予定は未定
※卒業から七年後。※「うたのプリンスさまっ♪」と若干クロスオーバーしてますが、知らなくても読める程度にしてます。
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椚ヶ丘中学を卒業して7年……私たちは大人になっていた。
「おーい!みょうじ!!」
「こっちこっち〜!」
私は居酒屋に入ると先に着いているであろう相手を探していた。
大きな声で私を呼ぶ声が聞こえる。
声のする方向を見ると懐かしい顔ぶれ。
あの3-Eのメンバーが相変わらず元気で先に飲み会をやっていた。
「ごめんごめん!思ったより仕事長引いて…」
「あのなまえがなぁ、今となっては売れっ子作曲家だもんな!」
「って!あんたが自慢することじゃないでしょ!」
仕事が忙しくて手入れの時期に中々参加出来てない私も今回の飲み会には何とか参加出来たが、クライアントとの打ち合わせが長引いてまさかの遅刻。
眉下げて謝ると前原くんが自分の事のように自慢げに話し、ひなたちゃんがツッコミを入れる姿に私はおかしくなって笑ってしまった。
「みょうじ、飲み物決まったら言って」
「ん、ありがとー」
「やっと全員が社会人になったって感じだな…みんなはどうなんだ?」
磯貝くんが私が席に座るとさり気なくメニューを渡してくれるあたり流石気遣いの人。
そして、みんなに社会人になってからの話を振っていた。
やっぱり中学を卒業してもクラス委員長はご顕在のようで。
「まだまだ新人だから、追いつくのに必死だよ」
「ホントそれだよなー」
「みんな大変だよねぇ…すごいなぁ」
メグちゃんが眉下げて磯貝くんの言葉に返答してると木村くんが同意してビールを飲んだ。
私はカシスオレンジを店員に頼むとみんなの社会人話を聞いて本当にすごいなと感心して言葉を零す。
「すごいって、お前の方がもう社会人歴長いだろー!」
「いや、そうなんだけど…やっぱり大学行って社会人になるのって私からするとすごいなって思うから」
「確かにお前があの早乙女学園に行くって言った時は驚いたけどな」
「うんうん!でも、今はシャイニング事務所に入ってバリバリでしょ〜?かっこいいよねぇ」
私のこぼした言葉に木村くんが私に喝を入れるような元気すぎる言葉をくれた。
普通に大学に出て社会に出ていくみんながみんなにとって当たり前なのかもしれないけど、私にとってはすごい事だと思うんだよね。
そう、私は念願だった早乙女学園に入学して沢山の出会いを経て今はシャイニング事務所の正所属になってもう3年。
杉野くんが当時を思い出して笑いながら、言葉を漏らすとひなのちゃんが首を縦に振って褒めるような言葉をくれた。
う、嬉しいけど…ちょっと、恥ずかしい。
「あ、ありがとう…」
「シャイニング事務所ってイケメンばっかでしょー??どなのどなの!?」
「恋の発展とかないの!?」
丁度よく届いたカシスオレンジを受け取りながら、恥ずかしげにお礼を言うと莉桜ちゃんが私の肩を組んで親父臭く唐突に恋バナを持ちかける。
それにノリったひなのちゃんがわくわくした顔で私の言葉を待っていた。
……あ、このクラスゲスなの忘れてた。
「あのねぇ、ある訳ないでしょ…第一、うちの事務所恋愛禁止」
「えー、でもでも禁断の愛…とかー!」
「残念ながら取り扱っておりません」
私はため息をついて莉桜ちゃんとひなのちゃんの言葉をすっぱり切るけど諦めの悪いひなのちゃんが詰め寄るが私は少し厳しめの否定の言葉で断言した。
「あはは…餌食になってるね、なまえ」
「笑ってないで助けてもらえますー?渚せんせー」
「んー…頑張って!」
「見捨てるなー!」
私はそろそろ話題を変えたいなと思っていたら幼馴染みの渚が声を掛けてくれる。
きゅ、救世主…!!
