「おいおいおーい、Ruiさーん?」
「うあーい、きんちょーしてまーす」
日暮くるみ。
ただいまド緊張で吐きそうです。
ただ今いる場所は宮城にもある小さなライブハウス。
客席を見ては緊張を高めてる私に後ろから余裕の笑み浮かべて近寄ってくる中島くん。
「おいおい…もう何回やってるんだよ、そろそろ慣れろよ」
「無理無理無理。しかも、リテイクしまくった歌詞をやっと中島くんからOK貰って2日で歌詞覚えるとかもう私のキャパ超えてます」
「自分で書いた歌詞だろ」
中島くんに呆れた声で突っ込まれるけど何度舞台に立つことを経験してもなれる訳ありません。
目立つの苦手だもん!
テンション高めのツッコミもできない私はガチトーンでツッコミを入れると隆さんにツッコミを入れられた。
隆さんはこのバンドの最年長ドラマーね。
先程から私はRuiと呼ばれてるのは所謂芸名みたいなもので。
理由は簡単。
実名でやるとバレるから隠すために偽名を使ってるんです。はい。
メンバーを紹介すると…
バンドリーダー兼ギター…ATSUSHI ,ベース…TOSHI,ドラマー…TAKA……そして、ボーカル私、Ruiの4人バンド。
「まあ、Ruiは舞台上がれば人間変わるから大丈夫だべ!」
「それもそうだな」
「…それにしても今回の衣装も凝ってるなぁ」
トシさんが気楽に私に大丈夫とばかりに背中を叩くと隆さんもそれに同意して頷く。
…そんなに私って舞台に上がると変わります?
中島くんは話を変えるように自分の衣装を見ては感想を述べる。
「そりゃもちろん!私の楽しみだから!きゃー!Ruiちゃん似合うっ!!」
「あ、ありがとう…でも、今回露出多くない??」
中島くんの言葉にドヤ顔で言葉を返す女の子…結衣ちゃんは私を見ると満足層に笑って抱きついてくる。
私は戸惑いながらもお礼を言うと作ってもらっておいてあれなんだけどちょっと困ってること…そう、服の露出度が高いことを問いかける。
何故露出多いの?需要ないよ?
「だって、今回和をテーマにした曲!和って言ったら…花魁でしょ!!」
「すごーいぶっとんで花魁になったね…」
結衣ちゃんは目をキラキラさせて私に説得するが私には着物とか浴衣とかあるでしょと心の中でツッコミを入れた。
どんな格好してるかと言うとトップスは紅の着物をテイストにしていて…肩が思い切り出てる。それが私の戸惑いの原因だ。
下は膝より上の淡い桜色のプリッツスカートで白のブーツを履いている。
「服の文句は言うな。頼むから」
「ご、ごめん…」
中島くんにボソリと呟かれた言葉は本気でやめてほしいらしい。
まあ、機嫌を損ねたくないよね。自分の彼女の。
中島くんに謝ると首を縦に振る。
男メンバーも着流しで着させられてるあたり困ってるだろうなぁと思って私も納得せざるおえなかった。
「さあ!行くぞ!」
「「「おー!」」」
時間になった私たちは中島くん…ATSUSHIの声掛けに返事をして舞台に上がっていく。
結衣ちゃんはそんな私たちの背中を見守っていた。
私は自分の知った顔が客席にいるなんてこの時、思ってもみなかった。
ライブは
―どんなに経験しても緊張するんです―