じゃんけん大会で勝ってからずっと呆然としていて曲は何となく聴いていた。
あれ、本当にくるみなの?
ていうか、ああいうこと俺以外にもやるの?
って思ったらすごく嫌な気持ちになった。
当たり前だよね、好きなな子が他の奴に同じことをやってるって思ったら妬ける。
「おい、及川」
「…何?」
「………お前、大丈夫か?」
いつの間にかライブは終わっていて岩ちゃんが俺に声を掛けてくるけど、俺は舞台を呆然と見ながら言葉を返した。岩ちゃんは俺をじっと見ては心配そうに問い掛けてくる。
ぜんっぜん大丈夫じゃない。
心の中で岩ちゃんに言葉を返すけど、口にすることは出来なくて俺は黙ったままだった。
「……お前くるみ送ってけよ、俺は先に帰る」
「んー…え!ちょ……と、」
そんな俺に岩ちゃんはため息を付いてくるみを送って気と言ってさっさと帰った。
俺は生返事をしたけど、岩ちゃんの言ってる意味をちゃんと理解すると驚いて岩ちゃんが居た場所を見たけど既に岩ちゃんは帰っていて俺はひとりその場に残された。
岩ちゃん、早すぎでしょ!!
俺は岩ちゃんに心の中で愚痴っていた。
なぜなら、くるみに舞台でご褒美を貰った。
貰ったけど、まだあれ以来会話しても拒絶されて謝る機会を失っていて仲直りをしていないから気まずい。
しかも、あのご褒美の後って余計に。
…それでも謝れってことか。
岩ちゃんは口にはしなかったけど、多分そういう意味で俺をひとり残してくれたんだと思う。
ライブ会場を出た俺はくるみが上がってくるのを待っていた。
「………」
ライブ会場の前からどんどん人がいなくなって最後には俺が1人になった頃にくるみがライブハウスから出てくると俺がまさかここで待ってるなんて思ってなかったのかきょとんとした顔でじっと俺を見ていた。
「お疲れ様、一緒に帰ろ?」
「………」
俺は少し緊張しながらもいつも通りに振舞ってくるみに笑顔で声を掛けると彼女はただ黙って俺の前を通り過ぎる。
「え、待って待って!」
「……んで、」
「え…?」
「何で、そんな平然としてられるの?」
俺は慌ててくるみを追いかけながら彼女に声をかけると彼女は小さい声で何かを言っていたけど聞き取れなかった俺は彼女に問い掛けると彼女は俺の顔を見ないでぽそりと呟いた。
「え、あ、や…そんなこと…」
「何で居たの」
「岩ちゃんに誘われて…」
彼女に言われた言葉に俺はどもった。
全然平然じゃないし、どきどきしてるし、緊張もしてる。
でも、言葉にしてないから彼女に伝わらなくて面と向って問い詰められてるわけでもないのに彼女の低い声に問い詰められると本当にバンドをやってることバレたくなかったんだと思いながらすぐ白状をする。
「ていうか、何勝ってんの?」
「それは…ていうか仕方ないでしょ」
そして、突然始まった中島の企画で勝ってしまったことを責められると俺はそれに対しては少しむっとして答える。
ああいうのは運じゃん。俺以外が勝っても良かったわけ?
心の中で悶々としながら思った言葉は口には出来なかった。
「……私、まだ怒ってる」
「………」
「でも、言っちゃいけないこと言った」
彼女はぴたりと足を止めていった言葉はきっと彼女を泣かせた日のことを言っていて俺がくるみの言葉を信じなかったことを怒ってるんだと思う。
俺はそれに何も言うことができなくて黙っていると彼女は悲しそうな声でそういった。
「ごめんね、だいっきらいなんて言って…あと話したくもないって避けて」
くるみはくるっと俺のほうを向いて申し訳なさそうにあの日のこととかを謝ってきた。
「俺の方こそ、くるみの言葉信じなくてごめん……中島から電話あったのってバンド練習だったんだね」
「うん…徹にバレたくなくて言いたくなくて隠してたんだよね…こんなに早くバレちゃうなら隠してたのが阿呆みたいだね」
先に謝られてしまった俺は立場をなくしたけど、謝らなければいけないのは俺だったから謝罪の言葉を口にしてあの時の電話はなんだったのか予測していたものを言葉にすると彼女は苦笑しながら彼女が隠していたことを話してくれた。
「何でバレたくなかったの?」
「私、歌うと曲に合わせて変わっちゃうんだ。それを普段の私を知ってる人に知られるのが恥ずかしかったから…はじめちゃんにはすぐバレたけど徹にバレてなかったから口止めしてもらってたの」
岩ちゃんから俺は理由を聞いていたけど、彼女の口から聞きたくて知ってるくせに理由を彼女に問いかけるとくるみは困ったように笑いながら俺の問い掛けに答えてくれた。
「あの企画ってこれからもやってくの?」
「や、やらない…っ!今回限り!!というか忘れて!!」
俺は一番もやもやして引っかかっていた疑問を彼女に言うとくるみは顔を赤くして首を横に振りながら否定しては頭を抱えて“あれ”を忘れろと俺に言う。
無理言わないで欲しい。
くるみが好きだって分かってからのあの勝利品は忘れたくもない。
「…ヤダ」
「ヤダじゃない!!」
俺は拗ねた顔をして“NO”の返事をすると声を上げてくるみは俺を軽い口調で怒った。
「そういえば…分かったよ」
「な、何が…?」
「好きの反対は嫌いで、愛してるの反対は?ってやつ」
俺は怒る彼女を見て笑っては話を変えてくるみを見つめると彼女は戸惑いながら俺に問い掛けてくるので彼女の出した問題の件だというと彼女は目を見開いて驚いていた。
すべての
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