今日はライブの翌日。
日曜日……なのにも関わらず私は学校に来て自分のクラスにいて、自分の席に座っている。
それは何故かと言うと…
「今日と明日は休みなんじゃなかったんですか、リーダー」
「いやー、めっちゃいい曲作れたから聞かせたくて」
「学校じゃなくてもいいんじゃないの?というか明日でいいでしょ!!」
わざわざ制服を着てまで学校に来させられたことが不服で仕方なかった私は刺々しい言葉を中島くんに吐く。
中島くんは悪気もなく満面の笑みを浮かべて理由を述べるけど、あんた休みなさいよ、少しはと心の中で呆れた。
そして、明日嫌でも学校に来て会えるんだからなぜ待てないとばかりに声を上げるとへらへら笑いながら謝って私にイヤホンと楽譜を渡してくる。
……反省の色なし。
私は深いため息をついてはイヤホンを耳に入れて楽譜に目を通すと中島くんももう片方のイヤホンを自分の耳に入れて再生ボタンを押す。
今回、中島くんが作った曲はバラード曲のようでしっとりしてるけど明るさも感じるような曲だった。
「天才ムカつくー…」
「そんな褒めんなって」
やっぱり思っていた通りいい曲に私は嫌味のつもりで呟いたけど中島くんには通用しなくて普通に照れていた。
「ど、ど?いいべ!」
「いいと思うよ…まさか、これの作詞って……」
曲が終わるとにっと笑いながら私に曲の感想を聞いてくる。
ムカつくけどいい曲なのは認めざるを得ない。
私は素直にいい曲だと認める…けど、わざわざ学校に呼び出して曲を聴かせて来た意味をはっと理解した。
まさか私にまたやれと?
「そう!任せた!」
「またー!?」
「まあ、ライブしばらくないから時間はあるから頑張れ!」
私が中島くんの意図に気付いたことに嬉しそうに笑いながら作詞を任せてきたので私は嫌そうな顔をしながら声を上げると問題ないだろうとばかりに私の頭をくしゃくしゃと撫でて応援する。
本当にセンスないのに何故!?
心の中で突っ込んではやらなきゃいけない状況に呆然としていると廊下の方からカタンというもの音が聞こえて教室のドアの方を見るとそこには険しい顔をした徹がいた。
「………じゃ、俺は用終わったから帰るなー。また明日〜、作詞頑張れよー」
「え、あ、う、うん??」
徹の姿を見ると中島くんはさっさと帰り支度をして私の肩をぽんっと叩くと教室から出て行ってしまった。
私は徹から逃げるように帰っていくような姿に不思議に思って戸惑いながら返事をして中島くんの背中を見送った。
「…くるみ、何やってんの?」
「曲出来たから来いって言われて来たの。徹こそ…部活は?」
中島くんが去ると徹は険しい顔をしたまま私に問い掛けてきていつもと違う徹に違和感を感じながら私も彼の問い掛けに答えると今度は私が問いかける。
「今休憩中。教室に忘れ物してたから取りに来たら話し声が聞こえて覗いて見たら2人がいた」
「そうだったんだ…」
「中島ってくるみに気がありそうだよね」
徹は私の問いかけに簡潔に答えてくれて私はそれに納得していると急に私にとんでもない発言をした。
……んん?なんでそうなるの??
「はい?それは絶対ない…」
「じゃなきゃ、わざわざ日曜日に学校に来てまで曲渡す?」
「まあ、中島くん常識ないからねー…それは有り得ないから」
私は急に言われた言葉に理解ができなくて徹を見ながら彼の言葉を否定するけど食い気味で徹は私に近寄りながら言葉を更に紡ぐと私は中島くんに対して失礼な言葉を言っては徹の言葉に否定を続けた。
「有り得ないって言葉がありえないんじゃない?くるみって鈍感でしょ」
「っ、どうしたの?徹…そんなに突っかかることでもないでしょ?」
私の言葉にムッとした顔をして私の机に手をついて私の顔をのぞき込むように言葉を紡ぐ。私は先程からずっと彼の目を見て話していたけど急に顔が近くなって驚きながらも言葉を返した。
というか、鈍感なんてあんたに1番言われたくない。
「……….」
「何勘違いしてるか知らないけど、中島くん彼女いるよ?」
「え」
徹は黙って私を見続けていて意味が分からなくて中島くんが私を好きという徹の言葉が有り得ない理由を述べると徹は間抜けな顔して固まった。
「くすくす…本当にどうしたの?何でも聞いてくれる幼馴染が取られそうで嫌だったの?」
徹の間抜けな顔を見た私はくすくすと笑ってしまった。
今日の徹はなんか変だったから。
私は言ってしまった言葉は少しはそう思ってくれたらいいなって思いながら冗談ぽく問い掛けていた。
「そうだけど、そうじゃない…」
「何それ…っ!」
徹の言葉は肯定と否定の言葉。意味がわからないと言葉にすると徹はバレーをしている時みたいに真剣な顔になって私は驚いて言葉を飲み込んだ。
「…くるみは俺のそばに当たり前のようにいると思ってた。俺の話とかくだらない話でも聞いてくれてた。俺はくるみは俺のこと分かってて俺もくるみのことがわかってるって思ってた」
「な、なに、急に…」
「でも、俺の知らないくるみが居て…しかも、なんか俺の知らないところで告られてるし、あんな色気のある声で歌ってるのとかも知らなかった」
徹が急に語り出すから私は動揺していたけど徹は自分の思いを語ることをやめないで語り続けるから聞いてるしかなかった。
しかも、顔が近いから逃げようと思ったけど逃げれる状況じゃなかった。
「…徹のことなら多分私よりはじめちゃんの方が分かって…」
「中島と仲いいのとかすげームカつくし、夜遅く出てった日からずっとくるみのことしか考えてなくて……」
私は徹の言葉に困りながらも言葉を返してると遮られて拗ねた顔をしてブツブツと言い始めた。
……それって、ヤキモチ?
