小ネタ帳

此処は、お話に昇華出来なかった小ネタや、これからお話に昇華するかもしれないネタ達を書き留めた、所謂ネタ置き場です。主に、管理人の覚え書き処。名前変換物は*で表記。鍵付きについてはインフォページ参照。


▽三月の泣き虫。

たぬさん掌編ネタ。
何かぶちまけたくなって書き殴った文章。
主に台詞文のみ。
四月になった頃に思っていた事を書いた代物だったけど、当時何やかんやあって上げるの忘れてた。
取り敢えず忠告すると、全く明るくない内容である。


【追記】

あれから二年も経ったのに、どうしてだろう、俺は何にも変わっていない。
時間が解決してくれるだろうと思ってたのに、実際たったの二年ぽっちじゃ何も変わってないや。
何も、変わってない。
俺は、止まったままだ……。
あの日から、俺の時間は止まったまま…何も変われてない、何も進んでない。

『あの日に全て置いてきたと思ってたのにな…ずっと引き摺ったまま、今も胸の内で燻らせたままだ…っ。』

別に泣きたくもなかったのに、目からはらはらと泪が溢れてきて仕方がない。

『子供の頃は、大人は何で泣かないんだろうって思ってた…けど、違ったんだ。大人になった今は分かる、本当は…大人は泣かないんじゃない、泣けないんだよね。だって、大人は子供の頃とは違う。子供の頃は何でも自由に考え無邪気で居られた…けども、大人はそうはいかない。大人になったら、何をするにも厳しい制限が付くし、自由で居られなくなる。沢山のものに縛られて、そして…何時しか、その重みに堪えられなくなって潰れていく。吐き出したい事が沢山あっても、何処にも吐き出せなくなる…感情の遣り場を失う。エンドレスループの末に自我は崩壊、精神は脆く崩れ去る。大人は不自由だ…感情も閉ざされ、泣きたくても泣けなくなるようになってしまって、最終的にはどうしようもなくなる。』

彼は黙って寄り添っていてくれる。
ただ黙って俺の独白を聞いてくれている。

『俺はどうしたら良かったんだろう、過去をやり直したい訳ではない…やり直したってしょうがない事だって分かってるから。でもさ…時折思う事があるんだ……“もし、あの頃に戻れるのなら”って…。願っちゃうんだ…無様にも、時々“あの頃に戻れたらなぁ”って……!仕事を辞めたあの月である三月だから、特に…ッ。幾度忘れようと思った事か…っ、だけど忘れられる訳がなかった…!忘れられるもんですか……っ、あんなに脳裏に焼き付いて染み付き離れない記憶なんて…!!でも、俺は願った!少しでも良いから忘れていこうって…、でも現実は駄目だった…っ、現実は残酷だ……ッ、厭なもの程忘れさせてはくれない…!絡み付いて離れようとしない……ッ!!何時になったら俺は変われるの?何時になったら、俺は楽になれるの?何時になったら…俺はこの柵(苦しみ)から解放されるの………っ?お願いだよ…、早くあの記憶を忘れさせて………ッ。出来ないのなら、せめて、上塗りするだけでも良いから…。俺は…、早く楽になりたいよ……………っ。』

堰を切ったように溢れる泪が止まらず、彼の服を濡らし濃い色の染みを増やしていった。
嗚咽でしゃくり上げる喉が苦しくて、痛みを訴えて悲鳴を上げる。
其れでも泪は変わらず流れていった。
呼吸が苦しくなって、息の仕方を忘れる。
彼が其れを優しく宥めてくれる。
私は其れに、ただひたすら縋り付くようにして泣くしかなかった。
彼は悲痛そうに顔を歪めて抱いた。
そして、私に見えぬよう、心の内でそっと泣いた。

2020/07/18(03:55)

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