情事後の璃子ちゃんは声が掠れてて、普段よりも声が低めだ。
いつも喋ってる時に出してる声音が出し辛いから、自然とそうなってしまうんだろうけど…それが妙に色っぽい。
先に目が覚めた事で、ぼんやりとした頭でそんな事を考える。
ふと、腕の中の方がもぞもぞと動き始めた。
ゆるりと布団から顔を出した彼女は、眉間に皺を寄せた表情をして、眠気眼の目を瞬かせる。
同じく寝起きでぼんやりとした彼女は、もぞりと前傾姿勢を取ると、おもむろに起き上がってベッドから抜け出た。
「何処いくの…?」
『トイレ…。』
寝起きのせいか、少し気怠げな返事が返ってくる。
でも、そこがまた良いと感じる僕は、末期と言える程彼女に溺れている。
事実、昨日の夜は、めいっぱい彼女と気持ち良い事をした。
大好きな気持ちが伝われば良いなと、全身で彼女を愛撫した。
昨日の彼女はたくさん啼いていて凄く可愛かったけど、今の気怠げな彼女も勿論可愛い。
「一人で大丈夫?僕も付いて行こっか…?」
『良い…。歩けるから、一人でも行ける…。』
「そう…?きつかったりしたら、ちゃんと言うんだよ…?運んで上げるから。」
『ん…。』
語尾の音が上がって途切れる時の吐息混じりがもう駄目。
おまけに、今は裸の上から仮に着た僕のYシャツ(前全開のはだけた状態)も相俟って、艶過ぎて直視出来ない。
低めな掠れ声で名前を呼ばれれば、また身体の下の方の熱が滾ってきて、熱量を増すだろう。
嗚呼、駄目だ駄目だ…っ。
意識したら、またしたくなっちゃう。
そうなったら、彼女を抱き潰すまでやっちゃいそうだし、そうなるとツライのは彼女の方だ。
一旦冷静になろう。
平常心平常心、クールダウンクールダウン…。
『光忠ぁ〜…。』
「ん…っ、何だい?」
『懐…。』
「ん?入れて欲しいって…?うん、良いよ。おいで。」
いつの間に戻ってきたのか、ベッドの縁に立っていた彼女は、そのままぼふりっ、と倒れ込んできて、僕に引かれるまま腕の中に収まる。
まだ眠いのか、僕の胸に額をくっ付けると猫みたいにグリグリと擦り付けてきた。
寝起きかつ情事後とあって、可愛さ倍増である。
「眠いの…?」
『ん゙ー…っ。』
「僕もだよ。じゃあ、一緒にもう一眠りしよっか。起きたら、ご飯食べようね?あ、でも、その前にお風呂か…。いっぱい汗かいちゃったから、汗流しとかないとねっ。二人とも疲れちゃってるし、手早く済むシャワーでも良いかい?」
『ん゙ぅ…。』
「んっ。じゃ、それで決まりね。おやすみ、璃子ちゃん…。」
幸せな夜明けを迎えた午前六時。
結局、この後起きたのはお昼過ぎだった。
爆睡だった。
執筆日:2017.10.15