神様はいる
神様なんて、いるの?そう聞かれれば、私はYESと答える。
まあ、見えるからいるのを知ってるだけなんだよね。
本当にいるんだよ。
常に私のそばにいてくれる。
守ってくれてる優しい私の神様たちが。
見えていても、見えてなくても、
誰かのそばにもきっとにいるんだと思う。
それは善し悪し関係なく。
悪行をすれば、それを罰する神様がいて。
善行をすれば、やさしく見守る神様がいる。
至って、単純のこと。
それは神様や人は関係なく。
この世はきっとそういうものなんだと思う。
私のそばにいるのら正しい歴史を守る付喪神。
刀剣男士と呼ばれる神様だ。
◇◇◇
黄昏時、少女は学校の廊下を歩いている。
下校の時刻が過ぎたのか。
生徒の声が聞こえない。
昼と夜の間の真っ赤な日が大地へと消える様子はどこか人を不安にさせた。
「……早く帰らなきゃ」
少女はスクールバッグを肩にかけ、ぎゅっと肩紐を握る。
固唾を飲み込むと早足で廊下を歩いた。
「っ、………」
背中がぞくりと悪寒を感じる。
彼女は目を見開き、後ろを振り返った。
しかし、どこにも何もいない。
「……」
本能が訴えているのだろう。
早くここを離れろ、と。
彼女はただ、何もい廊下をじっと見つめ続けた。
見つめる先、なぜか景色が歪んだ。
まるで、異空間とこの場所が繋がったように。
異空間からは、手が出てきた。
刀を持った何かが。
「っ、時間遡行軍…!」
やっぱり…!
そう心の中で言葉をこぼす。
彼女は直感で来ると思っていたようだ。
しかし、いざ目の前にすれば、驚かずにはいられないらしい。
目を見開いて、声を上げる。
時間遡行軍。
歴史修正主義に使役される謎の存在。
(……これで何度目?)
どうやら、この状況は初めてではないらしい。
彼女は暗い表情を落とした。
歴史修正主義者たちはなかなか進まない歴史修正に苛立ちを覚え、審神者を消すことを考えてるのだろう。
こういった案件は彼女以外にもある。
だからこそ、政府は身を守るよう勧告が出ている。
彼女ははぁぁぁっと身体を巡る酸素を吐き出すとパンッと乾いた音を両手で鳴らした。
「
瞳を閉じ、はっきりと言ノ葉に声を乗せる。
彼女が口にしたと同時に彼女の背後からぱああっと明るい光が放たれた。
「どーしたのって…うわあ……時間遡行軍じゃん」
「大将は引きが強いな?」
「はっはっはっ、こりゃ驚きだな」
「あるじさん人気者だね」
黒いコートに身を包み、赤い瞳に口元左下にほくろ、襟足の一部を伸ばし、胸元で結っている青年。
黒髪にかわいらしい顔立ちで半ズボンとハイソックスを身につけた少年。
銀髪金眼に細い肢体を持ち、フードのついた真っ白な着物に金の鎖を纏った青年。
スカイブルーの瞳に、ストロベリーブロンドのロングヘア、黒のオーバーニー、フリル付ミニワンピース型の軍服を着た少女のような少年。
4人の顔の整った者たちが現れたのだ。
彼らは各々に呼び出した彼女の現状に言葉を紡ぐ。
「時間遡行軍に人気って嬉しくなーい!
「はいはーい」
「そんじゃ、行きますか」
少女はうわあん!と嘆きながら、乱藤四郎の言葉を返すと青年たちに命令口調で言葉を吐いた。
彼らは彼女の言葉を軽々しく受けると自身の刀を抜く。
刀を手に持つ彼らの目は既に獲物を狩る者の目をしていた。
愛しい愛しい人の子を守るため、
<あとがき>
書きたいところだけ、書きました。
こういうお話読みたいなぁ…と。