#6




「―でさ、あれがマジ笑えて」
「分かる―、あれやばかったよねー!」
(…やっぱり、浮いちゃうな)


 ルナはまた麗華たちのグループに入って話をしているけれど話に乗れていない自分に少し落ち込みながら笑顔を絶やさずに彼女たちの話を聞いていた。


「藤原、お前に客」
「あ、うん!ありがとう!」

 
 クラスの男子に呼ばれてそちらの方へ振り返って見ると男子生徒は気だるそうに廊下を親指で指しながらルナに要件を言うとルナは男子生徒に返事をして廊下の方へと駆け寄った。

 
「ルナの作ったこのシュシュ可愛いと思ってたけど、ぶっちゃけ邪魔だよね」
「あー、私もそれ思ってた」
「ダサいよねー」

 
 ルナが麗華たちの元から去ったのを確認すると麗華は手首に付けてるシュシュを見ていきなりルナをディスるような言葉を吐くと隣にいた女子生徒は麗華の言葉に同意してルナを蔑むようにケラケラ笑った。

 つられてそのグループの女子はルナの悪口を言い出す。
 

「どうする?ハブる?」
「でも、宿題とか見せてくれるのマジ楽だよねー」
「お前、サイテーだな!きゃははっ!」
「………。」
 

 女子生徒の一人が麗華にルナの対応をどうするか問いかけると別の女子生徒が最低なことを言い始める。

 ようは使いパシリの様に彼女を利用すると言っているようなものだった。

 また更に別の女子生徒がパシリ宣言している女子に突っ込みを入れるが、ルナの肩を持つ気は更々ないようで馬鹿にしたような笑いをしていた。

 そんな彼女たちの後姿をカルマは自席からいちご煮オレを飲みながら怪訝そうな顔をして見ていた。

 
「おまたせー!今日もね、お菓子作ったんだよ〜」
「ルナ、本ト好きだよね〜」
「わあ、ありがとー」


 廊下で用事が済んだルナは思い出したかのように自席に戻って4つラッピングされたものを持って麗華たちの元へ戻ってくると笑顔で作ってきたお菓子を渡していく。

 先ほどまで彼女の悪口を言っていた女子生徒達も何事もなかったようにルナを輪の中に入れてお菓子を受け取ってはお礼を言う。


(なんで、あんな輪の中にいるか意味わかんないんだけど)


 全く関係のないカルマはへらへら笑って彼女たちに媚びを売っているようにしか見えないルナの姿に何故かイライラしていた。



◇◇◇
 


「あーかばねくん!」
「………」


 そして、昼休みの時間が来るとルナはガタっと自分の席から立ち上がってカルマの元へと駆け寄るが、カルマは机に肘を付いてルナのことをまるで無視するように黙っていた。


「あれれ?スルーはダメだよ〜」
「…はあ」


 何も反応を見せないカルマに困った顔をしながらカルマの顔を覗き込むとカルマは少し目を見開いては深いため息を付いて席を立って廊下へと歩いていく。


「え、ちょ、ちょっと待ってー!!」
 

 スタスタと歩いていくカルマにルナは慌てて声を掛けては彼の後をまるでひな鳥のように付いていく。

 そんな二人の姿を睨み付ける様に麗華は見ていた。

 
「待ってってば、赤羽くん〜」
「何で待たなきゃいけないわけー」


 困ったようにお菓子を大事そうに抱えながらカルマを追いかけるルナはまたカルマに声を掛けると珍しくカルマはその彼女の言葉に返事をした。
 

「だって、お菓子渡したいんだもん…」
「受け取らないって言ってるじゃん」


 ルナは眉を下げて拗ねた顔をしてはカルマに言葉を返すとしれっとカルマは更に言葉を返す。


「…じゃ、赤羽くんのこと教えてよ」
「はあ?」

 
 ルナは受け取ってくれないカルマにむっとして唐突に口にした言葉はカルマにとって予想外なものだったようで首を傾げてルナを見た。


「私、赤羽くんのこともっともっと知りたい」
「…俺は別に知って欲しいとは思わない」

 
 真剣な目をしてカルマに自分の素直な気持ちを言うルナにカルマは少し戸惑いながらも否定的な言葉を返す。

 まるでここまでしか近寄らせないとばかりに線引きをしているようにも見える。


「…はあ、赤羽くんの心の扉は固くて中々開かないね」
「はあ?何それ…」
 

 じっとカルマを見つめるルナはため息を付いて困ったように笑いながらカルマに話しかけるとカルマはそんなことを言われると思ってなかったのか怪訝そうな顔をしてルナに言葉を返す。
 

「でも、何だかんだ傍にいさせてくれるもんね」
「……違うデショ、勝手にいるだけじゃん」


 怪訝そうな顔をされたルナはふっと笑いながらカルマに言葉を返すとカルマは冷たい視線を彼女に送り、否定的な言葉を送った。
 


ほらね 側にいるから 

―傷だって分け合いたいよー

 

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