#2




――好きの反対は嫌いですが、愛してるの反対はなんでしょう?
 
 俺の幼馴染。くるみに問題を出された。
 その意味を考えようと思った…思ったんだけど、別のことが気になって考えられないよね!!
 昨日、くるみのスマホの表示に中島敦の名前が表示されてたことを思い出す。
そして、彼女は中島敦の電話に出ると夜遅くに出かけて行った。
 ちょっとちょっと!!どんな仲なわけ!?

「ん〜…んん〜…」
「さっきからうるせぇ」
「だって、岩ちゃん!くるみが!!」

 相当唸ってたようで隣に居た岩ちゃんにうるさいと声を掛けれる。
 でも、俺はそれどころじゃなくて岩ちゃんに泣きつくようにくるみの名前を出す。
 
「くるみがどうしたんだよ」
「俺が振られたのにもかかわらず、夜男の電話に出て先約あるって出て行った」
「……」
 
 岩ちゃんにとっても幼馴染のくるみの話となるとこうも態度が変わる。
 もっと俺にも優しくしてよ、岩ちゃん。
 まあ、興味を持ってくれたからいいかと思いながらも昨日の話をざっくばらんに岩ちゃんにすると岩ちゃんは黙って俺の顔見ていた。
 
「え、そこは反応何かしてよ」
「お前、その言い方だとくるみが見捨てたみたいだろ」

 黙ったままの岩ちゃんに俺は言葉を掛けると真面目な顔をしてくるみをフォローするような言葉を言う。
 待って、見捨てられたよ!?

「岩ちゃん…今は優しさが欲しい」
「まあ、なんか噂はあるからな」
「……噂?」
 
 岩ちゃんに文句をポツリと言ってたら岩ちゃんは歯切れ悪い感じでとても重要そうな言葉を口にした。
 俺はくるみに関する噂なんて聞いたことがなかったから不思議で首を傾げた。

「くるみと中島が付き合ってるって噂」
「へぇ……は!?」

 岩ちゃんはちらっと俺を見ては俺からするととんでもない爆弾発言をした。
 俺は一瞬岩ちゃんが何言ってるのかわからず反応が遅れたけど大声が出た自覚はあった。

「お前、知らなかったのかよ」
「初耳だよ!?何それ!!」
「夜中二人で歩いてるの見たとか聞いたけど」

 俺が相当驚いているのに驚いたのか眉を潜めて岩ちゃんが呆れたように言葉を返してくるけど今の俺は未だに理解できずに岩ちゃんに詰め寄るように聞く。
 岩ちゃんは面倒臭そうに俺から目をそらして噂の内容を教えてくれた。
 …昨日もそうだったのかな……というかというか本当に付き合ってるの!?

「…彼氏出来たなら教えてくれたっていいのにね」
「くるみは自分から言うキャラじゃないだろ」

 俺は何故か分からないけど、もやもやした気持ちで岩ちゃんに向ってポツリと呟いた。
 岩ちゃんは俺のほうを見てくるみのことを言った。
 うん、確かに言うキャラじゃない。
 聞かれない限り自分のことは言わないんだよ、あの子。
 でも…

―約束したんだってば…
 
「あんな誤魔化し方、しなくていいよね…」
「ああ?」
「ううーん、なんでもない」

 俺は何かくるみが隠しているような気がした。
 いつもなら何で?と聞けば的確な答えが返ってきたから。
 そこをくるみらしくない曖昧な言葉を使う辺り、誤魔化してるようにしか感じなかった。
 俺が独り言を呟くと岩ちゃんには聞き取れなかったらしくて聞き返されたけどこの話題には触れたくなかった俺は明るく振舞って話を強制終了させると部活へと足を運ぶ。
 でも、やっぱりくるみのことが気になって問題なんかより彼女のことを考えてた。

「………あいつ、無自覚かよ。にしても…くるみもあのことこのまま黙ってるつもりなのか…?」
 
 俺の後で岩ちゃんがこんなことを呟いては深いため息を付いていたことなんて俺は知らない。


彼女の問題より

―彼女のことの方が気になります―


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