……かと思ったけどのほほんと状況を実況してる彼にジト目を向けた私は嫌味ったらしく言葉を返すと応援の言葉をかけられた。
完全に見捨てた渚に私が突っ込むとクラスメイトたちは高々と笑いの声を上げる。
それから会えなかった分、お互いの近況を語り合っていた。
飲み会も終盤に差し掛かろうとした時、1本の電話が掛かってきた。
「ごめん、電話出てくるね」
仕事のトラブルかと思った私はその場にいる人たちに声を掛けて席を外して廊下に出た。
「もしもし、みょうじだけど…どうしたの?」
『なまえ!!大変だよ!うちのレコーディングルーム全滅してて!』
「はあ!?」
電話の名前表示の相手は同期の一十木音也だ。
こんな時間に電話してくるってことは向こうでも同期会でもしてるのかな?
なんて軽い気持ちで電話に出ると彼はかなりテンパった声でとんでもない発言をした彼に私は思いっきり叫んでしまった。
「なまえ、大丈夫??」
「ご、ごめん!大丈夫!…それどゆこと?」
『なんか急遽一斉メンテナンスになったらしくて、リンちゃんとかも全然知らなくて、社長が勝手に決めたみたいで……』
「ああ、理解…」
私の大声に心配したメグちゃんが覗きに来てくれ、驚き過ぎてそこまで聞こえる声で話してしまったことに気が付き、反省しつつ、謝罪の言葉を零す。
そして、音也の話に戻して話を聞くと有り得ないことがうちの事務所で起きていることを理解した。
どうせ急にあの社長の思いつきでうちの事務所の持ってるレコーディングルームはメンテナンスになったんだろう。
『今、トキヤと七海とで近くの他の所借りられるか聞いてたんだけどどこも埋まっててなまえならいい所知らないかと思って電話したんだ』
「あー…そう言えばあんたたち久しぶりに2人で出すんだっけ…急ぎってことは…〆いつ?明日中?」
『明後日の14時!』
困り果ててるような音也の声はしゅんとして耳を垂れさせてる犬を彷彿させる。
一ノ瀬くんと春歌ちゃんも探して見つからないなら相当難しいんだろうことも分かっていた。
そして、前に嬉しそうに春歌ちゃんが言ってたことを思い出して締めが近いからこんなに焦ってることを察した私は締め日を聞くと元気に答える音也。
「ということは明日中に音取りすれば何とか間に合うね…OK、場所は確保しておくから…詳細はグループLANEで送るから時間はそっちで決めて」
『!!いいの!?』
「私もあんたたちのファンだから…最高な音楽楽しみにしてる!」
『!!ありがとう!俺、頑張るよ!!』
音也の返答に私は逆算すると今日中にという話でもないことがわかったので音也に約束をすると嬉しそうな声がする。
それを聞いた私は犬が嬉しくて尻尾を振っている姿が思い浮かんでしまって笑ってしまったけど素直に思ってることを言うとやる気に満ちた声が返ってきた。
「そこは俺たち、でしょ?」
『あはは、そうだった!!』
「全く……じゃ、明日ね」
私は音也の言葉に呆れたように注意すると照れくさそうに笑いながら彼は同意する。
呆れながら、明日の約束をすると私は電話を切って明日使うレコーディングルームの場所の詳細…私の家の場所をを3人に送り付ける。
みんなのいる座敷へと戻ろうと振り返ると壁に寄っかかってスマホを弄ってる人物を見つけた。
「…久しぶりー、なまえ」
「久しぶり、カルマくん」
全然会わなかったうちに更にイケメンになった気がする。
それとも初恋の相手だからなんか不思議なフィルターでもかかってるのか…ただ壁に寄りかかってるだけなのにそれが様になってて見つめてしまっていた。
視線に気付いたのかこちらを見て微笑んでは挨拶をしてくれる赤髪の高身長の男。
赤羽業だった。
私も微笑み返して挨拶を返すが内心はドキドキ。
イケメン見慣れてるはずなのになんか緊張する。
「大変だね〜、仕事。明日も仕事なんだ?」
「あー…トラブルがあってね…あはは……でも、カルマくん程じゃないと思うよ?」
「そう?」
眉下げて休みないじゃんとばかりの顔をして言葉を掛けてくれるカルマくんに私は苦笑いしながら返答するとカルマくんにも同じような言葉を返す。
だって、彼は官僚。
国を支える仕事だ。
大変じゃない訳がないんだから。
でも、そうでもなさそうにさらっと言葉を返すカルマくんは今も昔も変わらずスマートに見せる。
「そうだよ〜…ってこんな所で立ち話って変だね、戻ろうか」
「んー…あ、なまえにお願いがあってさ」
「え、何?」
2人で話すのがそわそわしてしまう私は早く話を切り上げて座敷に戻ろうと声をかけたけど、生返事するカルマくん。
急にお願いがあると言うので不思議に思った私は首を傾げた。
「今日さ、泊めて」
「……は?」
「だから、泊めて。終電逃したから」
彼はとてつもない爆弾発言をしてきた。
注意、私たち付き合っていません。
なにこいつ言ってんの?
