かってるけど……諦められないの…だから……)
相変わらず素っ気ない態度で全然相手にされてないのだろう。
ルナは自席に座りながら眉を下げて少し悲しそうに微笑みながらまた作ってきたお菓子を見つめていた。
(…言葉にされるまで、諦めないから…!!)
ルナはぐっと覚悟を決めては赤髪の彼をキョロキョロ探すが、同じクラスなのに教室にいない。
それを確認するとルナは自席を立って彼を探しに教室を出ていった。
「赤羽くん!」
「……」
誰もいない教室で校庭を眺めている後ろ姿を見つけるとルナはカルマに声を掛けるが声を聞いた時点で誰が来たのか分かっていたからなのかカルマは呼ばれても返事もせずただ校庭を眺め続けた。
「赤羽くんは何のお菓子が好き〜?」
「……」
無視されていることに気付いていながらも彼女は笑顔でカルマに話しかけ続けるが、カルマは一向に会話をしようとしないでいた。
「マカロン?ショコラ?カヌレ?…あっ!タルトとか!?」
「…………」
言葉を返してくれない相手にめげずにルナはお菓子の名前を次々と出して彼の反応を確かめながら話しかけるとカルマは眉をひそめてルナを横目で見る。
「それともマシュマロ?んー…それはイメージないな…あ、ガトーショコラとかかな??」
「…俺が黙っててもよくそんだけ話せるね」
カルマのそんな様子に気付いてるのか気付いていないのかルナは続けてお菓子の名前を上げてはほぼ独り言のように首傾げていたら、カルマはため息をついて彼女の方を見て話し掛けた。
「ふふっ、やっと話してくれた!」
「っ、…こんだけうるさく話し掛けられれば口も開くよ」
彼女は今まで黙っていたカルマが話しかけてくれたことが嬉しかったようで満面の笑みを浮かべてカルマに笑いかける。
その笑顔にカルマは言葉を詰まらせてはすぐ目を逸らし、憎まれ口を叩く。
「えへへ…赤羽くんって冷たいフリして優しいから答えてくれると思って」
「それは勘違いじゃない?俺、冷たいから」
ルナは眉下げて少し照れながら自信満々に言葉を掛けるとカルマは彼女の言葉を否定する。
「ううん、そんなことないよ。赤羽くんは優しいもん」
「そう思い込んでるだけだって」
彼女は少し悲しそうな顔をしてカルマに否定された言葉を更に否定して優しく大事そうに言葉を紡ぐが、彼はルナの言葉を信じようとしていないのか否定を続けた。
「…ねぇ、赤羽くん。好きなお菓子何?作ってくるから…食べて欲しいな」
「……当ててみなよ」
ルナは彼の横顔を見ながら本日掛けた最初の問いかけをしてみるとカルマは少し間を開けてその問い掛けに対しての言葉を返したが、それは"答え"とは言えないものだった。
「!!…それって、当てたら食べてくれるの?」
「さあ、どうだろうね?」
"答え"とは思えない彼の言葉でも彼女の中ではきっと通じるものがあったのだろうか。
それとも勝手な解釈なのか分からないが彼女は今までと違う彼の返答に目を見開いて驚いては期待の眼を向けて問いかけると彼は不敵に微笑んで問い掛け返しをしてきたのだった。
「…私、絶対当てるから食べてね!」
「勝手にしたら」
「ふふっ、信じてるからね!」
そのカルマの言葉は彼女にとって挑戦状と同じことで目をキラキラさせて意気込むルナをふっと笑って言葉を返す。
ルナはカルマの言動の柔らかさにまた笑顔を向けて言葉を紡いだ。
ねぇ、食べてよね
―信じてるよ―