#13




(結局、サックスさんと練習できずに実技試験当日になっちゃったんだけど)

 眉間に皺を寄せて1人無駄に広いテーブルを占拠しながらもくもくとエビフライ定食を食べてる明莉。
 彼女の纏ってるオーラが怒ってるように見えて誰一人声を掛けずに見てみぬフリをしていた。
 
「…おーい、五十嵐……、え゛」
「ね、ねえ、翔…知り合い?」
(あれから曲聴いたのかも、あの音域でいいのかもわかんないんだけど…って、何でこんなに考えなきゃいけないのかなぁ、私がさぁ)
 
 そんな彼女に気付いた翔はランチを手に明莉に声を掛けるがあまりのオーラに顔を引き付かせていると彼の隣から赤髪の少年が怯えながら翔に問い掛ける。
 二人が明莉の近くにいて声を掛けてるにもかかわらず、彼女の耳には彼らの声が届いてないようでご飯を黙々と食べながら更にイライラを募らせていた。
 
「おい!明莉!」
『…来栖くん?何突っ立ってんの?』

 翔はすぅっと息を吸ってもう一度先ほどより大きい声で明莉の名前を呼ぶと彼女#ははっとした表情をして声のする方を向いた。そこには翔が突っ立っており、首をかしげてそのことについて問う。
 
「お前がおっかねぇ顔しってから声掛けてんのに反応しねぇからだろ!」
『ああ、ちょっとイライラしてて』
「あれでちょっとかよ!!…まあ、いいや。相席させろよー」

 翔は眉間に皺を寄せて彼女の問い掛けに答えると彼の答えに納得したのか自身の眉間の皺を伸ばすように触りながら明莉は言葉を返すと翔からの突込みを受けた。
 翔はため息をつき、彼女の前の席に勝手に座りながら彼女に言葉を掛けると明莉は異論は無かったのか黙って肯定していた。

「ほら、音也も座れって」
「え、お、俺もいいの?」
『駄目なことないでしょ』
「お前の顔がおっかねぇからびびってんだよ」

 二人のやりとりにあっけに取られてた赤髪の少年は未だに突っ立っており、翔がその少年…一十木音也に翔の隣の席をぽんぽんと叩きながら声を掛けると音也葉と惑った声をしながら問い掛ける。
 明莉は彼の問い掛けに答えつつもエビフライをナイフで切ってタルタルソースを付けて口に運ぶと翔は呆れた顔をして彼女に突っ込みを入れた。

 『わーるかったわね、おっかなくて…で、君の名前は?』
「お、俺は一十木音也だよ」
『へえ、一十木くんね…私は五十嵐明莉』

 翔に突っ込みを入れられて面倒くさそうに言葉を返すと明莉は音也の方を見て名前を聞くと音也は戸惑いながらも自己紹介する。彼の名前を聞いた明莉は復唱するように名前を呟いては彼女も自己紹介をした。
 
「五十嵐、よろしく!」
『うわあ、まぶしい…』
「お前、年寄り臭いな」
『残念ながら同い年だよ、来栖くん』

 にこっと笑う音也の笑顔が大要のようにまぶしかったようで明莉は思わず音也に向けて手をかざして一言言葉を漏らすと翔は残念そうな顔をして彼女に毒を吐くと明莉はむっとした顔をしてナイフで翔を指しながら年齢をバラした。

「え゛、同い年!?」
「じゃ、俺とも同じだ!」
「え、嫌なの?」

 同い年だと思わなかったようで翔は驚いた顔をして声を上げるいっぽいで音也は同い年が増えたとばかりに喜んでいると明莉は思わず翔の反応にじと目で問い掛けた。

「嫌とかじゃなくてフツーに年上だと思ってた」
『あら、ヤダ。老けて見える?お姉さんショックー』
「さっき同い年だって言っただろ!お前!!」

 真面目な顔をして明莉の問い掛けに答える翔に明莉は頬に手を当ててわざとらしく言葉を返すとテンポ良く翔から突っ込みの言葉が返って来る。

「あははっ、五十嵐って面白いね!」
「あ、音也君、発見しました〜」
「一十木、ここにいたのか」
「あ!真斗!那月!」

 明莉と翔の会話を見ていた音也は笑いながら言葉を掛けると少し離れた所から音也を呼ぶ声が聞こえて3人は声がする方を向くとそこには青髪の美人と黄色のふわふわした青年がこっちに向って歩いていた。その人物が分かると音也は二人に声を掛ける。

『だれ?』
「あ!待って待って!マサやん、四ノ宮さん!」
「トモちゃんも待って…!」

 突然現れた聖川真斗と四ノ宮那月に明莉は首を傾げながらフォークを加えていると真斗と那月を呼ぶ元気な女の子の声が聞こえてくると明莉#は覗き込むようにそちらの方を見ると紅色のウエーブヘアの女の子とピンクとオレンジの中間のボブヘアの女の子がいた。
 
『「あ!」』
「え、知り合い?」

 明莉は目を見開いて角でぶつかった少女を指差して声を上げると同じタイミングでボブヘアの女の子も驚いた顔で明莉を見て声を上げた。
二人の反応に戸惑ったように紅色のウエーブヘアの女の子が二人の顔を交互に見て首を傾げる。

「あ、あの時の…!」
『あの時の不思議な天使ちゃん』
「「天使ちゃん…?」」
「へ……?」

 ボブヘアの女の子は角でぶつかった時を思い出して言葉を溢すと明莉はあの時の印象をそのまま口に出していた。
彼女の口から出た言葉にその場にいる全員が明莉をじっとみて鸚鵡返しする。
まさか“天使”なんてワードが出ると思ってなかったのかボブヘアの女の子も素っ頓狂な声を上げた。 


食堂で

色とりどりの人たちと天使ちゃんに会う




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