私の反応はごく普通だと思う。
思わず、短い問いかけを返すが同じ言葉をまた紡がれた。
それらしい理由も述べる。
スマホの時間を確認すると既に12時を回っていた。
「渚にでも頼めばいいじゃ…」
「せっかくさぁ、茅野ちゃんと会えたのに水指すみたいじゃ〜ん?それにみんな移動して俺たち置いてかれてるし」
「えっ!?嘘!!」
私は女の私に頼み事じゃないだろ…と思いながら呆れながら、こぼした言葉にさらりとあの懐かしいいつもの調子で言葉を返してくる。
え、楓ちゃん来てたの…?
会って話したかったぁ…でも、渚とあんまり会えてないみたいだから気を使ったんだなとか思ってた。
だけど、それよりも、置いていかれたと言う言葉に驚きを隠せず私は声を上げた。
「ほ、ほんとだ…いない」
「嘘つくわけないデショ」
「何回も嘘つかれてきましたけど?」
確認するかのことく座敷に戻るともぬけの殻。
カルマくんの言った通りだったことに私は呆然としてると後ろからため息をつかれた。
彼の言葉に私は顔だけ振り返って睨むけど、あんまり効果ないようで飄々とした顔をしている。
え、どうしよう……マジで泊めるの、この人。
初恋の人家に泊めるほど私、人間出来てません。
だって、まだこの人のこと好きだから。
いくら私の家一軒家で広くてゲストルームあるからと言っても無理です。
「…俺の家、遠いから泊めて欲しいなぁ」
「私、寮生活なんだけど?」
「茅野ちゃん、寮生活終わって自分の家に戻ってるって言ってたけど?あれ嘘?」
「はあ……知ってたの」
私がごちゃごちゃ考えてるとカルマくんはまたお願いをしてきて逃げれるかと思って嘘の言い訳をするけど既に私の最新の情報を入手されていて誤魔化しが効かない。
余裕そうに微笑みながら言うもんだからこの人には適わないと思い私は諦めた。
「まあね」
「今日だけだよ?不本意ながら許可します…」
「ははっ、もっと言い方ないの?」
ニヤニヤ笑うカルマくんにキュンとしてはでも、癪なので嫌々泊めて上げますみたいな言い方をしたら笑われてしまった。
もう…一体何なのよ……。
憎まれ口を叩きながら帰路は何だか心地よかった。…お酒入ってても多少は緊張します。
「カルマくーん、これ、パジャマ。それから部屋は1階のゲストルームなら何処でも使っていいよ」
「………何で男物のパジャマなんてあるの?」
何やかんやで我が家に着くと私は引き出しから男性物のパジャマを出してカルマくんに渡して部屋を紹介してるとすごーく不服そうな顔をしてちょっとさっきより低い声で問い掛けてくる。
え、何、ちょっと怖いんですけどっ
「え、レコーディングとかでたまに仕方なく?」
「ふーん……」
「そんなことどうでもいいから早く風呂入って!ね!」
私は戸惑いながら言い訳ぽいことを首傾げて言うと納得してなさそうに生返事するカルマくんの背中押して浴室へと無理矢理案内する。
「今日の朝、入れたばっかだからシャワー浴びてる間に追い焚きすれば大丈夫だから」
「…それってなまえ入ったお湯ってこと?」
「何でそういうこと聞くの!朝掃除してお湯はり直したの!今日遅くなると思ったから!バカ!!」
