#15




 俺は部活の休憩中に約束した通り晴れて恋人になったくるみの部屋に来ている…んだけど、俺は放置されていて彼女のベットに座りながら彼女の背中をちらっと見る。

「ねぇ、くるみ」
「何ー?」

 俺は机に向かって作業しているくるみに声を掛けると彼女は作業を続けたままなのか背を俺の方に向けながら返事をする。

「…何やってるの?」
「作詞ー…」
「今じゃないとダメなの?それ…」

 何をやってるかは分かっていたけど構って欲しさにわざと問いかける俺に対してくるみは作業を続けたまま答える。
 そうなんだろうけど…そうじゃなくて……
 俺はベッドにあったクッションを抱きしめながら拗ねた顔をしてくるみにワガママを言う。

「だって、作詞しろって言われてるし、センスないから考えないと……」
「及川さん、くるみに構って欲しいな〜…」

 彼女はため息をつきながら苦手らしい作詞に向き合ってるようだけど俺はくるみと甘い時間を過ごしたくてそんな言葉がポロッと出た。

「………もー、邪魔しないでよ…」

 彼女はそう言ってくるりとやっと俺の方を見るとその表情は呆れた顔をしていた。
 え、待って待って。彼氏にする顔?

「俺たち、付き合ってるんだよね?」
「…そう、だけど……」
「及川さん、構ってくれなくていじけそー…」

 今日学校で告白したこととか全部幻のようにいつも通りのくるみが目の前にいて不安になった俺は彼女に確認すると彼女はぎこちなく肯定の言葉をくれた。

 俺はほっとして少し拗ねてますオーラを出して言葉にすると彼女は椅子から立ち上がって俺の隣に座った。

「…徹くんってそんなに構ってさん?」
「うん。くるみのこと好きだから」
「っ!……もう、ズルいよ」

 くるみは俺の顔をのぞき込んでは困ったように笑いながら問いかけてくると俺は真面目な顔して肯定して理由を述べると彼女は顔を赤くして驚いては俺から目をそらした。
 ほら、そういうところ。可愛すぎでしょ。

「…じゃ、バレーと私どっちが大事?なんて私が聞いたらどうするの?」
 
 くるみは少し考えてから俺に問いかけてくる。
 彼女の質問は俺にとっては意地悪で…今まで別れた彼女たちに散々言われてきた言葉だから少しトラウマだ。

「ど、どっちも大事…くるみとの時間を作る努力するし」
「っ、ふふ……そんなこと多分言わないから身構えなくていいよ」

 俺はどもりながらも必死に理解してもらおうと言葉を紡ぐと彼女は柔らかく笑いながら言葉を返してくる。

「そう、なの…?」
「…バレーしてる時の徹も好きだもん」

 予想外の言葉に俺はきょとんとして首を傾げると少し恥ずかしそうに言葉にしてくれるくるみは愛らしかった。

「あーもー!好き!」
「きゃっ…でも」
「ん?」

 可愛すぎて思わず俺はくるみを抱きしめると彼女は驚いた声を上げて俺の背中に手を回しながら言葉をつむぎ続けようとするから俺は彼女の声に傾ける。

「…私もバンド練あるからその、そっち優先する時増えるから……その時はごめんね」
「……………ライブある日教えてくれたら我慢する」
「わ、分かった…あと、」

 言いづらそうに紡いだ言葉は俺にとってのバレーのように彼女にはバンドがあるから俺よりそっちを優先することもあると先に謝ってきたんだ。
 俺も人のことを言えないからその言葉を素直に受け取るしかなくて…でも、くるみのことを知りたい欲からワガママを彼女に言うと俺の出した条件を飲み込んでくれるとまだ言いたいことがあるようで彼女はそっと背中に回してた手を俺の胸に当てて軽く押すと俺の顔を見て言葉を続けた。

「バンド練基本、月曜休みなんだ。これは偶然だけど…徹もお休みだよね?」
「うん、そうだけど…」
「だから、…その、月曜日は極力一緒に居たい、な」

 彼女のバンド練は月曜日はオフらしくて俺の部活も月曜日がオフかを確認して来るので肯定の言葉を述べると彼女は恥ずかしそうに上目遣いで可愛らしいおねだりをしてきた。

「…やばい」
「え?」
「くるみそれ、わざと?」

 俺は可愛すぎてどうしようもない彼女の行動が俺の理性を崩壊させそうで思わずそんな言葉が口から零れるとくるみは不思議そうに首を傾げるから俺は確認するように彼女に問いかける。

「な、何が?」
「あー…天然か〜…やばい。今の他の奴にやったらダメだからね!」
「???わ、分かった」

 困ったように眉を下げて俺に問いの意味を聞いてくるところを見るとわざとじゃないことを示していた。
 俺はそれがわかると今後、くるみをいいと思う男が増えることを不安に思いながら彼女にそんな忠告をするとくるみは分かってなさそうなのにわかったと首を縦に振った。

「くるみ」
「ん?」
「キスしていい?」

 俺はくるみの頬に手を添えて名前を呼ぶと彼女は俺の顔を見て微笑んで返事をしてくれる。
 俺はそんな彼女が愛しいと思いながら本能的にしたいと思った言葉を彼女に聞いていた。

「っ、…き、聞かないでよ」
「あはは、ごめん」

 俺の言葉に更に顔を赤くさせては逃げたいんだろうけど俺が頬に手を添えてるためか逃げられないくるみは目を逸らして言葉を紡ぐ。

 否定の言葉はない。
 俺はそれを肯定と捉えて笑って謝ると彼女の唇に口付けた。

「…明日はデートしようね」
「うん…!」

 啄むように何度も口付けをしてそっと唇を離して俺はデートに誘うと彼女は幸せそうに微笑んで俺に抱きついきてくれて俺も強く彼女を抱きしめた。

 元々大切だった幼馴染。
 いつもそばにいるのが当たり前だった幼馴染。


幼馴染は

―大切な恋人になりましたー


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