「それでくるみを泣かせちゃって話せなくなって…分かったんだよね」
「………何、が?」
さっきから私を期待させるような言葉ばかり紡ぎ出す徹に私はじっと見つめて問いかけて彼からの次の言葉を待った。
「俺、くるみが好き…多分ずっと前から」
「……………」
彼は少し照れくさそうにしながら私が望んでも望んじゃいけなかった言葉を紡いた。
けれど、私は信じられなくて目を見開いて驚いては黙ったまま彼を見つめ続けた。
「な、何か言ってくれないの?」
「……普通に彼女出来た話とか別れた話とか聞かせてた相手を好きだと言われても…ちょっと信じられなくて」
「うぐっ……」
彼は黙ったままの私に戸惑いながら問い掛けてくるけど素直になれない私は喜んでいる私を全面に出せずに信じられないと言葉を紡ぐと徹は言葉に詰まっていた。
「…俺ってくるみを見かけるとずっと見てるんだって」
「………」
「中島と仲良くしてるの見たり、告られてる話とか聞いたらすんごくイライラしたし、ムカついたりした……これって好きじゃないとならないでしょ」
少し間を置いてから徹はまた爆弾発言をする。
徹に普段見かけられると視線を送ってきてるなんて知らなかった私は心の中で驚きて彼の言葉の続きを聞く。
ああ、もう。ヤキモチ妬いてくれてたんだ。
彼が私に信じてもらいたいと必死言葉にすればするほど、私の頬が熱くなっていくのを感じた。
きっと顔が赤くなってると思う。
「…ねえ、知ってた?」
「な、何を?」
私は彼の顔を見て口を開けば知ってた?なんていう問いかけの言葉で徹は戸惑いながら首を傾げる。
…言わなきゃ。
もう、隠さなくていいんだから…
「っ、……私も、好き」
「…………………」
私は隠さなくていい気持ちに思わず頬が緩んで微笑みながら私の想いも伝えると徹は目を見開いて固まった。
「あ、の…徹?」
「……今の威力凄すぎ」
「は?」
微動だにしない徹に彼の目の前で手を振ると彼はしゃがんだと思ったら私の机にうつ伏せになってぽそりと呟いたけど私の耳には届かなくて聞き返してしまった。
「…くるみって本当に可愛いよね」
「!?…ちょっと、やめて…」
徹はしゃがんで机に両腕を乗せたまま顔を上げて私にとって言われ慣れてない言葉を紡ぎ出すから私は恥ずかしくて顔を背ける。
「…俺らって両想いだよね」
「う、うん…」
「彼女になってくれる?」
徹は私の腕を掴んで引っ張るから私は背けた顔をまた徹に向けることになり、また顔が先程よりも近くなる。
徹は私に再確認するように言葉を口にすると私は顔を赤くしたまま首を縦に振って肯定すると彼は微笑みながら問いかけてくる。
そんなの、答え決まってるじゃん。
「うん……っ!?…ん……っ、」
私は笑顔で彼の問い掛けに答えると彼は更に顔の距離を縮めてくると私の唇を塞いだ。
何が起きたか分からずに私は目を見開いて驚くけど徹は中々唇を離してくれなくて私はなされるがままだった。
「……っ、ぷはっ!!急に、な、に、……」
「ごめんごめん、可愛くて我慢出来なかった」
やっと離してくれると私は思い切り口を開いて酸素を取り込むと顔を真っ赤にさせて徹に文句を言うと嬉しそうに笑いながら謝る彼はどうしても怒るに怒れなかった。
…イケメンはずるい。
「バカ……というか、休憩時間おわってるんじゃないの?」
「あ…気付いちゃった?」
私は悪態ついてふと教室についてる時計を見ると徹が来てからもう10分以上過ぎていることに気付いて話を変えて徹に問いかけるとバレた?みたいな顔をした。
「もう!主将が何サボってるの!?信じらんない!!」
「えー!俺は甘い時間がこんなにサクっと終わるのが信じらんない!!」
「何バカな事言ってるの!早く部活に行きなよ!もう!!」
部活をサボるようなことをしてることに私は驚いて席を立つと徹の手を掴んで立ち上がらせて背中を押しながら教室から追い出すと徹は残念そうな顔をしながら私に文句を言ってくる。
私は何言ってるんだとばかりに言葉を返すと徹は嬉しそうに笑った。
「ははっ、…部活終わったら家行くね」
徹は振り返って私を見ると頭をぽんぽんと撫でて部活へと向かっていた。
「〜〜〜っ!!!」
彼の思いやりが嬉しいのと夢みたいで夢じゃない現実に私は彼の背中を見送りながら撫でられた自身の頭に触れていた。
鈍感だったのは
―私も彼も同じだったようで―