親切心で言った言葉がカルマくんによってまさか生々しい発言に変わるとは思わなくって思わず顔に熱が集まって言葉を返すとカルマくんはニヤニヤ笑っていていたたまれなくなった私は悪口を言って浴室の扉を思い切り閉めた。
「くっくっくっ…相変わらずからかいがいがある…」
(……早いとこ、捕まえて置かないと厄介だな)
私をからかって楽しそうに笑ってたカルマくんがこんなことを考えてたなんて私には知る術もなくて私はさっさとレコーディングルーム…明日の準備を済ませて地下室から上がると丁度カルマくんが浴室から上がった所のようでばったりと出くわした。
「先にどーも」
「え、あ、うん…私も入ろっ!あ、冷蔵庫勝手に開けていいからね」
「んー…」
まだ濡れてる髪をガシガシとタオルで拭きながら私にお礼を言ってくると私は見惚れてしまっていたが早口で言い終えると浴室まで早歩きで向かう。
水も滴るなんとやら…じゃなかった!!
もー!色気そんなに振りまかないで!!
「私の身が持たないよぉ……」
シャワーを浴びてお湯に浸かりながらここ数時間の出来事に色んないちで疲れてしまった私はぽつりとこぼした言葉は本音。
(でも、ゲストルームで寝るし別に変なこと起きないし大丈夫。大丈夫…でも、明日音也たち来るんだった……あー、会わせないようにしなきゃ)
ひとつ屋根の下に男女がいる…しかも、お互いいい大人だしとか色々考えては冷静に大丈夫だと言い聞かせる自分。
そして、明日のレコーディングは音也たちには行ってないけど実は私の家でやることを思い出した私は絶対会わせないようにしないとと考えたら憂鬱になりため息をついてお風呂から上がった。
「うー…逆上せたかも」
「上がったんだ?」
色々考えながら、湯船に浸かっていた私は軽くふらついてしまってるので水分を取ろうとキッチンに入るためにリビングに行くとスマホを弄ってのんびり過ごしているカルマくんがいた。
…まだ寝てなかったのね
「うん…カルマくんまだ寝てなかったんだ?」
「まーねー」
私はカルマくんの言葉に返事をしながら冷蔵庫を開けて500mlのペットボトルを取り出して水分補給すると適当な返事が返ってくる。
「あ、そっか。明日休日だもんね」
「そうだよ、誰かさんと違って日曜日まで働かないから」
「嫌味ですか」
時計の針を見ると2時を回っていても起きてるのは何でだろうと考えていたら明日…否今日は日曜日だったことを思い出す。
それを口にしていた私にカルマくんは嫌味のように言葉を返してくる。
「つーかさ、なまえって危機感ないよね」
「何…急に……そんなことないと思うけど」
突然スマホを弄るのをやめたカルマくんは真剣な顔して言い出した言葉に私は驚いて何を言い出すんだろうと否定の言葉を続けて彼の座ってるソファに近づいた。
「普通さあ…終電逃したからって泊める?ホテルに泊まれば?とか言うデショ」
「泊めろと言った本人が言うセリフ??」
軽くため息をついたカルマくんは今更ながらのことを言ってくる。
その言葉は数時間前のあなたが言ったセリフですよね?というか、なんで私責められてるのよ。
ホテルに泊まるっていう選択肢あるなら最初からそうしてよ!
