#10




 ライブは順調に進み観客も私たちも盛り上がっていった。
 私も恥ずかしい廓言葉も頑張って使い続けて…花魁になりきってもうすぐ終わると思ってた時にATSUSHIが突如企画を始めた。

 ん?待って、私、これ知らないよ!?

「ちょ、ちょいとお待ちくんなませ、ATSUSHI」
「どうした?Rui太夫」
「わっちはこの話知らな……」
「言ったら止められるから言わなかったー」

 私は慌ててATSUSHIに声をかけて止めようとするがATSUSHIは何か問題でも?とばかりに私に微笑んでくるので私は言葉を返そうとしたけど、途中で遮られてしまった。

 ちくしょう、してやられた。
 そして、嫌な予感しかしない!

「まあまあ、落ち着けよ。Rui太夫」
「〜〜分かりんした!して、どのような遊びで?」
「ルールは簡単!観客とRui太夫がジャンケン!」

 私はATSUSHIをキッと睨むとTAKAが私に落ち着けとばかりに声を掛けてくる。
 今ライブ中だからATSUSHIに文句言うにも言えない私は言葉を飲み込んで企画を認めてことを進めようとルールを聞く。
 ATSUSHIはにっと笑って人差し指を観客に見せてルールを説明し始める。

「Rui太夫に負けたりあいこだった場合はその場にしゃがんでね!少人数になったらお客さんだけでジャンケンして勝者1人を決めるぞ!」
「勝者は何かあんのー?」

 ATSUSHIはさらに詳しくルールを説明すると観客からやる気のある声が上がってくる中、TOSHIがはいはーいと手を挙げて質問をATSUSHIにする。

「勝者はなんと…!!ハグと廓言葉をRui太夫から貰える!」
「は、はあ!?」
「「おーーー!!!」」

 ATSUSHIはノリノリで右手を拳にして高々と天へあげて爆弾発言を落とすと私は予想外の言葉に驚きの声を素で上げた。

 何言い出してんの!?ハグとかアホでしょ!!

 観客はテンションを上げて喜ぶ声を上げる。

 え、需要あるの!?

「お、おい…それはRuiのキャパが…」
「それじゃ行きましょー!最初はグー…」

 私の限界を超えることをやろうとするATSUSHIにTAKAは流石に止めようとしたけどATSUSHIは止まらずじゃんけん大会が始まり、私はもうやけくそになり逃げられないじゃんけん大会に参加することになった。

「おー!3人に絞られたね!そこの3人前にー!」

 何度か行われたジャンケンは意外と早く人が絞られ観客を舞台に上がるようにATSUSHIは進行する。

 そして、舞台に上がってきた3人は1人は可愛らしい女の子、もう1人は弱気な感じの男の子、最後に舞台に上がってきたのは私が良く知っていてこのことを1番知られたくなかった人物だった。

「あれれ?俺の学校のイケメンじゃーん!よく来たね!」
「…あれれ?中島じゃーん!驚いたよ!」

 ATSUSHIは徹が来てることに驚いて喜んで声を掛けると徹もATSUSHIに合わせてノッて話を続けるが、私の耳にはそんな話どうでもよすぎて入ってこなかった。

 ……はじめちゃん。裏切ったね?

 徹が1人でこの場所に来る可能性は低い。
 となると、このことを知ってるはじめちゃんが連れてきた可能性が非常に高いと思った私は観客を見渡すとはじめちゃんがいてはじめちゃんをじっと見つめて心の中で愚痴を言う。

「おーい!Rui太夫!何現実逃避してんの?」
「……し、失礼しんした…そいで、どうなりんしたか?」

 私はぼーっとしていたようで目の前でATSUSHIに手を振られるまで周りをシャットアウト来ていたようだ。

 やばいやばい。ライブ中なのに!

 私は慌てて現実に戻ると謝って状況確認すると気まずそうに舞台に立ってる一人の男がいた。

 ………ねぇ、何勝ってんの?

「なんと!俺の学校のイケメンが勝ちました!」
「イケメンずりー!」
「「…………」」

 ATSUSHIはドヤ顔でみんなに盛大に勝者を称えると徹に対してヤジが飛んできていたりするが、私たちの間には気まずい空気が流れる。
 私が泣いて怒ってから仲直り?してないんだよね。

「ささ!Rui太夫!勝者にご褒美を!」

 中島くん…後で本当に覚えておきなさいよね?

 ここでやらないとライブの空気が悪くなると思った私は中島くんを恨みながら仕方なく徹に抱きついた。
 本当に抱きついてくると思ってなかった彼は驚いて体を固くさせていた。

「…!!」
「…主様、またわっちに会いに来ておくんなまし」


私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。私は女優。


 心の中で何度もそう唱えては徹の顔を見ていかにも花魁らしく微笑んで言葉を彼に送った。
 そして、会場は盛り上がり何とか私はこの罰ゲームを乗り越えることが出来ると徹は呆然として元々いた場所へと戻っていく。

 ……本当、好きな人に人前で抱きつくとか有り得ないんですけど。

 心の中で文句を垂れて若干泣きそうになった私に誰も気付いてはくれなくて最後に新曲、私の初作詞の曲を歌ってライブは終わった。

 盛り上がりは上々。大成功だった。


無茶振りリーダーは

―私に罰ゲームをさせるのでした―


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