#4




「これからパートナー決めをする!」


 次の時間、担任である日向龍也はSクラスの扉を開け、教壇に立ちそう告げた。
 クラスはざわめき誰とパートナーを組むか、そわそわし始めた。


「言っておくけどな、くじだからな」
「えー!そりゃないっしょ!」
「パートナーくらい自分で決めたいよな」


 クラスの生徒は自分たちで決められると思い込んでいた為に龍也の一言はブーイングを呼んだ。
 それはそれはとてもひどいくらいに。


「あいつと組むのはな…」
「確かに…あの子とは組みたくないなあ…」
『ぐー、ぐー…』


 クラスメートはぼそぼそ小言を言いながらじろじろとそれは気持ちよさそうに眠っている人物を見ていた。


「文句は受け付けねぇ!これは校長命令だからな。知っての通り、うちは校長の言うことは絶対だ。分かったな?」
「う…はい」
「そうなら仕方ないよね」


 龍也は眉間に皺寄せて有無を言わせない威厳たっぷりの口調で生徒に言い聞かせた。
 校長の命令は絶対。
 逆らえないとなれば嫌でも仕方なくもいうことを聞かないといけないのは生徒たちにも伝わると渋々覚悟を決めた様子だった。


「それじゃやるぞ……いい加減お前は起きろ!五十嵐!!」
『いだっ!!』


 納得した生徒たちを見た龍也は問題児である明莉を見据え、その人物目がけて分厚い本を投げつけた。
 投げつけたものは綺麗な弧を描き、明莉の後頭部に直撃したため、不意打ちに攻撃を食らった当の本人は変な声を出して目を覚ましたのだった。


「お前な…いい加減にしろよ?お前は一番最後だ」
『だからって、こんな凶器投げなくても…はいはい。分かりましたよ〜だ』


 黒い笑みを浮かべた龍也は言うことを聞かない娘を言い聞かせるように言葉を放っていたが明莉は平然とものを自分に投げたことをぶつぶつと文句を言いながらも龍也のいうことを聞いたのだった。


「おい、レンは何番だったんだ?」
「オレは…7番みたいだね。おチビちゃんは?」
「俺か〜?んっと、…おっ!見ろこれ!!1番だぜ!」


 クラスメートがどんどんくじを引いて紙に書いてある番号を見て行く。
 どの人とペアを組むことになるのかドキドキしながら。
 そんな中、目立つグループに入る小さいのと大きいのの会話をみんなが聞き耳を立てていた。
 翔はレンに籤引きの番号を聞いてみるとレンは手元にある紙を開いてはさらっと番号を言うと今度は翔に聞き返したのだ。
 翔は聞いておきながら自分はまだ紙を開いていなかったため、聞き返されてから紙を開いてみると目を見開いて驚きの声を漏らした。
 次の瞬間にはレンの目の前に紙を見せつけるように差し出し喜びの声をあがていた。


「全く…そのくらいで喜ぶとは、子供ですね」
「んなっ!?」
「まあまあ、かわいいじゃないか」
「俺は子供でも可愛くもないからなああああ!!」


 その様子を見ていたトキヤはため息を付きながら翔の行動に対して一言ぽそりと呟く。
 トキヤの一言が気に障った翔は眉をピクリを動かして眉を潜めていた。
 レンは余裕の笑みを浮かべながら翔の肩をポンと叩くと翔はでかい声で二人の言った言葉を全力で拒否をしていた。


「―最後に、五十嵐!お前だ!」
『へいへい…てか、最後だから引かなくてもわかるんじゃない?』
((そう言う問題じゃない気がする…))


 くじ引きの順番が最後になり明莉は龍也に呼ばれた。
 気だるそうに前へ行く彼女はぽそりと素朴な疑問を呟いていたが、周りは心の中で彼女の言葉に突っ込みを入れていたのだ。


「これで、全員引いたからペアで組め!」
(私のパートナー誰だ??)


 明莉がくじを引いたのを確認すると龍也は生徒に次の指示をしたのだった。
 彼女はとりあえず引いた紙を開き番号を確かめた。


『…な、なな番??』
(…ん??誰かさっきなな番って言ってたな…誰だっけ?)
「やあ、レディ、レディがオレのパートナーだね?」


 明莉は紙に書いてあった番号を口に出して読んでいた。
 紙に書いている番号に妙な違和感を感じていた。何故ならさっきどこかの誰かが言っていた番号だった気がしたからだ。
 その誰かはどの人物なのかを考えては周りを見渡していると後ろから低音ボイスの声が耳元に聞こえてきた。


『うわっ!?』
「…その反応は何だか新鮮だね」
『えーと、私のパートナーさん、ですか??』
「そうだよ、オレは7番。レディも7番だろう?」


 後ろから聞こえてきた声にぞっとして驚きの声を上げては飛び避けるようにその声の人物と距離を取った。
 彼女の取った行動はどうやら初めてのパターンだったらしく、低音ボイスの持ち主は眉下げて苦笑していた。
 ##NAME2##はそんなのお構いなしに歯切れ悪く彼が自分のパートナーか確認の問いをすると彼はさらりと肯定し、先ほど引いたくじの紙を彼女にぴらっと見せた。


『あ…、ほんとだ。』
「そーいうこと。これから、よろしくね?レディ」
『じゃ、よろしくお願いします……えーっと、ごめん。誰さんだっけ?』
「「はああああ〜!!??」」


 見せられた紙をまじまじ見ていた明莉を見てはくすっと笑った彼は彼女に微笑みかけては”よろしく”と声をかけると明莉も同じ言葉を返し頭を下げた…が、頭を上げては急に謝った。そしてけろっと一つパートナーに問いかけた。
 その問いかけはクラスを騒然とさせた。


『自己紹介の時、起きてたんだけど…名前覚えられなくて、ん〜、あ!そう!サックス!!サックスの人だよね!!』
「…っぷ、レディは面白いアプローチだね。いいね、斬新だよ」


 明莉は眉下げて言い訳をつらつらと言っていたが、一つだけ覚えていることがあったことを思い出しては笑顔で彼の得意楽器を言っては彼にそれを伝える。
 誰かを問われていた彼はまさかの反応に拍子抜けしていたが、彼女の嬉しそうな顔を見ては急に笑い出し、終始くすくす笑っていた。


『え?あ、アプローチ??』
「オレの名前は神宮司レン。ちゃんと覚えてね?パートナーさん」
『あ、ごめんなさ…っんなあ!?』


 彼の言っている意味が理解できなかった明莉は首を傾げては彼の言っていた言葉を鸚鵡返ししていた。
 すると改めて彼女のパートナーになる男は自己紹介をして微笑んでは彼女の手を取った。
 流石に申し訳ないと感じた明莉は謝ろうと言い掛けた時、レンは彼女の手の甲に口づけを落としたのだ。そのため、変な声で彼女は驚いていた。


「「「きゃーー!!」」」
「レンの奴…」
「全く、騒がしい人ですね」


 その様子を見ていたクラスの女子の悲鳴が廊下にも響いていた。
 間近で見ていた翔とトキヤはため息をついていたのだった。


とんでもない人が

パートナーになりました





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