「…下心ありありだって思わない訳?」
「っ!!?」
腕を引っ張られて咄嗟のことで抵抗出来なかった私は彼の隣に座ることになってカルマくんの顔は目の前にあった。
そして、彼のとんでもない発言に私は驚きで声を出せなかった。
「っ、な、何言って……」
「言っとくけど冗談じゃないよ」
「あ、有り得ない!!」
やっとの思いで言葉を返すが彼の目は真剣そのもので声音も嘘をついてる様には見えなかったけど私は信じられなくて否定の言葉を紡いでいた。
「…ねぇ、今男いる?」
「……」
それ、抱きしめながら言うことですか?
抱きしめられながら耳元で囁かれた言葉に私は頭の中でツッコミを入れるけれど緊張しすぎて言葉に出来なくなった。
「いないなら、欲しいんだけどなまえが」
「………それってどういう意味?」
更に爆弾を落とすカルマくん。
でも、それを素直に受け止めていいのか不安になった私はちらっとカルマくんを見上げて問いかける。
「…ずっと、好きだったんだ」
「っ!!」
「付き合って欲しいんだけど…」
期待が膨らむ中、欲しかった言葉が聞けた瞬間。私は嬉しさで気付かないうちに涙を浮かべていた。
見上げるカルマくんは少し照れてたようで頬が薄くだけど赤く染まっていた。
「……私も、好き……だけど、恋愛禁止だし」
「そんなの黙ってればいいじゃん」
「うちの社長、そういう嗅覚鋭いんだもん」
まっすぐ見る相手の目を見ていたら私も素直に思いを告げることが出来たけど眉を下げて事務所のルール、恋愛禁止だからと言うとカルマくんはさらっととんでもないことを言う。
私は焦って首を振って眉を下げた。
両想いって分かって嬉しいけど…きっと付き合えない。
「…でもそれってさ、アイドルが恋愛しないようになんでしょ?アイドルと作曲家がアウトなのは分かるけど、作曲家と一般人は問題なくね?」
「………確かに」
私がしょんぼりしてるとカルマくんは何だか理論的に大丈夫そうに話してくれるので私もだんだん大丈夫そうに感じてくる。
「それに何処の馬の骨ともしれない奴になまえ渡したくないんだけど?」
「…………そんな物珍しい人いないと思うけど…」
「7年、大分我慢したんだよね…クラスの集まり俺が来れる時いないし、なまえがいる時来れないしで…っ!」
ムスッとした顔して独占欲を出してくれるカルマくんに嬉しさが込み上げてくるけど大袈裟に言うカルマくんに苦笑すると次々出る彼の言葉は私を喜ばす言葉ばかりで…。
会いたいのに会えない。
同じこと思ってたことに幸せを感じて私は思い切り抱き締める。
「…カルマくん、彼女にしてくれますか?」
「当たり前」
カルマくんの顔を見て微笑みながら問いかけると彼は不敵な笑みを浮かべて当然とばかりに言葉をこぼすと私にそっと優しく口付けた。
「…早速だけど頂くよ?」
「……………ん!?」
口付けを受けた後、彼の胸板に頬を寄せて抱きしめていたら言われた言葉に私は反応が遅れてしまった。
ん?早くありません?
「言ったよね?7年我慢したし下心満載だって」
遠回しに言ってたけどそんなストレートに言ってないよね!?
彼はニヤリと笑って言うと私は顔を赤くして金魚のように口をパクパクさせる。
「あ、あの、私、明日仕事…」
「大丈夫大丈夫、優しくするから」
「そういう問題じゃないよね!?」
やっと絞り出した言葉はカルマくんによって遮られてしまい、私は横抱きされてゲストルームへと足を向けるカルマくんに抵抗しようと足をバタバタするが全く意味がなく…結局カルマくんに頂かれてしまった。
次の日、音也たち3人が私の家に来た時にカルマくんが出くわしてしまったのは言うまでもなく。
誤魔化そうとしたけどそれは適わず…カルマくんが堂々というもんだから、音也と春歌は顔を真っ赤にさせて驚いてたけど、一ノ瀬くんは深いため息をついて頭を抱えていた。
予定は未定。
―最大の誤算は貴方の行動力―